行けば感動間違いなし！絶景駅ベスト10【GP流“乗り鉄”道楽のススメ】

列車から降り立つと唸ってしまう絶景が目の前に広がる。誰もが思わず写真を撮りたくなる“絶景駅”は日本にいくつも存在する。そんな絶景駅のベスト10を秘境駅の第一人者・牛山隆信氏に選んでもらったので紹介する。

【第10位】JR牟岐線田井ノ浜駅（徳島県）

▼目の前は海水浴場

海水浴客のために夏季のみ開かれる臨時駅でオフシーズンは全列車が通過する。「ホーム脇には監視塔が建ち夏場は賑わいを見せるのですが、オフには打ち寄せる波音だけが静かに響く情景が広がります」

 

【第9位】JR釧網本線釧路湿原駅（北海道）

▼大湿原の中の小さな駅

天然記念物・釧路湿原の中にあり、周囲に人家は一切存在しない。さらに車道もなく、元は臨時駅だったというのも納得だ。「定期列車が通年で停車するのは上下合わせて1日5本という秘境駅でもあります」

 

【第8位】JR山陰本線保津峡駅（京都府）

▼ホームは全て橋の上

ホームの大部分が観光地・保津川に架かる鉄橋上にあり、降り立つだけで風光明媚な景観を見渡せる。「京都からわずか20分ほどの距離でこれだけの大自然を味わえる全国的にも珍しい駅です」

 

【第7位】JR篠ノ井線姨捨駅（長野県）

▼日本三大車窓のひとつ

長野県の盆地、善光寺平を一望できる山の中腹にあり、ここから眺められる景色は日本三大車窓のひとつに数えられる。急峻な地形らしく、スイッチバック内にあるという珍しい構造の駅でもある。

 

【第6位】JR飯田線為栗駅（長野県）

▼道路へは吊橋を渡る

全国有数の難読駅名でもある「してぐり」は、天竜川に沿ってくねくねと曲がりながら延びる飯田線にある。「周囲には人家が2軒だけ。時代から取り残されたような情景は、昭和の面影を色濃く残します」

【第5位】JR信越本線青海川駅（新潟県）

▼日本一海に近い駅

新潟県内の信越本線は、並走する国道8号線が崖の上なのに対し海岸線に沿って走る。中でも青海川駅は日本で最も海に近い駅のひとつと言われ、ホーム横が海という抜群のロケーションを誇る。

 

【第4位】JR五能線驫木駅（青森県）

▼眼前に沈む夕日

昭和9年の開業当時と変わらぬ驫木（とどろき）駅の駅舎からは日本海に沈む夕日を眺められる。「観光列車『リゾートしらかみ』も停まらないこの駅こそ、真に旅好きだけに残された場所なのです」

 

【第3位】JR山陰本線鎧駅（兵庫県）

▼断崖の下には日本海

兵庫県北部の豊岡駅から鳥取方面へ約50分。地上からの高さ約40mという余部鉄橋が近いことからも分かるように、日本海沿いにありながら崖の上に位置する。そのためホームからは日本海を見下ろすような絶景が広がる。

 

【第2位】JR予讃線下灘駅（愛媛県）

▼穏やかな瀬戸内海を望む

松山駅から各駅停車に乗り約45分。予讃線の支線を伊予灘沿いに進んでいくと現れる駅は、これまでに3度も青春18きっぷのポスターに採用された。小さな木造駅舎からホームを眺めると後ろには瀬戸内の海が広がる景色を眺められる。

【第1位】大井川鐡道奥大井湖上駅（静岡県）

▼湖の上にポツンと佇む！

JR東海道線・金谷駅から大井川鐵道に乗り約2時間半。ダム湖に架かる橋を渡ると突如駅が現れる。周りを湖に囲まれ、日本離れした絶景が眼前に広がる。「人家も車道も無く、まさに水の中に取り残された孤高の存在です」（牛山氏・以下同）

 

■景色を楽しみながらのんびりと過ごす

鉄道に乗って旅していると「なぜこんなところに駅が」と思うことはないだろうか。道路とは異なり小さく曲げられない線路だからこそ、山を掘り、川に橋を渡して道なき場所に線路を通してきた。その結果、想像もつかないような地に駅を設置することになる。そのような線路と、急峻な山岳地帯や複雑な海岸線を持つ日本ならではの地形が生み出したもの、それが“絶景駅”だ。

ホームに降り立つと広がる景色に思わず息を飲む。そんな絶景駅は全国に数多くあるが、中でも「ここはぜひ行くべき」という駅を、鉄道全線制覇し屈指の秘境駅訪問家でもある牛山隆信氏に選んでもらった。

「ホームにあるベンチに座り、景色を楽しみながらのんびりと過ごすのは最高の時間ですよ（牛山氏）」 もし近くを通りかかることがあるのなら、ちょっと立ち寄って、少しの時間だけでも絶景を楽しんでみてはいかがだろうか。

本記事の内容はGoodsPress5月号106-107ページに掲載されています

（取材・文／柚木 朔大郎　写真提供／PIXTA）