ついに発売！センシングアイウエア"JINS MEME"。メガネメーカーのJINから

ついに発売！センシングアイウエア"JINS MEME"。メガネメーカーのJINから

以前から話題であった、センシングアイウエア、JINS MEME。普通のメガネと変わらない姿で、先進的な機能を備えるということで、以前より注目されていた。ついに発売日と価格が発表された。

カジュアルタイプのJINES MEME ESは4万2120円、スポーツサングラスタイプのJINS MEME MTは2万520円、どちらも11月5日に発売となる。

■健康管理や居眠り防止に活躍！スポーツにも向いています

左：カジュアルタイプのJINES MEME ES／右：スポーツサングラスタイプJINS MEME MT

JINS MEME ES

JINS MEME MT

 

JINS は国内で290店舗、海外で58店舗を展開しているが、JINS MEMEは全国37店舗、ECサイトで購入可能となる。さらに、明治通りの原宿店はJINS MEMEストアに改装し、リニューアルオープン。SDKを使用したアプリ開発情報を発信したり、デベロッパーズスタンドも設置するという。

これは、カメラなどがついているウエアラブルグラスとは全く違い、極限まで通常のメガネのデザインに近づけた、世界初「自分を見る」アイウエアだ。

JINES MEME ESは、3点式眼電位センサーと6軸（加速度・ジャイロ）センサーを搭載し、そこから取得された眼や体の動きをもとに、アプリケーションを介して自身の心や体の状態を知ることができる。スポーツサングラスタイプは6軸センサーのみの搭載となる。

代表取締役の田中氏は、日本のマーケットは世界市場に対するプレゼンスを失いつつあり、日本企業の発信するサービスやプロダクトが多くの人を共感を得ていないのは、ライフスタイルや哲学を生み出せていないからではないかと言い、今回発表したJINS MEMEこそが2015年のメイドインジャパンの最高峰だと発表した。

JINS MEMEとつながる3つのアプリケーション

JINS MEMEはスマホと連動して利用するため、今回3つのアプリケーションが発表された。

1.JINS MEME App

 

 

東北大学加齢医学研究所 川島隆太所長と、4年間開発に携わってきたという開発責任者の井上氏が登壇した。

全てのアプリの起点となるのが、このJINS MEME Appというライフログアプリだ。川島教授が監修し、「アタマ年齢」と「カラダ年齢」の指標で表示される。

年齢は多くのデータから計測したデータに基づいて作られている。医学的にはそのような年齢を出すことはできないが、研究から得た独自のアルゴリズムで表現方法を開発したという。

眼は直接脳と繋がっているので、眼の動きから脳や心の動きを読み取ることは技術的に可能だという。

「アタマ年齢」は、活力、集中力、落ち着きの3つのバランスをスコア化し、「カラダ年齢」は、活動量、姿勢、動きの安定性という3つの状態をもとにしている。

 

歩いているときのカラダ年齢

 

今後利用者が増えれば、情報がどんどんクラウドに蓄積される。ビッグデータ解析することで、日が経つほど、正確な数値をはじきだせるようになる。

2.JINS MEME DRIVE

法人各社から問合せが一番多かったという、眠気を推定するドライバー向けアプリ。車の技術は進歩しているのに、居眠り運転が減らないそうだ。

人が眠気を感じると、まばたきの頻度や強さが変化する。まばたきの変化からJINS MEME独自の眠気推定アルゴリズムを開発した。アプリでは、順調、すこし眠そう、とても眠そうの3パターンで表示される。

 

「とても眠そう」という表示のJINS MEME DRIVEアプリ

 

またGPSの位置情報と掛け合わせて、“いつどこで眠気が発生したのか”という情報も記録することができる。

まずは、法人向けの需要を見込む。すでに大手運送会社の鴻池運輸と実証実験を実施し、手ごたえを感じているという。

3.JINS MEME RUN

慶応義塾大学スポーツ医学研究センター　准教授の橋本健史と、JINS MEMEグループ アプリ開発担当の一戸晋氏が登壇した。このアプリの一番の特長は、ランニングフォームの可視化だという。

効率のよい走り方をしているランナーは体軸が安定しているといい、6軸センサーでランニングの「質」を可視化することで、自分のフォームを正しいものにすることができる。ランニング中の変化も確認することができる。

 

体軸がずれると、ずれている方向へ赤い表示がされる

 

 

スポーツマン向けのJINS MEME MT

 

今回新しく発表となったJINS MEME MT。スポーツする人専用に開発され、6軸センサーのみを搭載した。

 

 

元オリンピックアスリートの為末大氏も登壇。「スポーツ選手は身体の中心がどういう状態にあるか、ということが大事で、それが数値化されるJINS MEME MTはトップアスリートに限らず全てのスポーツをする人に役立つと」コメント。

今後の躍進が期待される先制医療

JINS MEMEが目指すひとつのゴールとして、今後大きく躍進が期待されるのが先制医療の分野。

川島教授は、医学的にひとりひとりが自分と向き合い、病気になるのを予防すること、病気を先に制するのが大事になってくるとし、病気の予兆の診断の研究をはじめているとコメントした。

JINS MEMEを活用し、睡眠時無呼吸症候群や、ドライアイなどの研究を進めることで、より多くの人が先制医療を実践することができると期待していると締めくくった。

先制医療を支える、学術研究向けJINS MEMEソリューションとして、JINS MEME ACADEMIC PACKが10月29日より、50万円で販売される。

JINSは世界で600万本ほどを販売しているが、5年後には全てのJINS製品にセンシング機能が搭載されている世界を目指す。

（取材・文／小泉耕二）