とにかく軽くて組み立て簡単!ヘリノックス「コットワン」【アウトドア銘品図鑑】
&GP / 2018年7月14日 7時0分
![とにかく軽くて組み立て簡単!ヘリノックス「コットワン」【アウトドア銘品図鑑】](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goodspress/goodspress_171878_0-small.jpg)
とにかく軽くて組み立て簡単!ヘリノックス「コットワン」【アウトドア銘品図鑑】
今やコットはキャンプのマストアイテムといっても過言ではありません。夏はそのままゴロリと寝転ぶと背中に熱がこもらず涼しく眠れますし、反対に肌寒い季節はマットを併用することで地面の冷えを感じずにすみます。しかも、多少デコボコがあるキャンプサイトでも違和感なく眠れますし、万一、エアマットに不具合があってもコットがあれば問題なし。朝まで快眠間違いなしです。
コット自体は、1990年代のオートキャンプブーム時にも注目されましたが、当時のコットは重くて、組み立て時に力が必要なものが主流。有り体に言えば、組み立てづらいものが多かったんですね。また、静止耐荷重が80〜100kg程度で、子どもが飛び乗るとちょっと不安。
それから20年。「コットって便利だけど、面倒だよなぁ」という印象をガラリと変えたのが、ヘリノックスの「コットワン」です。タフなのに軽く、バックパックに余裕で入る。しかも組み立てが簡単。オートキャンプばかりか、徒歩系のハイカーだって持ち運べるようになったんです。
コットワンの日本デビューは2014年。現在は「ライトコット」や「コットマックス」などバリエーションも増えました。今回は、もっともスタンダードな「コットワン コンバーチブル」(3万5500円/税別)を検証していきましょう。
■組み立て
まず、収納袋に入った状態です。上から、オプションの「コットレッグ」、「コットワン コンバーチブル」、そして「チェアゼロ」です。「コットワン コンバーチブル」の収納サイズはφ16×54cm。袋込みで2.32kgです。
70Lのバックパックにこれらを入れてキャンプ場へ。夏キャンプということもあり、問題なく2泊3日分の荷物が入りました。
コットワンの収納袋の中身はこんな感じ。アルミポール2本と、ブルーの脚が3本です。どれも内側にショックコードが入っているので、組み立てに迷いはありません。
生地を広げ、両サイドのスリーブにアルミポールを入れます。スリーブは両側とも半分閉じた状態です。割合余裕があって入れやすいのですが、さらに片側にはループが付いていて、これを引っ張ることでしっかりポールの端を中に入れられます。
次に脚を組み立てます。
脚には「THIS SIDE UP」という刻印があるので、この面が上(生地側)になるように脚を組みます。
写真の一番上が間違った組み方。正しい組み方(下2本)と比べると、幅が異なることがわかります。恥ずかしながら、最初は3本とも脚の組み方を間違えてしまい、うまく組み立てられませんでした…。
生地からアルミポールが見えている部分に脚を取り付けます。
最初に真ん中の脚を取り付けます。
生地を横にして、立てて持ちます。この状態で脚の両端にあるソケットをアルミポールにかませます。脚の片側にはレバーが付いており、レバーを押し込むとロックがかかります。だから、レバーがあるほうを上にしておくのがポイント。同様に、両側の脚も取り付けます。
ロックがかかっている状態では、ほんの少しだけレバーが浮いているように見えます。取り外すときは、レバーを軽く押し込むようにしてから、レバー両側のボタンを押してロックを解除します。レバーを押し込むのも、ロックの解除も軽い力でできるので非力な女性でも無理なく扱えます。
■機能
収納袋を除いた本体重量は2.19kg。軽々持てるレベルです。それでいて静止耐荷重は145kg! 大柄な男性がドカッと座っても安心ですね。生地部分のサイズは68×190cmになります。
「DAC green poles」のタグが誇らしげです。
ここでおさらい。
ヘリノックスの名を世に広めたのは、なんといっても「チェアワン」でしょう。自然や人に優しい“グリーンアノダイズ・プロセス”で処理されたタフなDAC TH72M合金のフレームと、高強度のファブリック、耐久性の高いステッチにより、軽量・コンパクトな画期的チェアとしてさまざまなアワードを総なめにしました。
ファブリックが吊り下げられる構造で、ハンモックのような座り心地も人気の理由。以降、似たようなチェアが誕生していますが、タフさと軽さは一歩抜きん出ています。写真は本体重量490gの「チェアゼロ」(1万2000円/税別)。
「チェアゼロ」はポリエステル・リップストップを用いて、メッシュを省略。フレームのポールを薄くするなど軽量化をはかって、指一本で持てるほど軽い! ご本家のチェアワン(静止耐荷重145kg)に比べると、静止耐荷重は120kgとなりましたがそれでも通常の使い方なら十分なスペックです。
もちろん「チェアゼロ」にもDAC green polesのタグが縫い付けられています。
「コットワン」に戻ります。
「コットワン コンバーチブル」は、名前の通り、2種類の使い方ができます。脚に別売のコットレッグ(9500円/税別)を装着するための穴があいているんですね。
「コットレッグ」なしだと高さ16cm。コンパクトなテントに入れても、マットと同じ感覚で圧迫感なく使用できます。
高さ38cmの“ハイコット”。「チェアゼロ」と座面がほぼ同じ高さなので、コットとしてだけでなく、ベンチとしても使いやすい高さだとわかります。生地のテンションがかかっているので、ちょっとした荷物置き場としても重宝しそう。
実際に寝転んでみるとわかりますが、生地の張り具合がとっても心地いい! 幅は68cm。モンベルの「U.L.コンフォートシステム エアパッド ワイド180」が幅60cm×180cmですから、かなりゆったりとしていることがわかります。
両サイドのアルミポールは生地でほぼカバーされているので不意に触れて冷たさを感じることはありませんが、それなりに硬さは感じられます。秋冬キャンプでマットを併用するなら、幅70cmのマットと組み合わせるとより快適に眠れそうです。
* * *
就寝だけでなく、青空の下での昼寝、星空観察、ベンチや小物置き場がわりなどマルチに使える「コットワン コンバーチブル」。唯一、お値段がかわいくないように思えますが、使用シーンが広くて実はオトクなギアだと実感するでしょう。
>> モンベル
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(取材・文/大森弘恵)
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