中国・深セン&広州製造工場潜入レポート ー「小さい財布」製作日記③ 前編
&GP / 2018年9月8日 22時0分
中国・深セン&広州製造工場潜入レポート ー「小さい財布」製作日記③ 前編
今年5月、ふとした思いつきから始まった「小さい財布」製作プロジェクト。モノグッズと出会ったことでトントン拍子に話が進み、あっという間にサンプルまで完成してしまった(>> 理想の財布のサンプルが完成! ―「小さい財布」製作日記②)。
7月のサンプル完成時には<&GPプロデュースによるモノグッズとのコラボ財布>というカタチで話はまとまり、いよいよ製造段階へと突入。
舞台は中国。今の時代、Made in China を使わずに暮らすことは難しい。日々多くの製品を生み出し、世界中に送り出している国だ。&GPプロデュース財布もやはり中国での生産となる。
モノ情報を扱うメディアとしては、やはりその製造現場は見てみたい。そこで、これまでいろいろ無茶を聞いてくれたモノグッズ甲斐さんに「工場で作っているところって見させてもらえないですかねぇ」なんてしれっと聞いてみたところ、「いいですね、行きましょう。我々も一度確認しておきたいですし」と二つ返事でOKが出たのだった。
■直行便で一気に深センへ!
8月に組まれた工場見学ツアー。まずは深セン入りして一泊。そこから広州にある工場に向かうスケジュールとなった。実は深センは初めて。中国のシリコンバレーと呼ばれる街には、以前から興味があったから楽しみだ。
首都圏から深センへは、成田空港から1日1便だけ深セン航空の直行便が出ている。成田は19:30発だ。
約4時間半のフライトで、深センに到着したのは日付が変わる直前。ちなみに日本との時差は1時間。
▲深センはあいにくの雨模様
入国審査などを経て、中国に入国する頃にはすでに日付は変わっていた。すぐにタクシー乗り場に向かうが、そこは人人人…、人であふれていた。深夜0時を回っているというのに、とんでもない数だ。
空港まで迎えに来てくれた、今回の工場見学で案内役をしてくれるモノグッズ現地スタッフによると、これはいつもの光景らしい。あいにくの雨模様からくる湿気と、深夜でも30℃を超える気温もあいまって、熱気がものすごい。喧騒と熱気に思わず圧倒される。
かなり時間が掛かるだろうと覚悟していたが、10分程度でタクシーに乗車。そして空港から30分ほどで、ホテル着。
空港の一幕だけでも、深センという街が持つパワーに気圧された気分だ。スタートアップ企業が集まり、ファーウェイやZTE、dji、テンセントなどグローバルに活躍する企業が本拠を構えるこの街に圧倒されつつ、この日は就寝。
■キャッシュレスタウン、深セン
翌日は、少し早めにホテルを出発し、中国の秋葉原的存在である“華橋北”に寄ってもらった。といっても秋葉原とは規模が大違い! なんだここ!の連続だ。
▲華橋北の一角
朝8時の華橋北はまだ店が開いておらず、働く人たちの通勤時間帯だった。近代的な建物が並び、その一棟一棟が同ジャンルのものを扱う店だけで成り立っているという。
▲この建物ではLED関連製品のみを扱う。他にもスマホのみを扱う建物、防犯カメラのみを扱う建物など、電化製品のあらゆるジャンルが揃う
▲さすがはdjiのお膝元と言うべきか、ドローンもよく見かけた
見た目は最新のビルだが、中はまさに中国の“市場”の様相。そして最新ビルの下には、働く人たちのための、まるで屋台のような飲食店がそこかしこで開店している。
▲中国の朝ごはんの定番「腸粉」。ビル前にテーブルを並べただけの場所に出店していた。ちなみにひとつ6元(約65円/2018年8月時)
▲支払いはスマホを使う。微信支付(WeChat Pay)と支付宝(Alipay)が利用可だった。ちなみに腸粉は美味!
実は深センは、かなり進んだキャッシュレス社会になっている。その中心となっているのが、微信支付(WeChat Pay)だ。日本でいうLINEのようなサービスである、チャットアプリ「微信(WeChat)」にクレジットカードや銀行口座を登録し、QRコードを使って決済する。例えば上写真の屋台だと、メニューが6元の腸粉しかないので、6元のQRコードをテーブルに貼り付けている。客は自分のスマホに入れてある微信アプリからカメラを使ってQRコードを読み取り、支払いを行う。これなら屋台のような通信環境がない場所でも決済可能だ。
逆にコンビニでは、支払い時に自分のスマホにQRコードを表示させ、店側のバーコードリーダーで読み取ってもらう。これで支払いができる。
▲この店でも支払いはスマホで
どんな店に行こうが、タクシーや配車サービスの滴滴出行(ディディ)といったサービス利用時だろうが、ほぼ微信支付があればOK。これなら、スマホさえ持っていればすべてが済ませられそう。街なかに誰でも使えるコンセントが多数あり、街行く人々がモバイルバッテリーを持っているのも納得だ。だってスマホがなければ、何もできさそうだから。
▲そこら中にある放置自転車のほとんどがシェアサイクル。たくさんあったサービスも、今はほぼmobikeとofoのふたつに収斂した模様。これらの利用にも微信支付を使う。ちなみに、どこで乗り捨てても、乗り捨てられている自転車を使ってもOK。各自転車にはGPSが内蔵されていて、常に街を回っている回収用トラックが、積んで持っていく
■海の上の高速道路で一路広州へ!
華橋北の見学のあとは、いよいよ広州にある「小さい財布」製造工場へと向かうことに。
▲高速道路で北へ!
▲中国全土から人が集まる深セン。面積はさほど広くないため、建物は上へ上へと伸びる
▲最近完成したという海の上を走る高速道路
▲深センの北には東莞市があり、東莞を抜けると目指す広州だ
高速道路をひた走ること約2時間。広州市の南東にある工場団地らしき場所に到着した。
▲工場団地の入口。同業の工場は同じ地区にかたまって立地しているとのこと
工場団地内に入りすぐのところに、&GP×モノグッズ財布を製造する工場があった。
▲同団地内では中規模の工場
モノグッズ現地スタッフの方が言うに、この工場、結構いい仕事をしてくれるらしい。
「有名デザイナーズブランドのバッグや財布といった小物を手掛けているんですよ」
そんなところで&GPプロデュース財布を作るの!? そりゃ楽しみだ!
中国でモノづくりをする際は、工場選びが重要になってくるという。
「ここは小ロットでも対応してくれるし、品質も高いんです。今回は工場内をいろいろ見学させてくれるそうですよ」
もしかして、もう我々の財布も作っているとか?
「もちろん。もう完成品もあるんじゃないかなぁ」
マジすか! これは楽しみだ!
後編は明日9月9日公開です
[関連製品]
理想の財布のサンプルが完成! ―「小さい財布」製作日記②
(取材・文/&GP編集部 円道秀和)
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