【名車ふたたび】オープンカーヒストリー2 フランス・ スウェーデン編
&GP / 2015年11月8日 9時50分
【名車ふたたび】オープンカーヒストリー2 フランス・ スウェーデン編
コンバーチブル、カブリオレ、ロードスター。呼び名はいろいろあるけれど、やっぱり楽しいオープンカー。その歴史は実はメーカーによってさまざま。東京モーターショーで盛り上がる未来カーの中には、かつての名車を思わせるものもある。そこで過去に紹介したオープンカーの歴史をもう一度振り返ってみたい。第2弾はフランス、スウェーデン。
ルノー
スポールスピダー(1997)
1931年
4ドアセダンファミリーカーである「プリマカトル」をベースにしたカブリオレが登場
1946年
4CVコンバーチブルデビュー
1970年
オールマイティに遊べるオープンカー「ロデオ4」誕生
1995年
初代メガーヌカブリオレがデビュー。コーチビルダーはカルマン社
1997年
ルノースポールが手掛けた公道仕様可能なワンメークレース車両という位置付けで「スポールスピダー」デビュー
2002年
2代目メガーヌカブリオレが電動グラスルーフ付きで登場
スペシャルなモデルも、普通のモデルでも、オープンモデルの投入を怠らないのがルノー。パリ市内では“どこでオープンエアを楽しむの?”と思う反面、フランスには豊かな自然と南仏という世界有数のシーサイドビューがある。もちろん、世界市場でのオープンカー需要を見越してのことだろうが、“南仏で走らせる”という光景を意識したクルマ作りをしているように感じられてならない。
205CTI(1986)
1934年
パリオートサロンで、世界初の電動格納式ハードトップ車、401エクリプスを公開
1956年
前年登場した403に、刑事コロンボの愛車としても知られるカブリオレが追加
1961年
ピニンファリーナデザインの404に2ドアカブリオレモデルが登場
1969年
前年発表された最上級モデル504にカブリオレが追加
1986年
爆発的なヒットとなった205にカブリオレモデル205CTIが追加
1993年
ハッチバックからスタートした306にカブリオレが追加
2001年
WRCでも活躍した206にカブリオレモデル206CCが追加。CCはクーペ・カブリオレの略で電動格納式ハードトップを装備していることを指す。このモデル以降、プジョーのオープンカーはCCが主流になる
プジョーのオープンといえば、モデル名にCCが付く電動格納式のハードトップオープンのイメージが強いが、実は世界初として1934年に登場して以降、2001年の206CCまでCC=クーペ・カブリオレは作られていなかった。ではその間、オープンモデルがなかったというと、そうではない。常にいつも時代もプジョーはカブリオレを作り続けていた。1955年から40年間デザインに携わった名工ピニンファリーナが生み出す、美しく流麗なボディラインにも、美しさを損なわないカブリオレがラインナップに加えられていたのだ。206CC登場時、CCは“Coupé Cabriolet”の略であると同時に“Coup de Coeur(ハートにひと目惚れ)”という意味も込められていたという。プジョーのオープンカーは、その美しさで見る者を魅了するモデルとして、これからも作り続けられるのだろう。
シトロエン
C3プルリエル(2005-2010)
1934年
トラクシオン15カブリオレデビュー。モノコックボディとフロントエンジン搭載&前輪駆動は珍しかった
1948年
2CVデビュー。巻き上げ式のキャンバス幌を備えオープンエアの醍醐味が味わえる“ランドレー”タイプも用意された
1958年
シトロエンディーラー向けにシャプロンが手掛けた「DSカブリオレ」を投入
1968年
多目的車であるオープンボディの「メアリ」誕生。軍用からレジャー、用途は多岐にわたり1987年まで製造された
2003年
C3プルリエル誕生。キャンバストップが特徴
シトロエン歴代のラインナップからは、車体の骨格を大事にしながら屋根だけがスライドして開く方式を重んじていることが伝わってくる。それが“シトロエン流”なのかもしれない。デザインがアヴァンギャルドなだけではなく、いつの時代も周囲に驚きを与える技術や発想。今はちょっと“大人しく”感じられるのも事実だ。とはいえ、シトロエンほど唯我独尊を貫くメーカーも少ないので今後にも期待したい!
ボルボ
C70(1997-2005)
1927年
ボルボ初の乗用車としてデビューしたのは、オープンボディを持つÖV 4
1956年
ファイバーグラス製ボディをもつ、P1900がデビュー。1957年までに68台しか生産されなかった
1997年
初代C70コンバーチブルがデビュー。この頃からボルボは角ばったデザインとなった。初代はクーペとコンバーチブルの2モデルラインアップされていたが、2代目から電動メタルトップルーフを採用したことで単一モデルに
ボルボの歴史をひも解いてみれば、オープンカーの製造に積極的なメーカーではなかったことは一目瞭然だ。北欧の長い冬を考えれば、当然の決断のようにも感じる。約40年ぶりにC70でコンバーチブルを投入したことは、スウェーデン以外の輸出マーケットでの高級オープンカー需要を狙ってのことだろう。その目論見はまんまとあたり、高級オープンカーで差別化を求める層からの支持を獲得した。
サーブ
900カブリオレ(1993-1998)
1956年
ソネットI、ストックホルムモーターショーにてデビュー。グラスファイバー製軽量オープンボディは話題を呼んだが、量産化は見送られた
1986年
900コンバーチブルデビュー。長年、オープンモデルを作ってこなかったサーブだが、サーブ・スカニア・アメリカの当時の社長が、オープンモデル投入による販売増を力説して実現した
1998年
初代9-3カブリオレがデビュー
2003年
2代目9-3カブリオレがデビュー。GM傘下だった頃の開発で、オペルベクトラ、シボレーマリブなどとプラットホームを共有
サーブもボルボ同様、オープンモデルの投入には積極的ではなかった。しかし、サーブ・スカニア・アメリカの社長がオープンカー需要を感じ取り、本社を説得。日本でも流行ったように、人とは違う輸入オープンカーに乗りたいという層にヒットした。2代目9-3カブリオレの開発はGMのプラットホームを使っているものの、サーブならではの味付け、独特なインテリア空間で“らしさ”を演出した。
(文/&GP編集部)
【関連記事】
●オープンカーヒストリー1 ドイツ編
●オープンカーヒストリー3 イタリア編
●オープンカーヒストリー4 イギリス編
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