【スバルワークス“STI”試乗】即完売のスポーツセダンWRX RA-Rが、より強靱で気持ち良く!
&GP / 2018年10月15日 19時0分
【スバルワークス“STI”試乗】即完売のスポーツセダンWRX RA-Rが、より強靱で気持ち良く!
自動車メーカー直系のチューナーたちが一堂に会する「ワークスチューニンググループ合同試乗会」。
スバルワークスのSTIは、超スポーツセダン「WRX STI RA-R」にさらに手を加えた「STIパフォーマンスパッケージ装着車」を持ち込みました。
■世界屈指のスポーツセダンにもSTI秘伝の“体幹トレ”を実施!
「フォレスター プレミアム STIパフォーマンスパーツ装着車」の記事でもご紹介しましたが、STIが理想とするチューニングプログラムは、いわばクルマの“体幹トレーニング”。クルマの体幹ともいうべきプラットフォームをアップグレードすることで、走行安定性としなやかなハンドリングを両立。気持ちのいい走りを実現します。
そのカギを握るパーツが「フレキシブルタワーバー」と「フレキシブルロードスティフナー」。
フレキシブルタワーバーは、エンジンルーム内左右のショックアブソーバー取り付け部を結んでボディのゆがみを抑えると同時に、バー中央の“ピロボール”によって、路面からの入力を適度にいなします。これにより、ボディを固めた時に生じる乗り心地の悪化を防いでくれます。
一方のフレキシブルロードスティフナーは、内部に強力なスプリングを備え、車体下部のボディフレームとサスペンションメンバーをつないでテンションをかけ続け、ドライバーがハンドルを切った際のクルマの反応をよりクイックにしてくれます。
フレキシブルタワーバーとフレキシブルロードスティフナーの相乗効果はかなりのもの。ドライバーの思いどおりにクルマが動くことから、あたかも「運転が上手くなったかも!?」と錯覚させてくれるほどです。
そんな、運転が上手くなったと感じさせるパーツが、超スポーツセダンに必要なのか? いや、このモデルだからこそ、装着すべきかも!? そんな思いを抱かせてくれたのが、今回ドライブした「WRX STI RA-R STIパフォーマンスパッケージ装着車」でした。
WRX STI RA-Rというクルマは、スバルが誇る“走り”のフラッグシップ。エンジンは、アウトプット重視のEJ20型こと2リッター水平対向4気筒ターボを搭載。前後のトルク配分を自律的にコントロールできる“DCCD”付きセンターデフを備えたスポーツAWDモデルで、ラリー改め、ニュルブルクリンク24時間耐久レースなどからのフィードバックを、ダイレクト反映した世界屈指のスポーツセダンです。
昨2017年秋には、ノーマル308馬力のエンジンを329馬力までチューンした「S208」がリリースされて話題を呼びましたが、今回のRA-Rは、S208のハイチューンエンジンはそのままに、ボディ各部の軽量化を図って、車重を1510kgから1480kgまでシェイプしたスペシャルバージョン。“STI 30周年記念コンプリートカー”をうたって500台が限定販売され、即日完売したことは記憶に新しいですね。
なので、いまさら(!?)STI発のパーツ類が発表されても、RA-Rの注文に漏れたクルマ好きにとっては指をくわえて見ているしかないわけです。それでも、スバルのトップ・オブ・スポーツがさらにチューンされた姿をあおぐのは、それはそれで…うれしいものですね!
当日、用意されたWRX STI TYPE RA-R STIパフォーマンスパッケージ装着車は「STIスタイルパッケージ」を装備。風洞実験やニュルブルクリンクでの走行試験で実証された「フロントアンダースポイラー」、「サイドアンダースポイラー」、「リヤサイドアンダースポイラー」、「リヤアンダースポイラー」を備え、元々凛々しかった姿が、さらにさり気なくパワーアップ。STIのスタッフの方いわく、ダウンフォースおよび整流効果によって「スタビリティが向上する」といいます。
もちろん、フレキシブルタワーバー、フレキシブルロードスティフナー、そして「フレキシブルサポートサブフレームリヤ」の3点も装着。ただでさえシャキッ! としているシャーシが、さらに強靱でしなやかなフィールとなります。
実際にステアリングホイールを握り、群馬サイクルスポーツセンターの、広いとはいえない道幅の、細かいカーブが続くテストコースを走ってみると、ステアリングを切るたびに「うーん、オレ、運転うまくなったんじゃね!?」と心の中で自画自賛(←バカですね)。
ガッチリしたボディ、路面をしっかり蹴り出す4WDならではのトラクション、それでいて“ヨンク”を意識させない素晴らしい回頭性。スバル「WRX」は、それこそ「インプレッサ」のいちグレードだった頃から、ドライバーのスロットル操作に俊敏に反応する、運転がとびきり楽しいモデルでした。WRX STI RA-Rは、想像を超えたレベルでドライビングプレジャーを昇華させています。さすがに少しばかり“クルマに乗せられている”感はありますが“ニュルでタイムアタックをしている自分”を想像すると、ニヤニヤが止まらないレコードブレイカー…じゃなくて、レコード・アテンプト-レーシング(RA-R)です。
さらに、今回持ち込まれた試乗車には、前出の空力&フレキシブルパーツ群に加え、ますます空力特性をアップさせる「バンパーカナード」、「スカートリップ」、「ドライカーボンリヤウイング」を装着。また、RAY社製のアルミ鍛造ホイール、「ウルトラスエードステアリング」、「ドアハンドルプロテクター」など、コスメティックを兼ねたパーツ類も豊富です。自分ならではのRA-Rに仕上げられるオーナーの人たちが…ウラヤマシイ!
(文&写真/ダン・アオキ)
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