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【VW ポロGTI海外試乗】もはやゴルフいらず!?最新モデルも“GTIの流儀”を貫く:河口まなぶの眼

&GP / 2018年6月9日 20時0分

【VW ポロGTI海外試乗】もはやゴルフいらず!?最新モデルも“GTIの流儀”を貫く:河口まなぶの眼

【VW ポロGTI海外試乗】もはやゴルフいらず!?最新モデルも“GTIの流儀”を貫く:河口まなぶの眼

今春、日本に上陸したばかりのVW(フォルクスワーゲン)「ポロ」に、スポーツグレード「GTI」が追加されました。

GTIといえば、VWのスポーツハッチバックに冠せられる伝統のネーミング。新しいポロGTIは、完成度の高さで高評価を得ている新型ポロをベースに、200馬力を発生する最新エンジンを採用し、スポーティな走りを生み出すテクノロジーを満載しています。

そんな、クルマ好き必見の新型ポロGTIをヨーロッパでひと足早くドライブしたのは、YouTubeチャンネル「LOVECARS!TV!」を始め、雑誌、Webと多彩なメディアで活躍する河口まなぶさん。人気自動車ジャーナリストは、新型ポロGTIに対してどのような印象を抱いたのでしょうか?

■GTI精神を継承し、日常域でも不満なく使える

新しいポロGTIは、今春、日本でもデビューを果たした6世代目となる新型ポロに、つい最近、本国でラインナップされたスポーツモデルである。

新型ポロの仕上がり具合は、すでに多くのメディアで伝えられているとおり、このクラスのベンチマークと呼ぶにふさわしい、高いクオリティが実現されている。セグメント的には欧州Bセグメントに属し、日本のコンパクトカーでいえば、トヨタ「ヴィッツ」やスズキ「スイフト」などと同じクラス。だが、それにも関わらず、その仕上がり具合は「ひとつ上のセグメントと比べた方が良いのではないか?」と思えるほどだ。

新型ポロの出来の良さは、VWの新世代アーキテクチャである“MQB A0”(=ポロ・クラス用)を用いたことも大きな理由だろう。そして結果的に「もはやゴルフを超えたかも?」とすら思えるほどの仕上がりとなったわけだ。

ポロGTIは、そんな圧倒的な進化を見せた新型ポロの最強モデルだけに、当然、期待は高まる。そんなGTIを、ひと足早くフランスのニースで試す機会を得たので、早速レポートしよう。

新型ポロGTIはこれまでの例に漏れず、内外装でGTIの“流儀”を貫く。フロントグリルやテールゲートにはGTIのロゴが与えられ、さらに、フロントフェンダーにも「ゴルフGTI」と共通のエンブレムを備えられる。そして、フロントグリルからヘッドライトの中まで貫かれる赤いストライプも、やはりGTIのそれだ。

こうしたアイテムが、新型ポロの高品質なボディにインストールされるため、見た目も立派。もはやゴルフGTIと比べても、ポロGTIはひと回り小さいので、引き締まっていて精悍で、新しさに満ちた魅力にあふれる。

それはインテリアでも同様だ。チェック柄のシート生地をはじめ、赤いステッチを随所に与えたGTIらしい内装に仕立てられている。しかも、驚愕のクオリティを誇る新型ポロのインテリアにそれらアイテムがインストールされるため、外観同様、ゴルフGTIを凌駕したとすら思える印象を与えるのだ。

さらに、今回の試乗車には、オプションで用意されるフルデジタルの“アクティブインフォディスプレイ”が装着されていた。なので、コクピットに収まりドアを閉めると、目の前にある液晶の美しい画面に、各種メーターがオープニング画面的に浮かび上がるのだ。スターターボタンを押すとエンジンが目覚め、アクティブインフォディスプレイ内にタコメーターの針が跳ね上がるアニメーションが展開。これだけで気分が上がる。そして、エンジンが始動しても室内は静寂に包まれ、遮音性能が極めて高いことに感心させられる。

ポロGTI最大のトピックは、搭載エンジンがついに、2リッターの直列4気筒直噴ターボ“TSI”になったこと。このエンジンは、EA888型と呼ばれる第3世代で、現行ゴルフGTIに搭載されるものより世代が新しくなっている。

最高出力は200馬力を4400〜6000回転で発生。最大トルクは32.6kg-mを1500〜4350回転の範囲で発生する。トランスミッションは、現時点ではデュアルクラッチ式の6速DSGのみの組み合わせだが、今後、6速MTも用意されるという。

6速DSGとの組み合わせで、静止状態から100km/hまでの加速タイムは6.7秒、最高速は237km/hを達成する。しかしながら燃費性能は、カタログデータで16.1km/Lと、燃費にも優れていることが分かる。

走り出してまず驚くのは、静粛性の高さ。ベースの新型ポロ自体が新世代アーキテクチャを採用したモデルだけあり、静粛性の高さは現行ゴルフと同等以上のレベルだが、その印象はGTIでも変わらず。GTIは装着タイヤがスポーツ系のミシュラン「パイロットスポーツ4」の18インチサイズとなるが、それでもロードノイズの侵入は極小に抑えられていた。

足回りは、GTIだけにスポーツサスペンションが与えられる。これは、ノーマルのポロに対してスプリング、補助スプリング、ショックアブソーバー、アンチロールバーに専用のチューニングが施され、車高は15mm低く設定される仕様。しなしながら、乗り心地はノーマルとほぼ同等と感じるから驚きだ。この辺りは、日常域でも不満なく使えるという、GTIの精神をしっかり受け継いでいる部分といえるだろう。

もっとも、今回の試乗車は、オプションで用意されるアダプティブダンパーを備えた“スポーツセレクト”仕様のサスペンションを装備していた。これは、電子制御減衰力可変ダンパーで、ノーマル/スポーツという2段階の減衰力切り替え式となる。

一般道、高速道路と速度域を問わず、新型ポロGTIの乗り心地の好印象は変わらない。路面の継ぎ目や段差で入力はあるが、相当に振動や衝撃を抑え込んでいる。

エンジンの印象は実に力強く頼もしい。32.6kg-mの最大トルクが1500回転から発生されるだけに、どの回転からでもドライバーが望むだけの力を手に入れられる。EA888型はフラットな出力特性であるだけに、フィーリングはドラマチックではないものの、実用面は極めて優れる。実際、高速巡航もアクセルを少し開けるだけで、ゆとりの加速を味わえる。

さらに、スポーツモードを選択すると、サスペションは即座に引き締まった印象となり、ハンドルにもダイレクト感が生まれて頼もしい印象を受ける。しかしながらその状態でも、GTIは最低限の快適性を失わない。存分にスポーティな走りを楽しめるが、快適性を完全に犠牲にしているわけではない。

つまり、新型ポロGTIは「高性能だが日常性を犠牲にしない」というGTIの流儀を忠実に守ったモデルである。実にハイレベルな快適性を担保しつつ、高いスポーツ性を備え、上質なスポーツモデルに仕上がっていると評価できる。その完成度の高さは、もはや「ゴルフGTIいらず」といえるほど。このクラスのホットハッチとしては間違いなく、世界の頂点に位置するモデルと断言できる1台だ。

<SPECIFICATIONS>
☆GTI(写真は欧州仕様)
ボディサイズ:L4075×W1750×H1440mm
車重:1290kg
駆動方式:FF
エンジン:1984cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:200馬力/4400〜6000回転
最大トルク:32.6kg-m/1500〜4350回転
価格:344万8000円

(文/河口まなぶ 写真/フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

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