吉田由美の眼☆日本は楽しみ方が上手!?ウワサの「カングージャンボリー」へ行ってきました
&GP / 2018年5月23日 21時0分
吉田由美の眼☆日本は楽しみ方が上手!?ウワサの「カングージャンボリー」へ行ってきました
2009年に始まり、2018年で10回目を迎えたルノー カングージャンボリー。クルマ好きならご存知、ルノーの“ゆるキャラ”ミニバン「カングー」を始めとするルノー車オーナーたちが“クルマのある生活を楽しむ”ことをテーマに、ゆる~いオフ会のような感じでスタートしたイベントです。
スタートしたきっかけは、フルモデルチェンジでカングーのボディサイズが大きくなると耳にしたルノー・ジャポン社長・大極 司さんの「日本市場でカングーが売れなくなるかも!?」という危機感でした。
初回は、東京・お台場にあるビッグサイト脇の駐車場で開催。関係者によると「50台くらい集まればいいかな?」という手弁当レベルの内容だったそうですが、予想に反して200台以上が集まり、手ごたえを感じたのだとか。そこで発表した黄色と薄いブルーの日本オリジナル限定車も大好評を博しました。
2回目は、山梨県の富士カームで開催。この時は、グリーン、ブルー、オレンジのカラーをまとった限定車「カングー クルール」を発表しました。以降は、常設ステージがあり、駐車場に3000台以上が停められる山中湖交流プラザ・きららで開催されるようになったのです。
そうした主催者サイドの創意工夫もあって、カングージャンボリーへの参加者&参加台数は年々増加。昨2017年には、カングーだけで1200台(その他ルノー車を合わせると約2000台)が参加したのだとか。これまで日本では、累計2万3000台ほどのカングーが販売され、そのうち約1万2000台が現存しているとのことですが、そのうちの1割以上が会場に集まるというのから、ものすごいことです!
2018年の今回は、開催10周年という節目の年で、しかも、カングー誕生20周年というメモリアルイヤー。当日は午後からあいにくの雨模様となりましたが、それでも前年を超える1373台のカングーが集結。来場者も、2017年より多い4317名が集まりました。
それにしても、なぜカングージャンボリーは、これほどのビッグイベントになったのでしょうか? 会場を歩きながら、カングージャンボリーの人気の秘密を考えてみました。
■日本ではこれまで50色以上のカングーが販売!
10回目となるカングージャンボリーのステージイベントは、まずルノー・ジャポン社長・大極さんのあいさつに始まり、続いて、開催地・山中湖村の村長である高村文教さんのあいさつへ。その後、村の明神太鼓や、地元中学校の吹奏楽部による演奏などが続き、まさに村を挙げてこのイベントを盛り上げてくれているのが分かります。
そして、毎回恒例となった、日本オリジナル限定車の発表。今回は、バカンスをテーマにした2色のカングー クルールがお披露目されました。ボディカラーは、カーキ色のようなグリーン“ヴェールモンターニュ”と、青い“ブルーシエル”という2色を設定。この2台を見た私は、すかさず、それまで着ていた黒いチェック柄のスカートから、クルマのボディカラーに合わせてグリーンのチェック柄スカートに着替えました(笑)。
続いて、テレビ神奈川『クルマでいこう!』の公開収録がスタート。その後、カングーの限定車を成約するともらえる、フランスのスキンケアブランド「ラ ロッシュ ポゼ」のUVケアアイテム紹介へと続きます。
ラ ロッシュ ポゼの紹介では、私もステージに上がり、トークショーに飛び入り参加しました。これからの季節は、車内にいてもガラスを通過した紫外線で日焼けしやすいので、ドライブ時のUVケアは必須です。中でも、ラ ロッシュ ポゼのUVケアアイテム「UVイデア XL プロテクションミスト」は、サラッとしていて手にべたつくことなく、しかも、白く残りにくいのに効果も高いので、まさにバカンスや夏のドライブにピッタリ。香りが強くないので、男性にもおすすめです。
さらに“フランスつながり”ということで、世界のスイーツ業界をリードするカリスマパティシエ、ピエール・エルメさんが展開する「ピエール・エルメ・パリ」の20周年記念セレモニーも行われました。2014年にピエール・エルメさんとコラボした限定車「カングー コンフィチュール」の発売が、ご縁のきっかけになったのだとか。
