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オマエの中身が見たい!時計工具のアレコレで分解してみた

&GP / 2018年4月8日 10時0分

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オマエの中身が見たい!時計工具のアレコレで分解してみた

〈安価機械式「チプメカ」マニアの1万円以下腕時計購入記〉

ネットオークションでチプメカを入手しようとする時に、いわゆる“ジャンク品”と記載のあるモノや、風防に大きなキズのあるものなど、あえてオンボロな品物を積極的に狙う時があります。理由は単純で、その方が相場より安く落札できるからです。
“ジャンク品”の記載があっても、実際に届いて裏蓋を開けて見てみると意外とキレイで普通に作動していたり、はたまた全く逆の“ジャンク”そのものでパーツの破損や錆びなどで完全に不動のまま、という場合もあります。

そんな“ハズレ”を掴まないためには入札前に出品者の紹介文をしっかり読む事と掲載画像を細かくチェックするくらいしか判断材料がないのですが、実物が届いて裏蓋を開ける時のドキドキ感、「おお、コレは掘り出し物!」という高揚感や「錆びがヒドイ、やっちまったー!」みたいな絶望感、そんな悲喜コモゴモがネットオークションの醍醐味みたいなモンです。

そんな“掘り出し物”との出会いを求めて、今日もネットオークションという名の大海原を巡回してチェックを欠かさないのですが、今回は少し趣向を変えて、アタリかハズレかを知る際に必要となってくる、腕時計の裏蓋を開ける時計工具についてのご紹介をしようと思います。(つまりは、ご紹介できるような掘り出し物との出会いが無かったんだよ…!)

■時計工具を揃えてメンテナンスの準備

まず時計工具を一切持っていない人が購入を考えるのが、こういった工具セットだと思います。

コチラは「AliExpress」で買った腕時計工具セットです。ケースの中にコンパクトに収まるのがイイですね。私は1130円(送料無料)で購入しました。時計の中身に興味のある方は、とりあえずこのテの安価な工具セットを使ってみて、必要に応じて随時買い足していくというスタンスで十分ではないかと思います。

まずは…裏蓋を開けるためにブレスレットのバックル部分のバネ棒を外して上下にバラします。革バンドはバックルではなく尾錠で取り外せるので、この作業は不要ですね。

そのための工具がコチラ、バネ棒外し。今回の工具セットに入っている一番左のタイプの他にも色々な種類のバネ棒外しがあります。一番右側の短いタイプは革バンドを購入するとおまけで付属することが多いモノで、替えの革バンドをたくさん買い集めるとコイツもどんどん増えていきます(笑)。

個人的には、右からふたつ目のMKS(明工舎)製が、バネ棒の引っかかりも良く、もし先端が欠けてしまっても手軽に交換することができるのでオススメ。Amazonで600〜700円ほどで購入できます。

バックルをバラすと、金属ブレスレット腕時計の見本画像などでよくある↑このような状態に。(絵面が良いからよく使われるのでしょうが、逆に言うとブレスレットが上下で繋がっていないので、このままの状態では腕には巻けません)

今回は解説用にコチラのセイコーLMスペシャルの裏蓋を開けていきます。いやあ、我が腕時計ながらカッコイイですね〜(しみじみ)。

 

■いざケースを外して中身を掃除してみよう!

ケース保持器に、このようにセットします。

スクリューバック(裏蓋を回して締めるタイプ。防水性が高い。)用の各種オープナー。工具セットに入っている左側のツメが3点式タイプはピタリと穴に合わせるのが難しくて正直使いづらいです。失敗すると裏蓋にキズが付くことも多いので、今回は使い慣れた右側のオープナーを使用します。

薄いポリ袋を養生に宛てています。スクリューバックの裏蓋を上手く開けるコツは、まず保持器にシッカリと固定すること。そして、ただ“回す”のではなく、“下に押しながら回す”ことです。

押すのを意識しないとオープナーのツメが穴から外れてスベってしまい、結果的に裏蓋をキズ付けてしまうことも…そのため、押しながら回しやすい、この四角いタイプのオープナーが個人的には一番使い勝手が良いのです。

それでも、たまに汚れや錆びなどで固着して、なかなかうまく開けられない個体もありますけど。

そうして裏蓋を開けると、いよいよムーブメントとご対面。ここでムーブメントがキレイだとホッと一安心。さらに動かしてみてテンワがシャカシャカと元気に動いていると、もう一安心です。

ムーブメントを取り出して、ブレスレットも外していきます。

ケースとブレスレットの接する弓環部分。ココは非常に垢や埃汚れが堆積しやすい箇所で、オールド腕時計を入手するとたまに「ぎゃああ汚いいい!」って叫びたくなるようなすごいヤツがあります。

あなたがお持ちになっている腕時計も、ココとバックルの裏側はマメに清掃することをオススメします。超音波洗浄器にかけるか、洗面台にぬるま湯を溜めて、その中で
不要になった歯ブラシ等でゴシゴシするとか。一度やってみると、結構クセになります。

■他にも必要になってくるメンテナンスツール

▲内側のムーブメントに触れる際は、手汗で汚さないように手袋をはめるのを忘れずに

コチラは使い捨てタイプの薄いポリエチレン手袋(100枚入り)。ゴムタイプやサックも使ってみたのですが、私はコレが性に合っている様です。前述の裏蓋を開ける際に養生で宛てがうのに使用しているのも実はコレで、金属部分が擦れてキズが付く恐れがある時にはサッと取り出して使い、少しでも汚れたらポイとできるので便利なんです。

そして、乾拭き用のハンドタオル。拭いた時に小キズが入らないようにマイクロ繊維のモノを使用。

こちらはブロアー。内側にホコリが付いた時に吹き飛ばすのに使用します。上記3つはすべてダイソーで購入しました。ダイソーはこのテのDIYグッズに関して、非常に心強いショップですね、お財布にも優しいですし。

ちなみに工具セットの他のモノを軽く紹介しますと…

コチラはブレスレットの長さを調整する時に必要な突き棒です。

コチラは“こじ開け”と呼ばれる工具で、ベゼルやスナップバック(はめ込み式)の裏蓋を外す時に使います。

真ん中にわずかに隙間が空いているので、ソコにその名のごとくこじ開けて使います。力任せにやるのではなく、少しずつ隙間に差し込んでゆくのがコツです。

こんな感じでベゼルが外れます。が、外した後に取り付けるには別の工具が必要になってくるので要注意です。

このような圧入器で均等に力を加えてはめ込まないと元に戻りません。コチラはAmazonで1000円くらいで購入できます。

コチラが今回取り出した5206ムーブメント。8振動で小さいテンワがシャカシャカと一生懸命動いていて、見てるだけで楽しいです。

というワケで腕時計工具セットの紹介と、裏蓋を開けてムーブメントを直に見ていきました。他にも用途に応じて様々な工具があるのですが、今回はココまで。

それと当たり前のことですが、今回おこなった腕時計の裏蓋を開けたり、ムーブメントを取り出したりは、すべて自己責任となります。中を開けて分解するというのは非常に故障リスクの高い行為ですので、よくよく考えての実行をお願いいたします。

>> 連載[安価機械式「チプメカ」マニアの1万円以下腕時計購入記]

 

(文・写真/伏せ字)

ふせじ/時計好きサラリーマン

腕時計好きの趣味が高じて、記事を執筆することに。一介の時計好きサラリーマン。好きな時計の傾向は、ダイバーズ、青焼き針、56系LM。

>> 伏せ字だらけ~よもやま時計ブログ~

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