【レンジローバー ヴェラール試乗】やはりディーゼルが売れ線!高級車らしく静粛性も極上
&GP / 2018年3月11日 19時0分
【レンジローバー ヴェラール試乗】やはりディーゼルが売れ線!高級車らしく静粛性も極上
「日本では『SUVとディーゼルエンジンは相性がいい』と考えられているお客さまが多いのでしょう」とは、ランドローバーのスタッフの方。2017年夏に受注が始まった「レンジローバー ヴェラール」について、です。
3カ月で約400台という好調なスタートを切った同車の、実に54%が2リッターディーゼルエンジン搭載モデルなのだとか! 対して、3リッターV6スーパーチャージドエンジン搭載車は38%。
まあ、前者が699万円〜、後者が908万円〜なので、単純に台数を比べるのはあまり意味がないのかもしれませんが…。ちなみに、2リッターのガソリンターボ仕様(250馬力/37.2kg-m)は、2018年2月にデリバリーがスタートしたばかりです。
以前“V6ヴェラール”のインプレッションをご紹介しましたが、今回、待望のディーゼルモデルに乗ることができたので、その印象を報告します。
■ディーゼルでも高級感を実現する分厚い遮音&吸音材
ヴェラールに搭載されるディーゼルターボは、ジャガー−ランドローバーグループが新規に開発した自慢のパワーユニットで、1999ccの排気量から、最高出力180馬力、最大トルク43.9kg-mを発生。この数値はジャガー「XE」のそれと同一です。
各シリンダーごとに、細かくコントロールしながら燃料を吹くコモンレール式の直噴ディーゼルで、排気側のカムは可変式。気になる燃費は14.4km/L(JC08モード)と記載されます。
さっそく試乗車である「ヴェラール SE」のドライバーズシートに座り、スターターボタンを押すと…。「ブルン!」と一瞬、スタイリッシュな体を震わせますが、その後は全く静かです。昨今の、いわゆるクリーンディーゼルの例に漏れず、走行中も寡黙。ハンドルを握りながら、気をつければかすかにディーゼルのハミングが聞こえますが、オーディオのスイッチを入れてしまえば、エンジンのことは忘れてしまいます。スムーズで静粛性の高いディーゼルエンジンです。
その上、わずか1750回転で最大トルクを得られ、しかも、8速という多段ATがどんどんギヤを上げていくので、街中でのドライブでは、せいぜい2000回転を超えるかどうか。実質的に低回転域しか使わないことも、静かさを印象づける一因になっています。
目の前のタコメーターは4000回転から目盛りが赤くなり、4750回転からレッドゾーンが始まります。試しに、アクセル全開で全力加速を敢行すると、回転計の針が4000を超えるかどうかのタイミングで次々とシフトアップ! アッという間です。
ひとつのギヤで“引っ張って”息の長い加速を楽しみたい向きには、ちょっと物足りないかもしれませんが、いかにもターボエンジンらしい、前方に吸い込まれるようなスムーズで素早い加速を楽しめます。2020kgという2トン超の車重を感じさせません。
静かで力強い、ジャガー−ランドローバーグループの“インジニウム”ディーゼルエンジン。大いに感心してボンネットを開けてみると…(これはディーゼルモデルに限ったことではないのですが)エンジンルームとキャビンを分かつバルクヘッド上端と、そこからつながるカタチで、異例に大きなゴム状の遮音材がサイドにも配されています。そしてボンネットの裏には、厚めの遮音&吸音材が! SUVの高級車たらんとする執念を感じさせるパーツ群です。
小粋なコンパクトSUV「レンジローバー イヴォーク」と、スポーティで頼りがいのある「レンジローバー スポーツ」の間に投入された4番目のレンジローバー=ヴェラール。“引き算”の美学を感じさせるシンプルな外観に、ラグジュアリーで多彩なインテリア。ディーゼルモデルの導入で、動力面でもさらに選択肢が広がりました。
ちなみにディーゼルターボ仕様は、ラインナップ(トリムレベル:標準/S/SE/HSE)全体で、2リッターのガソリンターボのそれよりも16万円安く設定されています。ディーゼル・ヴェラールの人気はまだまだ続きそうです!
<SPECIFICATIONS>
☆SE ディーゼル(2トーンパッケージ装着車)
ボディサイズ:L4820×W1930×H1685mm
車重:2020kg
駆動方式:4WD
エンジン:1999cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:8AT
最高出力:180馬力/4000回転
最大トルク:43.9kg-m/1750回転
価格:872万円
(文&写真/ダン・アオキ)
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