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理想の財布のサンプルが完成! ―「小さい財布」製作日記②

&GP / 2018年7月29日 10時0分

理想の財布のサンプルが完成! ―「小さい財布」製作日記②

理想の財布のサンプルが完成! ―「小さい財布」製作日記②

寝ぼけ眼でふと思い付いた“小さい財布”。完全なる思いつきだったのだが、なぜかひょんなことから話が進み、なんと実際に作ることになりそうな雰囲気…。いいのか、これで…。でも内心、ラッキー!と思っていた。

これまでさまざまな財布を使ってきたが、いつも、ここがちょっと違うんだよなぁ、というモノばかりだった。とはいえ自分の要望を満たすモノなど見つからず、いつもこの“ちょっと違う”ポイントは妥協して使っていた。とはいえ人間不思議なもので、使っているうちに小さな不満点にも慣れてしまう。

それがだ。こういうモノが欲しい!という要望が叶うかもしれないチャンスがやってきたのだ。これをラッキーと言わずして、なんと言おう。

最初の打ち合わせ(>> 財布の理想を考えてみた  ―「小さい財布」製作日記①)から約2週間後。僕が思い描いた理想の財布のサンプルが、製作を担ってくれるモノグッズの甲斐さんから送られてきた! 早いぞモノグッズ! スゴいぞモノグッズ! さっそく、ワクワクしながら荷物を開けて手に取ってみた。

■これが“モノづくり”の醍醐味か!

アタマのなかで想像していたものがカタチになる。さんざん、さまざまなモノを紹介してきたのに、考えてみればここまでイチから関わってるモノって実は初めてかも…。

そんな感慨にふけながらファスナーを開けてみた。おぉファスナーの滑り、すごくイイ! おそらく1日に1回は開け閉めするであろう財布だからこそ、開閉のスムーズさは重要だ。引っ掛かるなんて言語道断。いいじゃないですか! と思ったのも束の間…。

あれっ? なんだこれ? 実は今回の財布、L字になったファスナーを開けると、中央に小銭を入れられるポケットが現れる、はずなのだが…。たしかにそれらしき部分はあるが、なぜか根元近くで縫い合わされている。いやたしかに小銭は入れられるけど、取り出すの大変そうなんですが…。

 

■素材は男子の大好物“ミルスペック”で!

モノグッズ甲斐さんに、荷物が届いたことを電話。そのついでに伝えみてた。あのーこれ、小銭取り出しづらいかなーと…。

「こちら側から出した仕様にはなかったんですが、マチ有りのコインウォレットの場合、折りたたまれる部分の隅っこに小銭が挟まってしまう可能性もあるので『何か挟まらないような提案があれば盛り込んでもらえないか』とデザイナーには伝えてたんですよ。で、出てきたモノがこれなんです」

デザイナーさんによると、“完全に挟まらないようにするなら、縫い合わせてシンプルなポケット状にし、小銭を取り出す時は財布を傾ければいいんじゃないか” ということらしい。たしかにそれもアリではある、が…。

▲デザインスケッチ

「まぁ、一長一短あると思いますが、私としも元々考えていたマチ有りのものの方が良いのかなぁと思ってます。とはいえ、まずは見た目や素材感、ファスナーの具合などを確認してもらおうと思って、ひとまずお送りした次第なんです。デザイナーにはすぐに、仕様通りのモノを作ってほしいと伝えて、再度サンプルを作成してもらっているところなのでご心配なく。実物を手にしてもらいつつご説明する際に話そうと思っていたんです」

そうだったのか~、納得。ところでこれ、素材いいですね。やっぱりこれで正解だったかも。

▲甲斐さんが普段使っているモノグッズのブリーフケース。実は最初に見かけたときから気になっていた

実は素材は、最初から頑丈なモノを想定していた。思い立った段階ではあまり明確なイメージはなく、普通に考えたら革かなぁ、なんて思っていたのだが、打ち合わせ時に甲斐さんが持っていたバッグで考えが変わったのだ。甲斐さんのバッグはモノグッズのブリーフケース(>> 軍事用でも使われる素材だから丈夫さはピカイチ!)。触らせてもらって、やっぱりバリスティックっていいな!と思ったのだ。

