【日産 セレナNISMO試乗】さすがはワークス直系!コレはミニバンの形をしたスポーツカーだ!!
&GP / 2018年4月30日 12時0分
【日産 セレナNISMO試乗】さすがはワークス直系!コレはミニバンの形をしたスポーツカーだ!!
エンジンで発電した電気を使い、モーターで走る“e-POWER(イーパワー)”仕様が、注目を集める日産自動車のミニバン「セレナ」。
そのラインナップに「セレナNISMO(ニスモ)」というモデルがあることをご存じだろうか? 見た目にハデなエアロパーツを装着したセレナNISMOは、実は単なる“エアロ仕様”ではない。
単刀直入にいえば、セレナNISMOは“ミニバンの形をしたスポーツカー”。そう思えるほど走りの完成度が高いセレナNISMOは、ミニバン購入を検討しているクルマ好きにとって、外せない有力候補になりそうだ。
■ベースモデルよりも乗り心地がいいNISMO仕様
NISMOといえば、日産自動車のモータースポーツ活動を支えるメーカー直系の組織。メーカー系チームとして“スーパーGT”を始めとするレースに参戦するほか、競技用やサーキット走行用のチューニングパーツを開発・販売するのが主な役割だ。
またそれと並行し、NISMOのブランド名を掲げる、特別な市販車の開発も行っている。その代表格といえば、なんといっても「GT-R NISMO」だろう。世界第一級の走行性能を備えたGT-Rをベースに、さらに走りのパフォーマンスを高めるモデファイを施したスペシャルモデルで、エンジンはペースモデルに対して30馬力アップの600馬力に到達。価格は1500万円を超えるとんでもないスーパーマシンだ。
一方、もう少し手の届きやすい価格帯で「マーチ」や「ノート」などにNISMO仕様を展開。ベース車とは異なるエンジン(排気量を上げている)も用意するなど、その作りは本格的。海外では、日本で販売されていない大型SUVの「パトロール」にまでNISMO仕様を用意し、大人気を集めている。
今回試乗したセレナNISMOは、ミニバンのセレナをベースに、NISMOがカスタマイズを施したモデル。もちろん、全国の日産ディーラーで普通のセレナと同じように購入できるし、保証だって通常どおり付いてくる、セレナのグレードのひとつだ。
ベース車に対するカスタマイズメニューは、エアロパーツ、インテリアパーツ、サスペンション、そして、タイヤ&ホイールと多岐に渡る。また、専用チューニングコンピューターとスポーツマフラーの採用で、アクセル操作に対するエンジンの反応も良くなっている。
実車に接してまず目につくのは、エクステリアだ。専用の前後バンパー、フロントグリル、リアスポイラー、そして、車体側面下部のサイドシルプロテクターにより、NISMOのレーシングカーを想起させるスタイルに変身。単に、見た目をスポーティに仕立てただけでなく、空力抵抗を増やさずにダウンフォースを増大させることにも成功。速度を高めていった際、車体が浮き上がるのを抑えて走りを安定させる、まさに“走りに効くスタイリング”なのである。
インテリアも、ベースモデルとは異なる。アクセントとして、ステッチやシート表皮などに赤の挿し色をプラスしているのに加え、これまたレーシングカーをイメージしたバックスキン調の素材を、インパネやステアリングホイールなどに使用。また、クルマ好きなら「おおっ!」と思わず笑みが出そうになる、ステアリングホイール最上部の赤いマーキングは、競技車両でステアリングの中立位置を瞬時に把握できることを目的としたマークを再現したものだ。そういった細かい演出でも、セレナNISMOはクルマ好きを楽しませてくれる。
しかし、このクルマの最大の魅力は、なんといっても走り。その走りには“想定内”と“想定外”がそれぞれあった。
まずは想定内のこと。いうまでもなく、スポーティなのである。締め上げられたサスペンションは、曲がる時にはベースモデルよりもスッと反応よく向きを変え、旋回中も車体の落ち着きがいい。背の高いミニバンのウィークポイントである、フラフラする感覚が少ないのだ。ベースモデルよりも、ずっとずっと走りを楽しめる味付けで、これこそが、ミニバンの形をしたスポーツカーと感じた所以だ。
