[Gear Maniax #076] 現場作業の必需品!正確な色で照らし出す自立するワークライト
&GP / 2018年5月5日 21時0分
[Gear Maniax #076] 現場作業の必需品!正確な色で照らし出す自立するワークライト
アカリセンターのHATTAです。今回ご紹介する製品はストリームライトの新商品「スティンガー スイッチブレード」です。品名だけ見ると、充電式ライト 「スティンガーシリーズ」のパーツに思えますが、そうではありません。製品を大別すると“ワークライト“に属すると思われる新商品で、同じスティンガーシリーズであれば、ライトパイプの進化版といった感じです。
ではこのスイッチブレードについて詳しく見ていきましょう。
赤いボディ部分は、耐衝撃性に優れた樹脂を使用し、LEDが搭載されたブレード部は、放熱を重視してかアルミ合金製です。
内蔵リチウムイオン充電池を装備し、重量は約485g。重量感はそれなりにあります。しかし、それも計算内と思われます。この手の「ワークライト」や「バーライト」と呼ばれる灯具は、自立して使えるモデルが少なかったりします。基本的には、車のエンジンルームや足回りなど、狭くて細い空間で使われることを想定しているので、平べったいものが多いのです。しかし、スイッチブレードは自立が可能です。光源が搭載されたブレード部分は180度展開でき、両面にそれぞれ異なるLEDが装備されています。
底面部分は金属製でやや重量感があり、立てた時に安定します。また、強力なマグネットが内蔵されています。ボンネットの裏側に貼り付けるのはもちろん、作業台の上に置いて、簡易的なデスクライトのようにして使えます。そして、搭載されるLEDの配置についても工夫が、施されています。
上の画像のように立てると、色認識に優れた高演色LEDが使用可能。ハンズフリーでの手元作業の場合に、効率的に作業できるようになっています。
スイッチブレードには搭載光源が3種類あり、折り畳んだ状態で見える部分、つまり外側にあるLEDは明るさ重視の白色(5700K)LEDを搭載。800ルーメンのノーマルCRIです。その反対側の内側にあるのが、ニュートラルホワイト(4000K)600ルーメンの高演色LED、そしてその先端にはUV(紫外線) LEDを搭載しています。
各LEDは、計測器で測っても概ねスペック通りの色温度と演色性でした。CRI(演色性)が高いほうが、色の認識がハッキリしているのが分かるかと思います。ハーネスなど似た色の配線が密集した部分に手を入れる場合、“ただ明るいだけ”では眩しい上に、色が分かり難いなどの弊害がありました。
旧来のワークライトは、明るくすることを至上命題としてきましたが、現在は充分に明るくなり、多少明るさを落としても“より高品質な光”を求めるユーザーが増えてきました。特に、ワークライトなどの業務で使用するような製品では、もはやマストスペックと言っても過言ではないほど高演色LEDの採用が進んでいます。
UV(紫外線)光は、蛍光体に激しく反応します。ストリームライト社の防爆ライトなど、特に良く反応します。車の整備では、UVに反応する蛍光体をエアコンの冷媒漏れ確認の際に使用するそうです。どの部分からガスが漏れているかを可視化することが目的です。UV光は、他に傷や汚れ、付着物などの確認など、さまざまな用途に使用されます。他社のバーライトでもUV光が先端に付いたモデルなど多く、需要の高さが伺えます。
実際に、車の作業で使う場合、さまざまな角度でライトを吊るしたり、置いたり、突っ込んだりすると思います。それらの状況に応じて使えるよう、内蔵アクセサリーが充実しています。
底面には360度回転可能なフックがあり、吊るして使うのに便利。底面にはマグネットがあり、鉄部に貼り付けて使えます。底面の金属部にはSカンなどを通せる穴もあり、非金属素材での利用も考慮されています。
狭いところにも、細いブレード部分を活かして深く入れられます。従来の同社のライトパイプに比べると、その差は歴然です。
充電は、スティンガーシリーズ共通の急速充電器、またはmicroUSBを直接ボディに差し込んで行います。既にスティンガーシリーズをお持ちの人であれば、120Tライト単体モデルが良いかも知れません。ライト単体モデルには、充電池とmicroUSBが付属するので、これだけでもACアダプターがあれば充電できます。チャージャーセットを必ず買わなければならない理由もありません。ただし、チャージャーとACアダプターを後から買うよりは確実にセットの方がお安くなります。
専用チャージャーでなくとも充電できるのは、出張や車での移動の際に便利です。モバイルバッテリーはもちろん、最近の自動車にはmicroUSBポートが標準装備だったり、シガーソケットにさせるUSBポートも販売されているので、車載用灯具としても便利かと思います。
他社のバーライトと異なるのは、充電池が脱着可能な点。まだ、製品が発売されたばかりなので、予備の充電池は販売されていませんが、いずれ販売される予定です。完全に密閉されたバーライトは、充電池の寿命と共にライト本体が使えなくなりますが、スイッチブレードであれば、充電池を交換することで延命が可能です。決して安くはないプロ用ツールになるので、この点は重要かと思います。
配光は、非常にフラッドでワイド。狭い箇所に限らず、屋外でもその配光を活かせます。防水性はIPX4。雨天でも充分に利用可能です。
スイッチは、1カ所のみで、モード切替はスイッチを連続して押すことで行います。メモリー機能などはなく、必ず白色光から点灯します。続いて、スイッチを押すたびに、高演色、UVとモードが切り替わります。各光源は、最初は弱く光り、1秒ほど間を置いてフルパワーで光ります。これは、モード切替時にできるだけユーザーが眩しくならないようにするための措置となります。モード切替用のスイッチをメインスイッチとは別に配置するメーカーが多いのですが、できるだけ操作性をシンプルにする意味でも、このオペレーションは単純ですが工夫を感じます。
折り畳んだ状態では、こんなサイズ感。ブレード部分を折り畳むと24.89cm。極めてコンパクト、とはいえませんがカサ張るとも思えません。ブレード部分が短ければ、明るさは落ちますし、照射範囲も狭くなります。そういった意味では可能な限り性能を落とさないで済むサイズ感かと思えます。
自動車整備、機械整備など、メンテナンスを業とするすべてのユーザーにおススメしたいワークライトです。(アカリセンター価格:<急速充電セット>2万88円、<単体>1万5984円)
>> 連載[Gear Maniax]
(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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