[Gear Maniax #094] 一般販売不可!レーザーレベルの光を放つ驚異のフラッシュライト
&GP / 2018年9月8日 21時0分
[Gear Maniax #094] 一般販売不可!レーザーレベルの光を放つ驚異のフラッシュライト
尖ったアイテムを発売するACEBEAMから、再びとんでもないアイテムが発売になりました。ACEBEAM「W10」です。
ぱっと見の外観は、何の変哲も無いライトに見えます。しかし、おそらく、写真の印象よりもマッシブです。違和感の理由は、ボディの太さでしょうか。一般的な1インチよりも太いボディになっています。
これは、ACEBEAMが積極的に採用している21700電池(上写真左)を搭載しているため。直径、全長ともに18650電池(上写真右)よりも数ミリ大きいだけですが、容量はおよそ1.5倍。重量・エネルギー比、体積:エネルギー比に優れたバッテリーです。バッテリースペーサーを使用して18650電池も使用可能です。
現在リチウムイオン電池の入手が非常に困難になっていますので、なんとか流通経路を確保している18650バッテリーが使えることは非常にありがたく感じます。
ボディ表面の仕上がりはさすがACEBEAMといったところ。実際の性能は使用してみるまでわからないものですが、非常に硬質で均質。モデルごとの差もありますが、ACEBEAMの仕上がりは中国系メーカーの中でも非常に良好です。
ヘッドのベゼルはリバーシブル。いわゆるストライクベゼルですが、不要な場合は後方に向けておくことができます(上写真左)。個人的にはノーマルの、凹凸の控えめなベゼルリングも欲しかった気もしますが…。
ただ、この大げさなストライクベゼルには別の意味もあります。今回、ACEBEAMは新しい光学系を採用しています。この新型の光学系がコストを押し上げています。そして代替部品は簡単には手に入りません。ガラス面を保護するための張り出しという解釈は妥当かと思います。
▲古い時代のフラッシュライトのような凸レンズ。普通であれば、LEDの蛍光体がレンズ内いっぱいに写ることが多いが、LEDの存在感は希薄
「W10」は、光源にLEDではなく、LEPと呼ばれる新型エミッタを採用。LEDと比較すると直進性が強く、前方に集約された光を放ちます。
LEPはレーザー励起蛍光体。LEDは発光ダイオードの光で光らせていた蛍光体を、青色レーザーで光らせます(励起)。このためにより強力で直進性の高い光を投射できます。レーザーLEDという呼ばれ方をすることもあります。BMWが将来ヘッドライトへの採用を考慮しているということで、少し前に技術情報が話題になったりもしました。
▲こちらが配光!すごい!
と言っても、なんのことかわかりませんね(笑)。この写真は通常1000ルーメンクラスを撮る設定で撮影したものです。なので同じ設定で比較した方がわかりやすいかな。
40mm口径のよくある1000ルーメンクラス、中でも中心光の強いXP-L HIを使用したモデルです(以下、数字はメーカー公称値)。
外形40mmのヘッドにXP-L HIを搭載したライトは、持ち歩けるサイズとしては実に高い遠射性を誇ります。ちょっとしたひらけた場所でも全く問題がないほどですが、しかしそれをやすやすと上回る集光性です。
新型エミッタと専用光学系が吐き出す光は実に独特。10m先までレーザーのような光が一直線に飛びます。広がりは感じません。周辺光もほぼありません。過去にもレンズ式のライトで類似の照射をするものもなくは無いですが、その集光度ははるかに上回っています。メーカー公称の飛距離は1000m。1kmです。
通常、フラッシュライトの照射距離を出すには、リフレクタ(またはレンズを含めた光学系)のサイズが重要になってきます。当店アカリセンターにある1km超えのライトは、いずれもヘッド直径80~90mmクラスの大型ライトばかり。SUREFIRE「6PX」ほどのサイズとなる、わずか直径32mmのヘッドからこれほどの飛距離を出せる機種は他にありません。
スモークの中でもこれまで見たことがない光を描きます。何という貫通性の高さ! 消防の方などはピンで飛ぶライトを希望されることが多いのですが、これまではなかなかご案内できるライトは多くありませんでした。「W10」ならかなり要望を満たせるのではと思います。
画像のように、周辺光が存在するタイプのライトはスモークの反射光により瞳孔が閉じてしまい、奥を見通しにくくなります。「W10」のような配光であれば、濃いめのスモークでも奥にあるものを視認しやすくなります。
LEDLENSERのズームモードなどもスモークの中では有効ですが、距離に応じて広がります。しかし「W10」の照射は一直線に感じます。レーザービームに類似した光。
大真面目に申し上げますが、自分の目はもちろん、人の目に当ててもいけません。レーザー同様の取り扱いを心がけてください。
周辺光がほとんど発生しないことは、近距離で撮影してみてもわかります。周囲が明るい状況で、これほど中心光が明るく写るライトはまれです。
ハンティング用の赤色と緑色のフィルターが付属しますが、日本ではそこまで有用だとは感じません。カラーフィルターは一般的に透過率も低いため、せっかくの刺すような照射もフィルター装着後は見劣りして感じられます。
操作はシンプルに、テールスイッチによるON-OFFのみ。シンプルで良いですね。これほど狭角な照射では用途も限られます。遠距離専用と思えば妥当な仕様です。
繰り返しますが、このサイズで1kmの照射距離は凄まじい性能です。公称1kmを出そうと思えば、1kg近い重量を持ち歩き、しかもそれはターボが効いている数分未満に限られました。「W10」は連続点灯させていても、危険なほど加熱することはありません。お値段は高額ではありますが、一部の大型機を駆逐する可能性があるライトです。
これまでになかった、コンパクトサイズのスーパーロングスロワー。魅力的・欲しいという気持ちは十分にわかりますが、現在、LEPは日本ではレーザーとして分類されます。レーザーとしてのクラスは3Bで、一般の方には販売できません。高い集光性を誇る魅力的なライトですが、個人の方への販売はできません。あくまでも業務使用、法人の方へ限られます。
>> 連載[Gear Maniax]
(文・写真/アカリセンター・HATTA)
通販サイト・アカリセンターで懐中電灯の専門販売員をしておりますHATTAと申します。世界中の懐中電灯やギア物をお客様に紹介しております。ブログも絶賛更新中!
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