男子の大好物“ミルスペック”なだけあり、とにかく頑丈。ケツポケに入れるということを考えると、頑丈に越したことはない。それを伝えると、

「現在市場でよく使われているコーデュラナイロンは、大まかに2種類あるんですよ」

と素材を見せてくれた。

▲左が1680Dで右が500D

より頑丈なのが“1680D”で、それより薄くて軽いのが“500D”。パッと見でも違いが分かる。少しだけ悩んだのだが、見た目から分かる素材感と存在感、そしてとにかく頑丈だと分かる点から、選んだのが“1680D”だった。

あとね甲斐さん、実はちょっと違和感がありまして…

■違和感の正体

最初のサンプルが届いてから2週間後。ふたつめのサンプルが届いた。

おぉ~、いいじゃないですか! 違和感もないし。実は、最初のサンプルを手に取った時に少し違和感があった。それが何か分からなかったのだが、その違和感の正体はシルエットだったのだ。

ふたつめのサンプルと比べると一目瞭然なのだが、最初のサンプルはなぜかゆるく台形になっていた。甲斐さんいわく、全体のカタチについても、デザイナーからの提案ということで台形になっていたそう。そして二回目のサンプルは、初期段階で想定していた四角いフォルムになったとのこと。

▲左が最初のサンプルで右が二回目のサンプル。並べてみると最初のサンプルは下にいくにつれて広がっていくカタチなのが分かる

極端な台形というわけではないので、単体では違和感程度だったが、比べるとやはり違う。こっちの方がしっくりくる。手に取っても収まりがいい。

中はどうだろうか。さっそく開けてみる。

▲薄い点もポイント高し!

ファスナーは最初のサンプルと同じモノなのでとてもスムーズ。カーブになっている角部分も、引っ掛かることなく曲がっていく。ファスナーの持ち手は、少し大きめのレザーが付けられてて、ノールックでもサッとつまめる。コバの処理もしっかりしているので、手触りもイイ。しっかり仕事していることがよく分かる。こういう小さい部分にこそ品質の違いが現れるものだったりするので、思わず嬉しくなってしまう。

そして内部はというと…

▲小銭入れ部分がガバッと開く

これですよ、これ!

マチがあり、ファスナーを全開にするとガバッと開く小銭入れ。実はこの手のLファスナー型財布の場合、ファスナーの根元部分は閉じられていて、全開にしても小銭入れが開かないモノが多かったりする。その不満を解消する方法として採用したのが、このマチだ。ファスナーの根元部分を閉じず、かつ開閉するマチを取り付けることで、奥に入った小銭は取り出しやすく、そしてどれだけ入っているかもすぐに分かる。

▲ファスナーを閉じるとマチは内側に折り込まれる

しかも内側には、コシがあって柔らかめの質感を持つ水牛の仔牛のレザーを使用している点もポイントだ。 コインケース部分に弾力を持たせることで、小銭が隅に挟まりにくく、かつ取り出しやすいようにしている。そして手触りが良く、中に入れたお札やカードをやさしく守ってくれる。

これいい! すごくいい!

■なんと“&GPプロデュース”ということに…

喜び勇んで甲斐さんに電話。

「いや~、よかったです。さすがに私も、小銭入れ部分が縫い付けられているのを見た時は、思わず『んあ!』となってしまいましたから(笑)」

寝ぼけ眼で思い立ってから約2カ月。アタマの中にあったものが実在するモノになってしまった。

▲男性なら片手でしっかり持てるサイズ感がイイ

ここで意を決して、最初のサンプルが届いた頃からなんとなく考えていたことを口にした。

あの~、これ、製品にするとかってどうですか? 厚かましいかもしれませんが“&GPプロデュース”ってカタチで…

「おー、いいじゃないですか! せっかくここまでやったんだから、ぜひやりましょう!」

おぉ、マジか! モノメディアに携わってきてかなり経つが、まさか自分がモノづくりをすることになるとは。いやはやありがたやありがたや。

「まぁちょっと考えてはいたんですけどね(笑)。さすがにここまでやったらね。ではさっそく工場に発注しましょうか」

早っ! 話早すぎ! でも楽しいぞ(笑)。ところで工場ってどこなんですか?

「中国ですね」

やっぱり中国か! 昔は、中国製は…、なんて言われたりしたこともあるけど、いまや中国は世界の工場。しかも工場によっては、クオリティはかなり高いと聞く。いったいどんなところで作っているんだろうか。気になるぞ!

あのー、その工場って見学できたりしますか?

「いいですよ。じゃあ行きますか」

モノグッズさん、話早いわ!

※第3回 中国工場見学編は8月掲載です

 

(取材・文/&GP編集部 円道秀和 写真/松山勇樹)

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