粒立ちいいのに粘りもしっかり!炊飯の新境地を目指した象印「炎舞炊き」
&GP / 2018年6月13日 11時0分
粒立ちいいのに粘りもしっかり!炊飯の新境地を目指した象印「炎舞炊き」
一番おいしいごはんの炊き方といえば、やっぱり“かまど炊き”。家電メーカー各社がかまどで炊いたごはんを再現しようと、切磋琢磨しています。
IH炊飯ジャー市場においてトップシェアを誇る象印マホービンといえば、8万円以上する高級炊飯器「南部鉄器 極め羽釜シリーズ」で人気を集めています。そんな象印の新製品では、これまでの南部鉄器をやめ、新たな方向へと舵を切ったのです!
■高温の熱を均一に伝えるのに必要な条件とは?
そもそも、おいしいごはんを炊くには、「お米に高温の熱を均一に伝える」ことが必要です。かまど炊きにはその条件が揃っており、適度な圧力、熱を封じ込める羽釜、ふきこぼれるほどの大火力を兼ね備えていました。
象印は研究を進めるうちに、“かまどの炎”に注目します。かまどの炎は火力が強いだけでなく、炎が揺らいでいたのです。これまでの炊飯器では火力を再現しようとはしていましたが、炎の揺らぎまでは再現されていません。
そこで、今回登場する新モデルでは、底面に3つのIHコイルを設置し、それぞれを独立制御できるようにしました。3つのコイルを交互に付けては消すのを繰り返す独立制御を可能にしたことで、「南部鉄器 極め羽釜」の2017年モデルと比べ、単位面積当たり4倍以上の火力となっているそうです。
この新たな炊き方は“炎舞炊き”と命名され、新モデルは「炎舞炊き NW-KA型」2モデルが登場します。5.5号タイプと10合タイプがあり、いずれもカラー「黒漆」と「雪白」の2色展開です。
■内釜は軽くて使いやすい新素材に
炎舞炊きは火力が強いぶん、かき混ぜ効果が高く、上下の米がよく混ざってより均一に仕上がります。実際に内釜の水が対流する様子を見ても、しっかり米が踊っているのがわかりました。
また、内釜の素材も見直されています。従来の南部鉄器を使った内側は熱伝導性が低いというデメリットがあったため、今回はアルミ・ステンレス・鉄の多層構造の新素材を採用したのです。さらに、フチ部分は厚くなっており、内側から順に、ごはんの甘みと旨みを引き出す「うまみプラスプラチナコート」「アルミ」「ステンレス」「鉄」「ステンレス」の5重になっています。
南部鉄器の内釜のときよりもコンパクトかつ軽量化が進んでおり、そのおかげで炊飯器全体のサイズも小さくなっているんです。5.5合炊きは幅27.5×奥行き34.5×高さ23.5cm、10合炊きは幅31×奥行き37.5×高さ26.5cm。これまでの極め羽釜シリーズはちょっと大きく感じていた人でも、炎舞炊きシリーズなら設置面での問題はなさそうです。
■しゃっきりしているのに甘い炊き上がり
今回、実際に炎舞炊きで炊いたごはんと他社の高級炊飯器で炊いたを食べ比べてみたところ、その差は歴然! どちらもお米本来の甘みや旨みがしっかり出ているのですが、粒立ちの良さは炎舞炊きが圧倒的。それにも関わらず、粘りもきちんと感じられ、最近流行りのしゃっきりごはんに物足りなさを感じる筆者も、この仕上がりには大満足でした。
▲左が炎舞炊き、右が他社の炊飯器で炊いたごはん。粒立ちの違いがはっきりわかる
炎舞炊きにはかたさと粘りを家庭ごとの好みに炊き分け可能な「わが家炊き」に対応しており、こちらは従来モデルから少しリニューアルしています。これまでと同じく121通りの炊き分けに対応しているのですが、炊き分けの違いをよりはっきりさせたのだとか。ここまでくると、家で食べるごはんが毎回楽しみになりますね。
推定市場価格は5.5合炊きタイプの「NW-KA10」が12万円前後、10合タイプの「NW-KA18」で12万5000円前後(いずれも税別)で、7月21日発売予定となっています。毎日の食事の満足度を上げたいなら、これは買いの一台です!
>> 象印マホービン 炎舞炊き
(取材・文/今西絢美)
編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。
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