クラウン&カローラだけじゃない!40年以上続く老舗モデル【ホンダ/三菱/スズキ編】
&GP / 2018年7月6日 18時0分
クラウン&カローラだけじゃない!40年以上続く老舗モデル【ホンダ/三菱/スズキ編】
先日新型が発表になったクラウンとカローラスポーツ。クラウンは1955年から63年、カローラは1966年から52年間続くモデルです。トヨタにはほかにもランドクルーザー(1954年から64年間続き、現行モデルでは国内最長)、ハイラックス(1968年から続いていて今年が50周年記念)、ハイエース(1967年から)など、長寿モデルが数多くあります。
改良を重ねながら長く愛されるモデルはトヨタ以外にも。今回はホンダ、三菱、スズキで40年以上続くモデルを見ていきましょう。
■ホンダ シビック(1972年~)
▲初代シビック
「世界に通用するベーシックカー」として1972年に誕生したシビック。過密化する都市でも扱いやすいサイズと、大人4人が余裕をもって乗れる室内。初代シビックは世界中で大ヒットします。そしてシビックの名を轟かせたのは、環境性能です。
1970年に改正されたアメリカの大気浄化法(マスキー法)。この法律に対応するクルマを出すのは不可能とまで言われ、多くの自動車メーカーは悲鳴を上げました。しかしホンダは希薄燃焼を実現したCVCCエンジンを開発。これが初搭載された初代シビックで、世界で初めてマスキー法をクリアしたクルマという栄誉を受けました。
▲3代目シビック
&GP読者だと、シビックと聞いて思い出すのは1983年にデビューした3代目“ワンダーシビック”ではないでしょうか。ホンダのMM思想(マン・マキシマム・メカ・ミニマム)に基づいて設計されたワンダーシビックは、コンパクトなのに驚くほど広い室内空間を実現。1.6Lエンジンを搭載したSiはスポーティな走りが評価されて若者を中心に高い人気を誇りました。また、5ドアのシャトルもアウトドアを楽しむ人から支持されました。
▲4代目シビック
続く4代目“グランドシビック”、5代目“スポーツシビック”もヒットモデルに。“ミラクルシビック”と呼ばれた6代目からは走りの性能を極限まで高めたレーシング仕様『タイプR』も設定されます。
▲8代目シビックハイブリッド
シビックの3ドアハッチバックは免許取りたての若者から走り屋まで多くの人に選ばれてきました。しかしだんだんと人気が低下し、また、下位クラスのフィットとのバッティングも起こっていました。そのため、2005年に登場した8代目は、セダンのみの展開となります。そしてプリウスの対抗馬となるハイブリッドも用意されました。しかし人気は振るわず、この代で日本での発売が終了します。
▲10代目(現行型)シビックハッチバック
日本での発売終了後も海外では製造されていたシビック。2015年には10代目シビックがデビューしました。2017年1月、ホンダは東京オートサロンでハッチバック、セダン、タイプRのプロトタイプを公開します。これはシビックが約7年ぶりに日本市場に帰ってくることを意味しました。そして2017年9月、10代目シビックハッチバック、セダン、タイプRが発売となりまました。
■三菱 デリカ
▲初代デリカ
D:5、D:3、D:2と、現在は三菱のハイト系ラインナップでその名が使われるデリカ。もともとは1968年にトラックでその名が用いられ、翌年にライトバン、ルートバン、デリカコーチが追加されます。このラインナップはハイエースなどにも通じるものでした。
ところが1979年に登場した2代目が、デリカの歴史を動かします。バンは王道のビジネスカー路線を進みますが、デリカコーチがデリカスターワゴンという名称に。そしてこれが現在のデリカの系譜となっていきます。
▲デリカスターワゴン
1982年にデリカはワンボックス初となる4WDを追加。スターワゴンにも4WDが設定されました。スターワゴンの4WDにはパジェロと同じパートタイム4WDを採用。大径タイヤを履き、最低地上高も高められるなど、オフロード性能を意識した作りになります。
世の中はヘビーデューティがブームとなりアウトドアレジャーを楽しむ人が増加していた頃。本格的な4WDが欲しいけれど人も大勢乗せたい、という人がこぞってスターワゴンを選ぶようになります。通算3代目となる2代目スターワゴンは1986年にデビューしました。