ほかにも“歴代カングー紹介”ということで、初代モデルをはじめ、上記のコンフィチュールや、同じくフランスのコスメティックブランド「ロクシタン」とのコラボモデル「アン プロヴァンス」など、8台の個性的なカングーがステージに登場しました。
今回は10回目ということもあり、イベントは大盛況。これには、フランスのルノー本社でカングープロジェクトを統括する最高責任者、フィリップ・カイエットさんも驚きを隠せません。
「カングージャンボリーは、フランス本国で生まれた企画ではなく、日本発祥のイベントです。私は今回、初めて参加したのですが、オーナーの皆さんの情熱に驚きました! 他のマーケットでは見られないユニークさです。
日本は、オーナーどうしのネットワークの強さが本当に素晴らしいですね。フランスでは7割強が商用車として使われているカングーですが、日本では100%乗用車として使われていて、その辺がポジショニングの違いにつながっているのでしょう。カングーの強みは、トランスミッションのほか、5人乗りか7人乗りかなど、複数の選択肢から好みの1台を選べること。また、乗り心地が良く、皆さん一人ひとりで異なるライフスタイルにも、それぞれマッチします。まさにカングーで一番大切にしているのは、そうした“ダイバーシティ(多様性)”なのです」(カイエットさん)
確かに、多くのカングーが並ぶ駐車場へ行ってみると、本当に“楽しさMAX!”。とにかく駐車場がカラフルで、見ているだけで楽しくなります。それもそのはず、日本ではこれまで、実に50色以上のカングーが販売されているのです! どのカングーも、オーナーさんの愛情がたっぷり注がれていて幸せそう!
そして、イベント会場の駐車場に並ぶカングーの多くは、なんらかの手が加えられていました。シフトレバーを替えてあったり、シートがオリジナルのものだったり、ステッカーが貼ってあったり…。
中には、カングーからインスピレーションを受けたアイテムをハンドメイドし、それを販売しているブースもありました。特に目についたのは、こけの上にカングーが載っている小さなオブジェや、ガーデンピック、今流行りの編みぐるみ、フェルトのぬいぐるみ、“神宮”と書いてカングーと読ませるお守りなどなど…。いずれも個性的でセンスの良いモノばかり。
駐車スペースにはフリーマーケットのスペースがあり、先着100台が出店可能とのことでしたが、それ以外の場所でも、愛車カングーの荷室に商品を並べ、販売している人の姿が多く見受けられました。お店の数は予想以上で、しかも、各アイテムのお値段はリーズナブル! 商品のセンスやデザインから、カングーやフランス、ルノーをこよなく愛していることが伝わってきて、なんとも微笑ましくなりました。
また、参加されている皆さんは、仲良し家族が多くて笑顔が絶えず、ステージ前の広場ではたくさんのテントが張られ、アウトドア&ピクニック感覚で、のんびりとイベントを楽しんでいる人が多くいらっしゃいました。一方、会場ではワンちゃんと子どもたちの姿も多く、しかも、バギーカートに載せられている率が高いのも特徴(笑)。まさに平和なクルマ=カングーが、皆さんのハッピーなカーライフを演出してくれている印象です。
参加者の中には、愛車に名前を付けてカーライフを楽しんでいる人もいるのだとか。確かに、ネコちゃん連れの参加者は「ほかの方々のクルマは“ワングー”ですが、うちのは“ニャングー”です!」とおっしゃっていました。
さて、カングージャンボリーの人気の理由ですが、それは第1に、ロケーションが大きいと思います。大きなステージの奥には、まるで絵画のように美しい富士山の姿が! これだけで、素晴らしい演出ですね。でも、人気の理由は決してそれだけじゃなくて、愛車やカーライフに対するユーザーのマインドも、大きな原動力になっているように感じました。カングーは他のクルマにはない特徴を持っているからか、人々のライフスタイルの中に深く入り込んでいくのでしょうね。
それにしても、カングーに乗っているから幸せなのか、幸せだからカングーに乗るのか…。
もしかしたら将来的に、ルノー本社がカングージャンボリーを逆輸入し、こうした平和なイベントが世界中で行われることになるかも!? その意味では、日本のカングーオーナーの皆さんが、世界で一番、カングーの魅力を理解し、カングーがある生活を楽しんでいるのかもしれません。
(文/吉田由美 写真/村田尚之)
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