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日本の美意識を表現!新たな挑戦から始まるマツダ“魂動デザイン”第2章

&GP / 2018年2月25日 20時0分

写真

日本の美意識を表現!新たな挑戦から始まるマツダ“魂動デザイン”第2章

クルマとデザインは、切っても切れない関係にあります。デザインは機能の象徴であり、また、たくましさや優雅さを表現するツールでもあります。

皆さんのクルマ選びにおいても、性能が同等であるモデルどうしなら、より自分の感性に合うデザインの車種を選択するのではないでしょうか?

近年、日本車の中でも、デザインについて多くの話題を提供しているマツダ。2011年の東京モーターショーで発表された「雄(TAKERI)」、2015年の「RX-VISION(RX-ビジョン)」、そして2017年の「VISION COUPE(ビジョン・クーペ)」といったコンセプトモデルが、人々の関心を集め、大きな話題となったのはご存知のとおりです。

RX-VISION

VISION COUPE

特に、マツダの次世代デザインの方向性を暗示させる2台のコンセプトカー、RX-VISIONとVISION COUPEは、ともにフランス・パリで開催される「国際自動車フェスティバル」において、美しさやデザインにおける創造性、新しいトレンドを最も体現しているコンセプトカーに贈られる「Most Beautiful Concept Car of the Year賞」に選出。国内外で高い評価を得ています。

マツダは2010年より“魂動(こどう)-SOUL of MOTION”というデザイン哲学に基づき、生命感あふれるダイナミックなデザインのクルマを次々と生み出してきました。そして2017年、VISION COUPEとともに発表された「魁(かい)CONCEPT」では、魂動デザインがさらなる深化を遂げ、新たなフェーズを迎えつつあることを示しました。

魁CONCEPT

そこで、魁CONCEPTのデザインを手掛けたマツダデザイン本部チーフデザイナーの土田康剛さんに、最新の魂動デザイン、そして、魁CONCEPTに込めた思いなどについて伺いました。

■デザイナーとモデラーが“共創”した魁CONCEPT

2017年、東京モーターショーのマツダブースで主役を飾り、来場者の注目を集めたハッチバックのコンセプトカー、魁CONCEPT。そのネーミングには、次の世代へ“先駆け”ていくという意味が込められており、次世代エンジン“SKYACTIV-X(スカイアクティブ-X)”の搭載など、マツダらしいチャレンジ精神を感じられた人も多いことでしょう。そしてこの魁CONCEPTは、デザインにおいても新たな挑戦があったと、土田さんは語ります。

マツダ デザイン本部 チーフデザイナー 土田康剛さん

「魂動デザインについては、我々の哲学ですので何も変えてはいません。しかし、現世代の魂動デザインは、キャラクターラインを組み合わせることでつくるリズミカルな動きで生命感を表現していますが、次の世代、つまり魁CONCEPTでは、ラインを消し、繊細な光の動きで生命感を現そうと考えました。背景にあるのは、日本生まれのブランドとして、日本の美意識を表現したいという思いです。それは“引き算”の美学であり、引くこと、省略することによって要素を研ぎ澄まし、メッセージを濃密にしたい、というものです。

魁CONCEPTでは要素を引くことで、色気を濃くしたいと考えました。コンセプトは“色気のある塊”です。ハッチバックらしい力強く、凝縮した美しさを目指していて、大きな、強い塊を感じられるプロポーションをつくり上げました。リフレクション、つまりボディで受けた光が絶えず動いていくことで、生き生きとした表情を見せ、ずっと眺めていても飽きることのない、艶やかな色気を表現しています」

マツダとしてのデザイン哲学や、これまで大切に培ってきた生命感、躍動感へのこだわりこそ変わりませんが、次の世代では、その表現方法が進化したというわけです。そして、こうした進化を表現するために、魁CONCEPTの造形において、特にこだわった部分があると土田さんは続けます。

「リアから眺めた時のスタンスやスタビリティ表現では、新たな造形にチャレンジしました。具体的にいうと、キャビン部分とボディをひとつの塊として捉え、表現しています。これまでエクステリアを描く時は、ショルダーライン、つまり肩となる部分がありましたが、この肩のギャップをなくすことで、圧倒的なスタンスを表現しています。後ろからの眺めていただくと、塊感や我々がこめた思いを感じていただけると思います」

ルーフからCピラー、そしてテールへと柔らかにつながる面、フロントからリアへと流れるように連続するフェンダーの曲線と抑揚…。それらが生み出す塊感と存在感、そして圧倒的なスタンスは、実車を見た人はもちろん、写真からでも伝わるものだと思います。そして、土田さんが率いるデザインチームは、この造形を現実のモノ、立体物にするために、新たな開発プロセスにも挑戦したといいます。

「一般的なデザイン開発のプロセスに対し、今回は手法を変えました。通常は、デザイナーがスケッチを描き、モデラーがクレイ(粘土)モデルをつくり、それをデータ化してフィニッシュとなります。でも、魁CONCEPTのフォルム造形はスケッチでは描きにくいので、最初はどういう光を表現したいのか、そこからスタートしたのです。クレイモデルでは、それを立体化するとどんな形状になるのかを試しましたが、クルマという形にとらわれることはありませんでした。それらを写真に撮ったり、データとしてスキャンしたりして、再びデザイナーがクルマの形として描き、モデラーがさらに立体化していったのです。

我々は今回のプロセスを“共創”と呼んでいます。デザイナーやモデラーがともにつくっていく、行ったり来たりを繰り返す、というスタイルですね。それにより、デザインの熟成を図るというのは、とてもユニークな手法だと思います」

かつてない手法で、現実のものとなった魁CONCEPTですが、そうなると期待したいのが、市販車へのフィードバックでしょう。とはいえ、製作にじっくりと手間を掛けられるコンセプトモデルとは異なり、市販モデルでこの美しい曲線を実現するには、いくつものハードルがあることは想像に難くありません。しかし土田さんは、力強く語ります。

「確かに、あの形状をプレスでつくるのには、非常に高いハードルがあるのは事実です。でも次世代デザインには、魁CONCEPTで実現した“光のアート”を織り込んでいくつもりです。エンジニアや生産現場、そして我々デザイナーも、マツダのスタッフは高いハードルにこそ挑みたいという“志”を持っていますし、日々、努力を重ねています。ぜひ期待していただきたいですね」

新たな1ページを開いたマツダの魂動デザイン。魁CONCEPTのエッセンスを含んだ市販モデルが我々の前に登場するのは、そう遠い日ではなさそうです。

(文/村田尚之 写真/田中一矢、マツダ)

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