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スマホNo.1のカメラ「Galaxy S6 edge」の実力を試した

&GP / 2015年11月4日 9時23分

誰もがスマホを手にし、写真を撮る。写真が好きな人にとっては違和感がある風景だが、スマートフォンのカメラの性能もあなどれないというが、それは本当だろうか?

そこで今回は“よく写る”と聞く「Galaxy S6 edge」のカメラ機能を実際に試すことにした。

スマートフォン内蔵のカメラ機能ではなく、独立したカメラとして、つまりコンデジとして考えてみたとき、どれくらいの能力を持っているのかを意識しながら使ってみた。

■たしかにこれは美しい。スーパー有機ELのモニター

最初に眼を奪われるのはモニターの美しさ

まず圧倒されるのが5.1インチ、16:9のスーパー有機ELの美しさ。ファインダーを覗く喜びがカメラにしかないものだとしたら、これだけ大きく鮮やかなモニターで画像が見られることは、この機種ならではの特長だろう。

有機ELはバックライトが必要ないためバッテリーが長持ちするメリットだけでなく、色が繊細に再現できる。基本的にはこのモニターで見たとき美しく感じられるよう画質がチューニングされているように思えた。

色が不自然に強調されておらず、細部まできっちり解像されていて、このクラスのカメラにしては意外なほどのボケが得られる。夜景のように暗い条件で光源を入れて撮ると、ハイライトのメリハリがかなり強めになる。

 

ホームボタン二度押しでカメラが起動できるので、とにかく早く撮れるのが最初の驚き。ふつうなら画像や機能が安定するまでのタイムラグがあるのに、一秒もかからず撮影できるためストレスがない。
これだけ早いということは、パソコンでいうところのスタートアップのようにカメラ機能が待機しているのだろう。メモをとるより早い。カメラを動かしても画像の揺れや遅延がなく、簡単に構図を決めてサッと撮れる。ホームボタンを二度押したら構えてシャッターを押すだけ、このリズムはとても気持ち良かった。
デザインの特徴である本体のエッジにより、やや内側を持って構えることになるため、指がフレームに入っていないかには注意が必要。とくにカメラ側(横位置のとき左手になるほう)は雑に持たないようにしたい。手ぶれしやすい夜景などは、右手は手のひらを当てるように握り、左手は上下を挟んでつまむように持ち、両手で内側に押し付けながら親指でシャッターを切るようにすると安定すると思う。

感心したのはプロモード。オートではなく細かく設定できるモードとなっていて、アイコンがレンズの絞りなのもスマートでかっこよい。写真についてある程度の知識がある人だと、カメラ任せのほうがかえって撮りづらいことが多い。「明るさ」ではなく「露出補正」とあって数値が記されているほうがわかりやすいし、ISO感度、ホワイトバランスの設定も細かくできるのがありがたかった。
とくにホワイトバランスは、その場の光に合わせるだけではなく、意図的に違うモードにすることでカラーフィルターとして利用することもできる。
いつでも安定した画像が得られるオートモードと、自分の意図を反映して凝ったことができるプロモードと、上手に使い分けるのが使いこなしのポイント。

過剰とも言えるこだわりに感じるが面白かったのが、測光方式が「中央部重点測光」「分割測光」「スポット測光」の三パターンから選べること。意地悪をしてカメラが苦手そうな被写体を選んで撮っても、補正が必要なケースはほとんどなかった。欲を言えば、スポット測光がもっと極端に狭いエリアを測れるようだと、露出補正を使わずアーティスティックな写真が撮れるようになる。
ホワイトバランスの補正はとてもよくできていて、白熱灯と自然光とふたつの条件でトマトソースのスパゲッティを撮り比べてみたが、不自然な色の偏りがなく、どちらもきれいに再現されていた。

画素数が高いカメラの宿命として、高感度でのノイズが目立つのがふつうだが、画像処理にすぐれているため暗所や夜景の撮影でもディテールを失わない。その恩恵はグレースケール(モノクロ)で撮ったときにもよくわかる。ぜひ試してもらいたい。
手ぶれ補正も強力で、感度を上げることなく夜景も手持ちで撮れる。感度を上げてもノイズは自然に処理されていて、色の濁りもないが、エッジの滑らかさなどには影響が出るので、なるべくなら感度は低めに設定したほうがよい。最低感度のISO100で夜の撮影をすると、1/10秒以下の遅いシャッターが切れるが、手持ちでも全く問題はなかった。

画質まわりの設定を三つまでカスタム登録できるのも便利だった。たとえば毎日ランチを撮ってSNSにアップするというような人がいたら、ホワイトバランスをオート、露出補正を-0.2、カラーを鮮やか、といったふうに登録しておけば、いちいちその度に設定を変える必要がない。理想を言えば、各設定に名前がつけられたらもっと便利に使えると思った。
色に関しても二つのトーンを登録できる。色温度を低く(温かみのある色になる)、彩度とコントラストを高くして、見た目ではなく心の印象に近づけるように作った設定で撮ってみた。

スペックを見て開放F1.9というレンズの明るさと、2560×1440という画素数が、高性能のコンデジなみなのに驚いたが、実写していて感心したことがふたつある。
まず歪曲収差(まっすぐなものが曲がって撮れてしまうこと)がよく補正されていて違和感がなかったこと。もうひとつは画面の周辺まで画像が均質だったこと。無理矢理に引き上げたスペックではなく、画質と扱いやすさとのバランスで作られていて良心的だと感じた。

(文・写真/内田ユキオ)

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