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【VW ポロGTI試乗】速い、楽しい、動質高い!GTIならではの痛快な走りに思わずヤラれた

&GP / 2018年7月2日 11時0分

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【VW ポロGTI試乗】速い、楽しい、動質高い!GTIならではの痛快な走りに思わずヤラれた

「足が速いだけで、モテる時代は終わりました」ってキャッチコピーが気に入らない。オレなんか子どもの頃、けっこう足が速くてかけっこも得意だったのに、さっぱりモテなかったゾ!…と、半ギレの気持ちを抱きながらVW(フォルクスワーゲン)の試乗会に赴いたわけです。

ドイツ・ヴォルフスブルクの誇るホットハッチ「GTI」シリーズ。東洋の島国・日本では、約13年ぶりに3種類のGTIがそろいました。「ゴルフGTI」、「ポロGTI」、そして、以前の「ルポGTI」に代わって「up!GTI」が加わったオールスターメンバーです。

長男のゴルフGTIは、先に導入を済ませたノーマルGTIに専用アイテムを付加した「GTIダイナミック」を用意。デジタルメータークラスター、ナビゲーション、18インチホイールなどを装備し、ノーマル比40万円アップの445万9000円(6速AT=DSG)と435万6000円(6速MT/100台限定)。

次男のポロGTIは、2リッターターボ+6速AT(DSG)の組み合わせのみで、兄貴分ゴルフの価格帯にガッツリ食い込む344万8000円。

そして末弟のup!GTIは、なんと日本向けに3ドアボディがセレクトされ、1リッターターボとペアを組むトランスミッションに、これまたなんと! 3ペダル式の6速MTが選ばれました。AT大国の我が国では“そうとうに攻めた”仕様のup!GTI。価格設定も、な、なんと!! 219万9000円とリーズナブル。まずは600台の限定販売となります。

3台のうち、この日はポロGTIとup!GTIに乗ることができました。まずは、ポロGTIから報告します。

■(かつての)ゴルフGTIの走りが帰ってきた!

1リッターターボを積むノーマルの「ポロ」をドライブした時には「これこそ21世紀のゴルフだ!」とひとり興奮したものですが、今回のポロGTIにも全くヤラれました!! 速い、楽しい、動質高いのドライブ3要素(!?)がキッチリそろっています。

ポロGTIの価格は344万8000円。「ゴルフ」の上級グレード「TSIハイライン」が手に入る金額ですが、個人的には迷わずポロGTIを選びますね。ゴルフよりひと回り小柄とはいえ、全長4075mm、全幅1750mm、全高1440mmの大きさは、世紀を跨いだ4世代目のゴルフ(現行モデルは7世代目)に匹敵する大きさ。細かい道が多い市街地では、むしろ使いやすいサイズといえます。

ポロGTIには、タータンチェックのファブリックシート、各部の赤いステッチ、そして、ベルベットレッドのダッシュパネルと、特別なインテリアがおごられますが、全体的にはシンプルで質素な作り。でもむしろ“VWらしさ”が色濃くていいじゃないですか。日本にゴルフの素晴らしさを伝えた故・徳大寺有恒氏が初代ゴルフに感激したのは、豪華な内外装や便利な装備類ではなく、質実剛健にして骨太な走りそのもの、だったのですから。

ポロGTIの良さは、まさにその点にあります。フロントグリルに赤いラインの入った特別なポロのステアリングホイールを握って走り始めると、まず乗り心地の良さに感心します。ボディ剛性の異例な高さはノーマルのポロで体験済みでしたが、GTIバージョンもノーマル比2インチアップの17インチホイールを履きながら、ゴツゴツした突き上げをしっかり抑え、不快な振動もシャットアウト。スポーティに締まったフィールだけをドライバーに伝えます。

2リッターの直4ターボは、最高出力200馬力、最大トルク32.6kg-mと、ゴルフGTIの230馬力/35.7kg-mから微妙にデチューンされていますが、一方、車重は、ポロGTIが1290kg、ゴルフGTIが1380kg(MT車は1350kg)ですから、体感上は差がないといってもいいでしょう。絶対的に、胸のすく加速を見せてくれます。

ポロGTIは“ドライビングプロファイル機能”を使って「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「カスタム」から走行モードを選ぶことが可能。サスペンションがややハードにチューンされるほか、硬軟をコントロールできるアクティブダンパーが装着されます。そのため、ノーマルからスポーツモードに変更すると、エンジン、トランスミッション、パワーアシストに加え、足回りがグッとスポーティに変わります。

エンジンルーム内のサウンドボックスを使い、音の面でも分かりやすく演出してくれるのはご愛敬ですが、各部のレスポンスが鋭くなり、手応えが増し、「寄らば切るそ!」とばかりにクルマ全体の緊張感が増すのがイイ。例えがいかにも古くさいのですが、それはともかく、ポロGTIのハンドリングの良さは驚きで、ノーマルポロのシャープさはそのままに、加速・減速、両方向のパワーをマシマシにした印象。狙ったラインをそのままトレースしてくれるだけではありません。エンジンとボディ&シャーシのバランスが素晴らしいので、その気になれば、タイトなカーブで自由自在に振り回すこともできる…はずです。

さらに感心したのは“XDS”と呼ばれるディファレンシャルロックで、ハードコーナリング時にフロントの内輪が浮いた場合などに、瞬間的にブレーキをかけて空転を止めてやる装置。スリップを感知すると、駆動力をグリップしているタイヤに移す一般的なLSD(差動制限装置)と比較すると「マイナス方向に働くのがどうもね」と、知ったかぶりをしていましたが、そんな自分をシバいてやりたい。

ポロGTIの場合、クルマのロールが大きくなった時や、外側に傾く逆カントの付いたカーブを走る時でも、スロットルでムチをくれてやると、駆動輪がアゴを出すことなく、しっかり地面をつかんでグイグイと進んでいきます! うーん、男らしい…。

もちろん、新型ポロGTIは、目を見張らせる走りだけでなく、メーター全体を液晶化したデジタルメータークラスターや、コードをつなぐことなくスマートフォンを充電できる“スマートフォン・ワイヤレス・チャージング”といった新世代の装備も採用。運転支援や安全装備も手抜かりありません。

とはいえ…「長男のゴルフGTIはそれなりに存在感がある。末っ子のup!GTIはキャラが立っている。でも、次男坊はねぇ…」と、VWスタッフの人はポロGTIの立ち位置の難しさを嘆いていました。簡単です。「ゴルフGTI is back!」と宣伝すればいい。エッ!? 現行のゴルフGTIと混同される? では「(かつての)ゴルフGTI is back!」ではいかがでしょう? ムリ!? そうですか…。

いずれにせよ、僕は足が速いだけで好きになってくれるような女の子が好きです(逆ギレ)。

<SPECIFICATIONS>
☆GTI
ボディサイズ:L4075×W1750×H1440mm
車重:1290kg
駆動方式:FF
エンジン:1984cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:200馬力/4400〜6000回転
最大トルク:32.6kg-m/1500〜4350回転
価格:344万8000円

(文&写真/ダン・アオキ)

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