一方、想定外だったのは乗り心地の良さ。スポーティな仕立てなので、さぞかし乗り心地は悪いだろうという予測は、あっさり覆された。ベースモデルに比べると、スプリングやショップアブソーバーは絶対的に硬めのセッティングなので、路面の凹凸を超えると車体の上下動を感じるが、その動きの収束が優れているから、不快には感じない。路面の段差や、橋などにある継ぎ目では、ベースモデルよりもしなやかに衝撃を吸収してくれるほどで、はっきりいって、ベースモデルよりも乗り心地がいいのだ。これなら家族や同乗者に怒られる心配はないだろう。
スポーティに走れるのに乗り心地がいい。そんな極上のドライブフィールを実現した秘密は、剛性アップを実現した車体だろう。専用開発のサスペンションを装着するのはもちろん、製造時に、メンバーやブレースなどで車体補強を施すことで、ボディのねじれを抑えるとともに、衝撃をしっかりといなす高剛性ボディを作り上げたのだ。
セレナNISMOは、ミニバンの形をしたスポーツカーだ。しかし、実際に乗ってその上質な乗り心地を体験すると、スポーツカーというよりも、実によくできたファミリーカーであると実感する。クルマの開発において、運動性能の向上と乗り心地の向上はどちらも正義であり、双方の水準がベースモデルと比べて引き上げられていることに、セレナNISMOの真髄を見たような気がする。実に完成度が高いのだ。
ただし、見るからにハデなエアロパーツは、好みが分かれるところかもしれない。もし「走りの良さは魅力だけどハデすぎて買えない」と感じるなら、別シリーズとして用意されている「セレナAUTECH SPORTS SPEC(オーテック スポーツスペック)」を選ぶという手もある。
こちらは、セレナNISMOと同様のボディ補強やサスペンション変更を実施しつつ、よりコンフォートなタイヤを履いて、ひと際快適性を高めたドライブフィールがポイント。内外装がプレミアム仕立ての“オトナ仕様”なのだ。こちらも追ってレポート予定なので、楽しみにしていただきたい。
<SPECIFICATIONS>
☆NISMO
ボディサイズ:L4805×W1740×H1850mm
車重:1720kg
駆動方式:FF
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC
最高出力:150馬力/6000回転
最大トルク:20.4kg-m/4400回転
トランスミッション:CVT
価格:341万9280円
(文/工藤貴宏 写真/ダン・アオキ)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ホンダ「コンパクトSUV」が“走り系モデル”に進化!? 新開発の「サスキット」スゴい! 無限カスタムの「ヴェゼル」の実力は?
くるまのニュース / 2024年9月19日 22時10分
-
日産新型「セレナ スポーツ仕様」登場! 「加速チューニング」の専用カスタム×上質オシャレブルー内装採用! めちゃ走り仕様のスポーツモデル「オーテック SS」10月発表へ
くるまのニュース / 2024年9月17日 19時10分
-
V6ターボ搭載で420馬力!? 日産「“最強”スカイライン」がスゴい! 手組みエンジン&赤い「GT」バッジが特別すぎる「NISMO」どんなモデル?
くるまのニュース / 2024年9月17日 15時10分
-
5億円の日産「和製スーパーカー」実車公開! 超爆速仕様の激レア「スカイライン」横浜に登場
くるまのニュース / 2024年9月4日 17時40分
-
5速MTあり! 日産「小型ミニバン」がカッコいい! 3列7人乗りで“非スライドドア”採用!? アジアで人気の「リヴィナ」どんなモデル?
くるまのニュース / 2024年8月30日 6時40分
ランキング
-
1「そうだったのか!」料理長が教える玉ねぎの剥き方が参考になる
おたくま経済新聞 / 2024年9月23日 18時0分
-
2広島に瀬戸内の自然×シャトレーゼの魅力感じるリゾートホテル誕生
モデルプレス / 2024年9月24日 7時32分
-
3健康診断の数値が改善する7つの習慣とは…いわき市で糖尿病の専門医師が解説・福島県
福島中央テレビニュース / 2024年9月23日 14時31分
-
4中国、犬を偽装したパンダが「ワンワン!」吠えてバレる パンダ犬が裏ブームとなる闇事情
もぐもぐニュース / 2024年9月24日 10時28分
-
5「稼げるハイブリッド車」が握るホンダの未来 脱「低収益の4輪事業」でEV離陸までの橋渡し
東洋経済オンライン / 2024年9月24日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください