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今さらですが、「今治タオル」ってなんですか。

&GP / 2018年7月10日 11時0分

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今さらですが、「今治タオル」ってなんですか。

いまや「今治タオル」は高品質タオルの代名詞、といってもいい。日本人の約70%が「今治タオル」の存在を認知しているデータもあるという。しかし、たとえば10年前、15年前、「今治タオル」の存在を知っていただろうか。「聞くタイミングを逸してしまったけど、そもそも今治タオルって?」「愛媛県今治市で作られたタオルはみんな今治タオルってこと?」と思っている人も多いのでは? かくいう筆者もそのひとりだったりする。

そんな時、来年、創業100周年を迎える、現在、タオルの国内生産売上高ナンバーワンを誇る愛媛県今治市の「藤高」が2018年6月に銀座に初出店。「FUJITAKA TOWEL GINZA」をオープンしたという情報を耳にした。「今治タオルとはなんぞや」というシンプルな疑問を解決すべく、銀座に足を運んでみた。

 

地域産業の象徴的地位を築き上げた感のある「今治タオル」。でも、そもそも「今治タオル」ってなんですか?

「FUJITAKA TOWEL GINZA」のマネージャー藤高小夜子さんに素朴な疑問をぶつけてみると──。

「温暖な気候で、豊富な水源に恵まれた愛媛県今治市はタオルの製作に向いていて、かつては600社くらいのメーカーがあったと言われています」

今治でタオルの製造が始まったのは、約120年前だと言われている。しかし、海外で製造された安価なタオルに押され、やがて産地衰退の憂き目に。そこで、老舗メーカー「藤高」の代表取締役社長、藤高豊文氏は「今治タオル」をもう一度、輝かせることを決意。

「UNIQLO」や「楽天」のロゴデザインで知られる、気鋭のアートディレクター、佐藤可士和氏とともに、今治タオルのブランディングをはかったのが2006年のことだ。

「ブランディングにあたっては、品質を確実に保証するために、独自の認定基準を設けました。そのひとつが“5秒ルール”です。タオルは吸水性が大事ですが、買ったばかりだとなかなか水を吸わないことも。でも、1cm四方のタオル片が水中に沈み始めるまでに、5秒以上を要すると、今治タオルを名乗ることはできません」

この5秒ルールをはじめ、「今治タオル」は、今治タオル工業組合が定める独自の品質基準に合格したものでなければならない。「抜き打ちで検査が行われることもあります」

現在は今治には100社前後のタオルメーカーがあり、「今治タオル」を名乗り、「ブランドのマークを使える企業は約80社ほど」という。その「今治タオル」のブランドマークをデザインしたのが佐藤氏だ。佐藤氏は、白、青、赤の3色を基調としたロゴで、今治タオルを表現。白は「タオルの清潔感」、青は「豊かな水」、赤は「産地の活力」を表しているという。

「ただ今治タオルのマークが付いていても、品質にはいろいろあります(笑)。マークは大切ですが、マークに頼らず勝負していきたい──。私ども藤高が銀座に直営店の出店を決めたのは、そんな理由からです」

100年を迎える老舗が満を持して出店した「FUJITAKA TOWEL GINZA」では、「究める」をコンセプトに、「藤高」ならではの、品質を究めたタオルを展開する。

究極のベーシックタオル「ハウスタオル」(800〜4500円)は糸の紡績から自社で行っている。「お値段的にもいちばんお求めやすいタオルです」。独自の技術とノウハウで究極の黒を表現した「BK100」(1800〜8000円)、2本の糸を撚合わせることでやわらかさと耐久性を実現させた「ZUTTO」(1600~6000円)など、さまざまなアイテムがラインナップ。カラーバリエーションも豊富だ。

色を先に染めることで、クリムトの名画をタオルで再現した、世界初のフルカラージャカードタオル「五彩織り クリムト『農家の庭』」(8000円)はまさにアート! 一見の価値がある。

複合商業施設「GINZA SIX」から裏手に位置する店舗は、約30平方メートル。店舗には、風よけフェンスに使われた古木を内装に使用し、洗いざらしのタオルの風合いを表現している。店舗デザインや「藤高」が大正時代に使用していた商標「世界鶴」を再構築したロゴデザインなど、「今治タオル」の老舗の世界観を体感するのもなかなかオツである。

FUJITAKA TOWEL GINZA
住所/東京都中央区銀座7-21-1 藤高ビル1階
電話/03-6278-8852
営業時間/11時~20時
定休日/年末年始

>> FUJITAKA

 

(取材・文/長谷川あや

はせがわあや/エディター・ライター

はせがわあや/エディター・ライター

出版社でスポーツ誌の編集に携わった後、フリーに。現在は、各種媒体に、食、旅、アート、エンタメなど、ライフスタイル系の記事を寄稿。雑誌・広報誌等の編集にも携わる。

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