▲デリカスペースギア
通算4代目となるスペースギアは1994年デビュー。ミニバン色を濃くしながらも、本格的4WD+高い最低地上高というコンセプトをスターワゴンから受け継ぎました。そしてモノコックボディが全盛の中、ラダーフレームとモノコックを一体化したビルトインフレーム構造で堅牢さを確保します。
▲現行型デリカD:5
通算5代目となる現行型D:5は2007年デビュー。ミニバンとしての性能を高めながら、デリカのアイデンティティであるオフロード性能も併せ持つ唯一無二の存在として、多くのファンを惹きつけます。
SUVに乗りたいけれど人も大勢乗せたいし荷物もたくさん積みたい。ミニバンが欲しいけれど、アウトドアで役立つ本格的な4WD性能が欲しいという人にとって、昔も今もデリカ以外の選択肢がありません。そのため、スターワゴンからずっとデリカに乗り続けている人もいるほど。また、デリカファンはディーゼル志向が高いのも特徴。D:5は当初ガソリンのみの設定でしたが、2013年にディーゼルエンジンを追加。そして6割以上の人がディーゼルを選ぶようになったのです。
■スズキジムニー
▲初代ジムニー(LJ10)
約20年ぶりのフルモデルチェンジを行ったジムニー。実はこのジムニー、スズキが独自開発したのではなく、ホープ自動車が開発し1967年に発売したホープスターON型4WDを鈴木修氏(現・代表取締役会長)が惚れこみ、製造権を買い取ったところからスタートします。スズキは量産化に向けてホープスターON型4WDを大改良。そして1970年に初代(LJ10型)がデビューします。
非力な軽自動車ながら荒れた山道をものともせずに登り切るジムニーは、林業従事者や山間パトロール、雪深い地域での配送など、プロの仕事を助ける存在となったのです。そのヘビーデューティーさは一般ユーザーからも好評を得ました。初代はLJ10→LJ20→SJ10と進化していきます。エンジンは2ストでした。
▲2代目ジムニー(SJ30)
そして1981年に初のフルモデルチェンジ(SJ30型)。軍用車的な雰囲気の強かった外観を一新し、スポーティな雰囲気に。快適性や操作性なども高められました。ボディタイプはキャンバスドアのほか、ハーフメタルドア、フルメタルドア、バンも用意されました。その後キャンバスドアは1983年に廃止となります。
▲2代目ジムニー(JA71)
1986年には4ストターボエンジン搭載のJA71型が登場。最高出力が38ps、最大トルクが5.5kg-mとなりオン/オフともに走りが向上。登坂性能も高められています。1990年には軽自動車の規格拡大で660ccエンジンになったJA11型が、1995年にはジムニー初のコイルスプリングを採用したJA12/JA22型が登場します。
▲3代目ジムニー(JB23)
1998年にはボディサイズ拡大を伴う軽自動車の規格改正が行われ、多くの軽自動車がフルモデルチェンジ。ジムニーも17年ぶりのフルモデルチェンジを行い、JB23型が登場します。ボディタイプは3ドアハードトップのみ、ジムニーの伝統であるラダーフレームとリジットサスを継承しながら、オフロード性能はそのままに、特に街乗りや高速道路などオンロードでの快適性が高められました。
▲最新型
そして4代目となる最新型ジムニーが7月5日にデビュー! ラダーフレーム、FRベースの4WD、パートタイム4WDなどの伝統を継承。スタイルは四角さが強調され、SJ型のような雰囲気に。多彩なボディカラーが用意されるほか、先進安全装備が備わるグレードも用意されます。
* * *
その他、軽商用車にも目を向けると、スズキキャリイ(1961年デビュー)、ダイハツハイゼット(1960年デビュー)が現在も大きな支持を集めています。また、OEM供給モデルとなりましたが、スバルサンバー(オリジナルは1961年デビュー)、三菱ミニキャブ(オリジナルは1966年デビュー)はブランド名が残っています。
ブランド名が長く続くモデルに共通するのは「これじゃないとダメなんだ」というコアユーザーが多くいること。圧倒的な信頼感を武器に幅広い層へアピールできるクルマこそ、ロングセラーモデルへと成長するのでしょう。
(文/高橋 満<ブリッジマン>)
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