至福のひと時を生み出すアルコールバーナーの使い方&オススメ6選【アウトドアの調理道具】
&GP / 2018年4月1日 18時0分
至福のひと時を生み出すアルコールバーナーの使い方&オススメ6選【アウトドアの調理道具】
昔からあるものの、近年さまざまな種類が登場しているアルコールバーナー。コンパクトで寒くても着火するため登山で使う人が多いが、無駄のない洗練された機能美は、ガジェットとして欲しくなる。効率を考えればガスストーブの方がいいが、野外でのんびりと料理する悦に浸るにはこっち。そこで、お湯なら何分、米なら何分で炊けるかを検証していく。さらに、それぞれ異なる特徴を持った、オススメのアルコールバーナーを6点紹介する。
■のんびりと至福のひと時をともにする
シンプルな構造で不具合が起きにくく、寒冷地でも頼りになる。軽くて燃焼時も静か。何よりたたずまいが美しい…これが長きにわたりアルコールバーナーが人々を魅了する理由だ。
もちろん、アルコールバーナーにもデメリットはある。購入をためらう最大の理由は、火力調整をしづらいことだが、それも魅力に変わるのだ。アルコールバーナーには火力調整つまみはなく、自動着火装置もない。ライターの炎を近づけて着火し、消火は蓋をかぶせる。実に原始的であるが、焚き火と同じで炎を操る快感を得られるのだ。
では、火力の調整をどうするかというと、火口の数を減らせば弱火、ふさがなければ強火。火力調節用蓋が付属している製品もあるが、なければ厚手のアルミホイルをかぶせてもなんとかなった。気になる燃焼時間はタンク容量や火口の数や大きさなどに左右されるが、満タンで30分が目安。極弱火にすると燃焼時間はもう少し伸びる。
実際に炊飯(1合)と湯沸かし(500㎖)をしてみたところ、炊飯(約20分)+湯沸かし(約10分)各1回で燃料はわずかにタンク内に残った。ただし、クッカーの素材や風の有無で沸騰するまでの時間に差が生まれる。アルコールストーブで野に出る前に、燃焼テストは必須だ。
<アルコールストーブで湯沸かし+炊飯>
■ごはんの炊き方
アルコールストーブには五徳がないのでエスビットの「ステンレス ストーブ」(3888円)を使って鍋をセット。火力の微調整はできないが弱火にはできる。
手順1:米を1時間浸水
米を洗い、米の1〜1.2倍の水に浸けておく。夏なら30分、それ以外は1時間ほど浸けておくと炊き上がりに芯が残りにくい。
手順2:燃料は50㎖注ぐ
一度の炊飯でタンク半量の燃料が必要。エスビットのタンク容量は約100㎖。途中で立ち消えるとやっかいなので、60㎖でもいい。
手順3:沸騰まで中〜強火
沸騰までに時間がかかりすぎるとべちゃべちゃになるので約10分で沸騰するよう中〜強火で加熱。この日は気温8.6度だったので強火。
手順4:沸騰後は中〜弱火
沸騰後は10〜15分ほど高温をキープできるよう中〜弱火に調整。パチパチという音に変わったら10秒ほど強火にしてから10分蒸らす。
■残った燃料を無駄にしない蓋付き
エスビット
「アルコールバーナー」(2592円)
火力調整蓋は長いハンドル付きで操作しやすい。メチルアルコールのほかエチルアルコールも使用でき、残ったらパッキン付き蓋でそのまま運べる。70㎖で燃焼時間約25分。真ちゅう製。サイズφ7.4×H4.6㎝ 重量92g
<500mlの湯を火に掛ける>
▲気温8.6度。時折強く風が吹くというやや不利な環境。試しに熱伝導率の低いチタン製クッカーも使ったが風で冷えたためか3分ほど時間がかかっていた
ステンレスクッカーに500mlの水を入れて沸かしてみた。強火全開で沸騰するまで約10分。低温に負けず力強い燃焼を見せた。
<燃料アルコールは専用ボトルで携行>
▲(左から) リンデン/パウチ容器100㎖(3個セット)(864円)、同/除菌もできる燃料用アルコール(1188円、以上問飯塚カンパニー)、トランギア/フューエルボトル 0.5ℓオリーブ(3024円 問イワタニ・プリムス)
液体燃料は販売時のボトルではなく、燃料用ボトルに移し替えて持ち運ぶ。トランギアのフューエルボトルは注ぎ口が秀逸。リンデンのパウチ容器は1回分のアルコールを小分けにでき、使用後は丸められるのがいい。
■裏表で使えるユニークな構造
バーゴ
「チタニウム トライアド マルチフューエルストーブ」(4968円)
折り畳み式の脚と五徳を装備しており、凹凸のある岩や木の上に置いても安定する。裏返せば固形燃料や燃料ジェル用のストーブとして使えるのが面白い。連続燃焼時間は約20分。チタン製。サイズ:φ8.6×H2.7cm 重量:30g
■エスビットにピッタリ固形燃料にも対応
マックスブースト
「新型アルコールストーブ(ポケットブースト)」(価格未定)
アルコールストーブユーザーには、エスビット社のポケットストーブを五徳にしている人が多い。これに目を付け、ポケットストーブに入れて持ち運べる四角い新型アルコールストーブ(ポケットブースト)を開発。タンクに固形燃料をセットできるのも秀逸だ。ステンレス製。
■チタン製の軽量ストーブ
エバニュー
「チタンアルコールストーブ」(4104円)
上下2段の火口が安定的でパワフルな炎を作りだす。五徳使用が前提だが、カップを直接載せれば保温に適したトロ火になる一面も。燃料タンクは目盛りが刻まれ、必要な分量のみを注入して使用する。
サイズ:φ7.1×H4.2cm 重量:34g
■鍋底を炎が包み込むパワフルさが自慢
ソーライト ストーブ
「ウルトラライトアルコール バックパッキングストーブ」(3672円)
アルコールストーブには珍しいポップなカラーで全5色ラインナップ。本体の脇から炎が出るので、五徳なしでも調理できる。耐荷重は約100kgだからダッチオーブン料理だって作れる。アルミ製。サイズ:φ7.5×H4.1cm 重量:41g
サイズともにW9.6×H2×D9.6cm 重量95g
■同社ライトやタイタンにすっぽり収まる
ソロストーブ
「アルコールバーナー」(2700円)
火力調整と消火ができる蓋付きのストーブで扱いやすい。台に載せてから同社の「ソロストーブ ライト」や「タイタン」に入れると二次燃焼のおかげで火力アップ! 小枝や枯れ葉が濡れて燃料として使えない場合に非常に有効だ。
サイズφ7.4×H4.6cm 重量99g
■調理に特化したクッカー&ストーブセット
トランギア
「ストームクッカーS・デュオーサル」(1万6200円)
1950年代に完成した独自スタンドと風防を使って熱を無駄なく調理に利用。外側に熱伝導率の高いアルミ、内側は耐久性のあるステンレスの2層構造のマテリアルを用いた新型クッカーセットで長く使える。連続燃焼時間は約25分。
本記事の内容はGoodsPress4月号72-73ページに掲載されています
(取材・文/大森弘恵 撮影/森口鉄郎)
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