強風下でも安定の火力を!SOTO「ストームブレイカー」【アウトドア銘品図鑑】
&GP / 2018年5月3日 7時0分
強風下でも安定の火力を!SOTO「ストームブレイカー」【アウトドア銘品図鑑】
高原のキャンプ場は、昼間は汗ばむ陽気でも、夜や朝方は大きく冷え込みます。OD缶(ガスカートリッジ)は扱いが楽だけれど、春先や秋は寒冷地用も持って行こうか悩むもの。同じバーナーヘッドで、冬は白ガス、夏はOD缶。春と秋は状況によって使い分けられれば…。そう考えるユーザーは多いのでは。
これまでにもOD缶と液体燃料を使えるバーナーは登場していましたが、取り付けにはノズルを交換する必要がありました。SOTOの「ストームブレイカー」(2万1000円/税抜)はノズル交換なしで即座に付け替えられるという画期的なシステムを実現しています。
▲写真左上からバーナーヘッド、ガソリン用ポンプ、バーナーベース(遮熱板)。 左下からメンテナンスキットのマルチツール2種、予備フィルター、ノズル用掃除針、パッキン、パッキン用シリコングリース、ガスバルブ。これらがセットになっていて、OD缶、燃料ボトルは別売
「ストームブレイカー」は、SOTOが発明したフレキシブルホースのおかげで、バーナー部は手のひらにおさまるサイズで重量もわずか225g。
バーナーヘッドはすり鉢状で、風に強いのが特徴。下部から空気を取り込み、風を遮断しつつ空気を取り入れます。同じSOTOの「MUKAストーブ」とは違い、アルミの風防は装備されていませんが、それでいてブロワーで風を吹きつけても炎が消えることはありません。名前に偽りなし!
ガスバルブはOD缶のスタンドと兼用。バーナー本体のホースは、ガスバルブのスライドリングを押し込んでから差し込みます。スライドリングから指を離せばロックできるという構造です。
海外ブランドにはOD缶を逆さまにして使う“液だし”モデルが珍しくありません。ですが、消火時間や排ガスなどの問題により日本のガス検を通ることができず、輸入代理店が販売できないモノがいくつかあるんです。ストームブレイカーはスピーディーに着火/消火できるよう、OD缶を正立にして着火・消火作業を行います。もちろん、ガス検をクリア。
調理時はOD缶をひっくり返します。フレキシブルホースなので、どんな環境でもOD缶を遠くに置いておけるのは安心ですね。
次はガソリンで。
まず、ポンプを燃料ボトルに入れます(ボトルに入れるときも取り外すときも、フレキシブルホースを取り外して作業します)。燃料は、ホワイトガソリンもしくは自動車用レギュラーガソリン(通称、赤ガス)を使用。ちなみにハイオクは添加物が多く、詰まりの原因となるので使用できません。
ダイヤルを押し込んだ“LOCK”状態で、“Stop”の位置にあることを確認してから、ポンピングノブで加圧します。
インジケーターの赤いラインが見えたらポンピング終了の合図。そのあと、フレキシブルホースとポンプを接続します。ガスバルブ同様、スライドリングで確実にロック。
ダイヤルを引き出し、ロックを解除。ダイヤルを“Stop”の位置から“Start”に動かしてライターで着火。予熱不要ですぐに着火するのは、同社ならではのシステムなんですね。
最初は赤い炎が出るので、このまま約40秒放置。青く変化したらダイヤルを“Run”に変えて、再度ポンピング。インジゲーターの赤いラインが見えたら、あとは“Run”の位置で火力調節をして調理スタート。動きがしなやかなフレキシブルホースだから、ホースを付けたままのポンピングも楽々です。
消火は、ダイヤルを“Air”に切り替え、炎が消えたら“Stop”に。ダイヤルを押し込んでロックしたら消火完了です。このあたりの基本操作は「MUKAストーブ」と変わりません。
炎は広がることはなく、中心に向かって集中します。燃料分離型はどうしても火力調整にタイムラグが生じます。あと、火力調整で弱火にしようとして、つい消火の“Air”にしてしまうことが何度かありました。ここらへんは慣れが必要ですね。とはいえガソリンは安定感抜群。
同社には、すでに耐風性の高いウインドマスターがあります。けれど、五徳が小さいので大型のクッカーでは心もとないのも事実。オートキャンプやバイクでのツーリングなら、大きな五徳を持つストームブレイカーに軍配が上がりますね。
>> 新富士バーナー
(取材・文/大森弘恵)
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