【名車ふたたび】オープンカーヒストリー3 イタリア編
&GP / 2015年11月8日 9時51分
【名車ふたたび】オープンカーヒストリー3 イタリア編
コンバーチブル、カブリオレ、ロードスター。呼び名はいろいろあるけれど、やっぱり楽しいオープンカー。その歴史は実はメーカーによってさまざま。東京モーターショーで盛り上がる未来カーの中には、かつての名車を思わせるものもある。そこで過去に紹介したオープンカーの歴史をもう一度振り返ってみたい。第3弾はスーパーカー大国、イタリア。
アルファロメオ
スパイダー(1966-1993)
1922年
第一次世界大戦後、アルファロメオ初のスポーツモデルであり、オープンモデルである「RL」がデビュー
1952年
「1900Cカブリオレ」デビュー。当時の社長は独立系カロッツェリアの存続を心配し、複数のコーチビルダーにボディを発注
1966年
初代「アルファスパイダー」デビュー
1992年
「SZ」(スプリントザガート)ベースの「RZ」(ロードスターザガート)が登場。ボディパネルは前バンパーとトランク以外は別モノ
1995年
クーペモデルである「GTV」ベースのスパイダーが誕生
2006年
クーペモデルである「ブレラ」ベースのスパイダーが誕生
いつの時代もオープンカーを大切にしているアルファロメオ。スポーツカーであることはもちろん、ドライバーをカッコ良く見せることへのこだわりはほかのメーカーよりも一歩先を進んでいる。クルマに乗りながら風を肌で感じ、官能的なエキゾースト音を乗員にたっぷり聞かせて…、という演出はイタリアン・ファッションに相通じるものがある。4Cロードスターの登場も楽しみだ。
フィアット
バルケッタ(1995-2005)
1919年
第一次世界大戦後、最初に登場したのが「501」。4ドアセダン、2ドアと4ドアのカブリオレがラインナップされていた
1959年
セダン、クーペ、カブリオレで展開した「1200」デビュー
1966年
「124スポーツスパイダー」デビュー。エンジン展開を変えながら1985年まで作り続けられた
1966年
「ディーノスパイダー」がデビュー
1972年
クルマの天井部分が着脱可能なタルガボディの「X1/9」登場
1995年
「バルケッタ」デビュー
2009年
フィアット500ベースのカブリオモデル、「500C」デビュー
かつてフィアットには多くののオープンモデルが存在した。というのも多数のラインアップから部品を寄せ集め、オープンカーを作り上げることが得意だったからだ。しかし昨今、オープンモデルは減っている。商品展開はもっと慎重に、フィアットの歴史とブランドを大切にしながら……、というスタンスが感じ取れる。その意味では、プレミアムブランドへの転換を図ろうとしているのかもしれない。
フェラーリ
550バルケッタ(2001)
1951年
「212インター」デビュー。複数のコーチビルダーがボディを手掛けたが、ピニンファリーナが初めて参画
1957年
「250GTカブリオレピニンファリーナ・シリーズ1」登場
1968年
「365GTS/4」、通称“デイトナ”スパイダーデビュー
1972年
「246GTS」、通称“ディノ”のタルガモデル登場
1983年
4人乗りオープンの「モンディアルQVカブリオレ」デビュー
1993年
「348スパイダー」デビュー。久しぶりのスパイダーモデル
2001年
「550バルケッタ」デビュー
2011年
「458スパイダー」デビュー。初の電動メタルルーフ採用
いわゆる12気筒ではない現代の“ピッコロ”フェラーリでは常にタルガボディとスパイダーボディを用意してきた。ボディ剛性うんぬんではなく、オープンエアを楽しみたいというユーザーの声を反映していたのだろう。458スパイダーは1台でクーペとスパイダーを味わえるちょっと欲張りな雰囲気。そういう意味では簡易的な幌のみの設定という、F50や550バルケッタのスパルタンさが懐かしい。
ランボルギーニ
ガヤルドスパイダー(2005-2013)
1968年
「ミウラロードスター」(実はタルガトップ)、ブリュッセルモーターショー用にワンオフでベルトーネが製作
1976年
「シルエットP300」はタルガボディのみでデビュー
1995年
「ディアブロVTロードスター」デビュー。電動格納式カーボンファイバー製ルーフをもつ
2004年
「ムルシエラゴロードスター」デビュー。時速160㎞/h以上で幌を使わないよう警告されていた
2005年
「ガヤルドスパイダー」デビュー
2009年
「レヴェントンロードスター」誕生。限定15台
エンジンが物理的に大きいからか、12気筒モデルでは未だに屋根が完全に開く“スパイダーボディ”は実現されていない。その点、新生ランボルギーニとしてゼロから開発が進められたV10モデルのガヤルドシリーズは、幌がコンパクトにボディに収まるよう、最初から考えられていたのだろう。ウラカンが登場して間もないが、ウラカンのスパイダーもラインアップに加わる日はそう遠くないはず。
マセラティ
スパイダー(2002-2007)
1960年
「3500GTスパイダー」デビュー。ボディはカロッツェリア・ヴィニャーレが手掛けた
1969年
初代「ギブリスパイダー」がデビュー。生産台数は125台
1984年
ビトゥルボベースのスパイダーがデビュー。ザガートが30年ぶりにマセラティ車を手掛けたことで話題になった
2001年
フェラーリ傘下となり最初のオープンカー、「スパイダー」がデビュー
2010年
グランツーリスモベースのオープンモデル、「グランカブリオ」を投入
輝かしいレース戦績でスーパーカーメーカーとしての名声を築き上げたが、経営状態は波乱万丈な道のりを歩んできたマセラティ。市販車の品質管理もマチマチで悪しきイメージすらついてしまった。しかし、いつの時代もオープン/クーペモデルともにセクシーさを重んじているのも事実。現在、フェラーリ傘下となってからは品質管理も向上し、スーパーカーブランドとしての輝きを取り戻した。
(文/&GP編集部)
【関連記事】
●オープンカーヒストリー1 ドイツ編
●オープンカーヒストリー2 フランス・スウェーデン編
●オープンカーヒストリー4 イギリス編
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