【名車ふたたび】オープンカーヒストリー1/ドイツ編
&GP / 2015年11月8日 9時50分
【名車ふたたび】オープンカーヒストリー1/ドイツ編
コンバーチブル、カブリオレ、ロードスター。呼び名はいろいろあるけれど、やっぱり楽しいオープンカー。その歴史は実はメーカーによってさまざま。東京モーターショーで盛り上がる未来カーの中には、かつての名車を思わせるものもある。そこで過去に紹介したオープンカーの歴史をもう一度振り返ってみたい。第1弾はドイツだ。
メルセデス・ベンツ
Eクラス カブリオレ(1992-1995)
1955年
1.9リッター直4エンジンを搭載した190SLデビュー
1957年
現行SLの原型となる初代300SLが誕生。レーシングカーだった300SLの市販化を求める声に応えクーペは1954年に投入
1961年
当時のフルサイズ4ドアセダン「220S」をベースにしたクーペ/カブリオレを投入
1963年
2代目SLがデビュー
1971年
3代目SLがデビュー。18年間フルモデルチェンジなし
1989年
4代目SLがデビュー
1991年
Eクラス(W124型)をベースにした2ドアオープン登場
通称“ガルウィング”で親しまれる300SLは、レースカーの市販化を求める声に後押しされ、後にロードスターが投入された。以来SLは、時代の最先端テクノロジーを満載し世界最高峰の安全性、快適性、走行性能を常に追い求めている。メルセデス・ベンツの特長は常に4シーターオープンが現行モデルとしてラインアップされている点だ。そういう意味ではオープンカー好きなメーカーかもしれない。
ビー・エム・ダブリュー
Z8(1999-2003)
1930年
BMW最初のオープンスポーツカーは、3/15セダンベースの「3/15 DA-3 Wartburgロードスター」だ。しかし世界大恐慌のあおりをうけて登場翌年には生産中止。150台が生産されたにとどまる
1936年
328ロードスターデビュー。ミッレミリアで大活躍
1956年
503カブリオレ投入
1974年
初代3シリーズカブリオレデビュー
1982年
2代目3シリーズカブリオレ登場
1989年
ドアが開くのではなく“下がる”Z1デビュー
1999年
映画「007シリーズ」に登場したZ8デビュー
BMWの歴代モデルを見渡してみると興味深いのは常にオープンボディのスポーティ/スポーツカーを作っていること。決して高級一辺倒なオープンカーは作っていないのだ。優雅さがバリバリ漂う4座オープンの6シリーズカブリオレでさえも、ドライバーが意のままに操作できる運動性能に驚かされる。絶対スピードうんぬんではない、優れた操縦性がいつの時代も備わっている。
ポルシェ
911スピードスター(1993)
1948年
356が誕生。年々進化を遂げながら、1965年まで合計約8万台弱が生産された
1967年
初代911(元々は“901”だったが、プジョーの商標関連で911へ変更)で天井部分が脱着できるタルガが初お目見え。実はアメリカでコンバーチブルが禁止されることを懸念して投入された
1983年
911(SC型)にようやくカブリオレがデビュー
1993年
911(964型)にスピードスター登場
1996年
初代ボクスターデビュー
2012年
3代目ボクスターデビュー
ポルシェ911はRR(リアエンジン&後輪駆動)にこだわり続け、上手に進化している。ノーマルモデルにおけるスパルタンさは1990年代初頭のティプトロニック導入の頃から徐々に和らぎはじめ、気づけば高級感もたっぷりになっている。しかし、絶対的な速さを求める消費者向けに別途スパルタンモデルを用意する用意周到ぶりは、まさにポートフォーリオ理論の実践。これはボクスターにも当てはまる。
アウディ
80カブリオレ(1991-2000)
1991年
統廃合を繰り返した長い歴史を持つが、第二次世界大戦後「アウディ」ブランドとして最初のオープンカーは「カブリオレ」になる。ベースとなっていたのは80/90で、2000年まで生産された
1999年
初代TTロードスターデビュー
2001年
初代A4カブリオレデビュー
2006年
2代目TTロードスターデビュー
2008年
2代目A3にカブリオレがラインアップされた
2009年
初代A5にカブリオレ追加
2011年
初代R8にオープンモデルであるスパイダー追加
アウディは“ちょっとプレミアム”という位置付けで成長してきたが、20世紀後半にプレミアム路線に進路を変えた。それまでほとんどオープンモデルをラインアップしていなかったが、2000年を境に相次いで投入。しかも単にオープンカーを追加するのではなく、スポーティさと高級感を両立させている。マッチョで繊細、中性的な路線はユニークだ。
フォルクスワーゲン
クラシックビートル(1949-1980)
1949年
初代ビートルにカブリオレが投入される。カルマン社が1年前に実車を購入、カブリオレを製作しVW社にプレゼン。結果、1980年までカルマン社によって作り続けられた
1957年
カルマン・ギアにカブリオレが投入
1968年
西ドイツ軍向けに開発されたものが市販。ヨーロッパ版“ジープ”、タイプ181が登場
1979年
初代ゴルフカブリオレデビュー
2006年
リトラクタブルハードトップをもつ初代Eosデビュー
2013年
ザ・ビートルにコンバーチブルモデル追加
かつてベーシックカーだったゴルフは、いつしかプレミアムコンパクトカーになった。新生ビートル2代目となるザ・ビートルも、キュートさのなかにキッチリカッチリした精緻な雰囲気がある。オープンカーの展開はまだまだ少ないが、昨今の1モデルに複数のグレード展開で消費者に松竹梅の選択肢を与えている戦略からは、今後VWのオープンカーが増える予感がしてならない。
(文/&GP編集部)
【関連記事】
●オープンカーヒストリー2 フランス・スウェーデン編
●オープンカーヒストリー3 イタリア編
●オープンカーヒストリー4 イギリス編
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