吉田由美の眼☆コレって次期「レヴォーグ」!?新コンセプトカーから未来のスバル車を占ってみた
&GP / 2018年3月28日 19時0分
吉田由美の眼☆コレって次期「レヴォーグ」!?新コンセプトカーから未来のスバル車を占ってみた
先日閉幕したジュネーブモーターショー2018。そのスバルブースで熱い視線を集めていたのが、世界初公開のコンセプトカー「ヴィジヴ・ツアラーコンセプト」。
このところ出展されるスバルのコンセプトカーには、いずれも「ヴィジヴ」という冠がついています。ヴィジヴ(VIZIV)とは“Vision for Innovation”の造語で、今回のツアラーコンセプトは、そんなヴィジヴ・コンセプトシリーズの第8弾に当たります。
次期「レヴォーグ」!? とも噂されるヴィジヴ・ツアラーコンセプトですが、デザインを取りまとめられた商品企画本部 デザイン部 デザイン部長の石井 守さんに、このクルマのポイントについてうかがいました。
■数年後には量産車として登場させ、お客さまの元へ届けたい
――まずは、このクルマのコンセプトなどについてお聞かせください。
石井さん:ジュネーブモーターショーで提案したヴィジヴ・ツアラーコンセプトは、単なるステーションワゴンではなく、ハイパフォーマンスカーとワゴンの機能をハイブリッドさせたクロスオーバーカーです。
2017年の東京モーターショーで発表した「ヴィジヴ・パフォーマンス コンセプト」では、走りの愉しさを表現するためにフェンダーを張り出させ、アグレッシブなデザインを強調しました。今回のヴィジヴ・ツアラーコンセプトでは、将来のお客さまのライフスタイルに新しい価値を加え、どこかへ行くための手段として使っていただくだけでなく、その行き帰りも愉しんでいただけるようなクルマを目指しています。
ヴィジヴ・パフォーマンス コンセプト
ボディ全体のデザインは、ひと目で愉しい走りを連想できる、クーペをベースにしたワゴン=シューティングブレークをイメージしています。荷物を満載にして使い倒すというよりも、走りを愉しむ時にはリアの背もたれを倒し、ラゲッジスペースの床下収納に荷物を収めて走る、といった具合に、走りと機能性を兼ね備えたクルマを想定しています。
――ヴィジヴ・コンセプトシリーズ全体に共通するデザインテーマなどはあるのでしょうか?
石井さん:弊社社長の吉永(泰之氏)は、常々「スバルは“安心と愉しさ”という価値を将来のお客さまに提供し、笑顔をつくる会社になる」といっています。これをデザインで具現するために“ダイナミック×ソリッド”というフィロソフィをつくりました。2014年のジュネーブショーで提案した「ヴィジヴ2 コンセプト」から、このデザインフィソロフィを盛り込んでいます。
ヴィジヴ2 コンセプト
エクステリアをひと目見て「スバル車だ!」と分かるようにするのが、このダイナミック×ソリッドの狙い。デザインでしっかりと安全性や安心感、頑丈さなどを表現し、さらに、お客さまにドキドキしていただけるようなエモーショナルな価値を提供するために、ヴィジヴ・コンセプトシリーズをスバルのメッセージとして発信しています。
今回のヴィジヴ・ツアラーコンセプトにおいて、躍動感のある“ダイナミック”と、塊感のある“ソリッド”のそれぞれを特に強調した表現の一例が、内側から外に向かって圧力が湧き出てくるかのような、ボリュームを持たせたフェンダーです。
それと、リア周りのデザインでは、スレンダーなキャビンのたたずまいが特徴です。リアクォーター部は、運転時のドライバーの視界を考慮しながら、可能な限り絞り込みを強めることで、リアアーチのブリスターの張り出しをより強調しています。しっかり地面をつかみながらフェンダーを張り出させ、ロー&ワイドのシルエットを目指しているのです。このように、機能とデザインを両立させたデザインこそ、我々にとっての“意味のあるデザイン”なのです。
――新しいデザインフィロソフィを確立させる上で、他ブランドのデザインや、トレンドなどは意識されましたか?
石井さん:トレンドは横目では見ていますが、追いかけてはいませんね。スバルのクルマを愛して使ってくださっているお客さまの70~80%は、趣味を持っておられて、自らの人生を豊かに楽しく過ごされている“ライフアクティブ層”の方々。そうした皆さんは“良いものを長く使う”というマインドを持っておられます。そうした方々のライフスタイルにマッチした“ロングライフデザイン”を提供するためには、トレンドを追うだけではいけません。
スバルのお客さまたちの多くが求めていらっしゃるのは、使い勝手が良くて長く愛せるSUV。商品でいえば「レガシィ アウトバック」や「フォレスター」、「XV」でしょうか。その点からいえば、今のスバルのラインナップは、ライフアクティブ層の方々にとてもマッチしているのだと思います。
――ヴィジヴ・ツアラーコンセプトは、この先、どのような展開が期待できそうでしょうか?
石井さん:スバルデザインは2013年に、ダイナミック×ソリッドを新たなデザインフロソフィとして宣言し、ヴィジヴ2 コンセプトで表現手法のスタディを始めました。そして昨2017年に、XVとして市販しています。ヴィジヴ・コンセプトシリーズはそれぞれ、単なるコンセプトカーで終わらせず、数年後には量産車として世の中に登場させ、お客さまの元へ届けたいと思い創っています。
1991年、スバルは「レガシィ ツーリングワゴン」の車高を上げたクロスオーバーカーとして、アウトバックをリリースしました。そして、XVはハッチバックとSUVのクロスオーバー、アウトバックはステーションワゴンとSUVのクロスオーバー、上級の「アセント」はSUVとマルチパッセンジャーカー…といった具合に、多くのスバル車は、それぞれ機能とデザインでお客さまに新しい価値を提供しています。
我々は今後も、デザイン面から将来求められる価値について考えをめぐらし、機能とデザインを高次元で両立させるアイデアを提案していきます。スバルが提案するデザインや機能には、意味がないといけませんからね。
最新のヴィジヴ・ツアラーコンセプトも、将来のお客さまに向けた我々からの新しい価値の提案です。これからもスバルデザインは、将来のお客さまにとって意味のある形を追いかけ、常にスバルらしさをとは何か? を考えながら提案し続けていきます。どうぞご期待ください。
このところ、エクステリアデザインがスタイリッシュになったと評判のスバル。とはいえ、決して“スタイリッシュになりすぎていない”のは、おそらく計算づくなのでしょう。そうした視点から見ると、ヴィジヴ・ツアラーコンセプトは“最新の安心と愉しさ”を込めた“最新のスバルの思い”をカタチにした1台といえるかもしれません。
ちなみにスバルでは、東京・恵比寿の本社1階ショールームで開催される展示会「SUBARU DESIGN MUSEUM」(3月30日~4月7日)において、ヴィジヴ・ツアラーコンセプトを日本初公開! また、ヴィジヴ2 コンセプトなど他のヴィジヴ・コンセプトシリーズも展示されるので、興味がある方はぜひ会場へ足を運んでみてください。
(文/吉田由美 写真/吉田由美、SUBARU)
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