ほんとに出ちゃった“アキラ”風LMW【GP FRONTLINE】
&GP / 2018年10月11日 19時0分
ほんとに出ちゃった“アキラ”風LMW【GP FRONTLINE】
昨年の東京モーターショーでひと際注目を集めていたのが、近未来的なフォルムのヤマハ「NIKEN」だった。フロントにふたつのタイヤを備え、それをふたつの“剣”に例えたことからその名が付いたのだが、この手の参考出展は、ほぼ市販されない。しかしヤマハはほとんどそのまま発売したから驚きだ。
■せめても“ほぼ”転ばない
YAMAHA
「NIKEN ナイケン」(178万2000円)
専用開発の15インチタイヤをフロント2輪に履き、スポーツバイクに匹敵する45度のバンク角と、高速での優れた直進安定性を実現。左右輪が独立して動き、路面からの衝撃もスムーズに吸収する。横風にもめっぽう強い。
▲2017年東京モーターショー出展時
●全長×全幅×全高:2150×885×1250mm
●シート高:820mm
●車両重量:263kg
●エンジン種類:水冷4ストロークDOHC 直列3気筒
●総排気量:845cc
●最高出力:116ps/10000rpm
●最大トルク:8.9kgf・m/8500rpm
●タイヤサイズ:120/70 R15(F)、190/55 R17(R)
●燃費:26.2km/L(定地燃費値)※2名乗車時
▼車体を深く寝かせられる新機構
ヤジロベーのように動く並行リンクをオフセットし、旋回時に発生する前2輪の僅かなズレを防止した“LMWアッカーマン・ジオメトリ”を新採用。ハンドル軸も後退させている。
▼両腕が路面をしっかりグリップ
モビルアーマーの両腕のような前2輪は、エンジンパワーを確実に伝えるよう地面を掴むイメージをデザイナ ーが表現したもの。くびれはヒップで操作することを印象付けている。
▼もはや反則技!?雨でも不安なくヒザが擦れる!!
普通のバイクなら車体を深く寝かせられないようなウェット路面で試乗したが、前2輪の接地感がしっかりあり、ヒザを擦るほどバンクさせても不安を感じなかった。ハードに攻めても疲れにくく、そのゆとりが安全性にも繋がりそう。
■前2輪で安全性も向上
「NIKEN」の最大の特徴は、バイクのように車体を傾けて曲がるLMW(リーニング・マルチ・ホイール)機構を採用していること。ヤマハはすでに排気量125ccや155ccのスクーター「トリシティ」で、その旋回力を実証済みだが、今度は845ccもの大排気量エンジンを積むスポーツモデルに飛躍させ、スムーズに旋回させる新技術も投入。より深いバンク角を実現している。
前2輪の利点は、グリップ力が上がること。もし片輪が滑っても、一方のタイヤがグリップしていれば転倒のリスクを回避できる。急ブレーキ、コーナリング、雨天時などに、従来のバイクで感じがちだった「フロントが滑るかも」という不安が解消され、走行時の疲労感も大幅に低減。安全性が大幅に向上し、安心感も高まった。
クローズドコースで実際に乗ってみると、大胆なまでに車体を深く寝かせられ、レーシングライダーのようにヒザを擦って走るのもたやすい。ハンドリングは重いと予想していたが、いい意味で裏切られ、荷重を意識すれば車体の向きは自然と、そして軽快に変わっていき、技量を問わず安心してスポーツライディングを楽しめる。昔から車体を傾けて曲がることにトコトンこだわるヤマハが、また新しい遊び感覚を味わえるマシンを世に送り出してきた。
本記事の内容はGoodsPress11月号11ページに掲載されています
(取材・文/青木タカオ 写真/中野英幸)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ダウンヒルで光るスポーティさに注目!! ロイヤルエンフィールド「ショットガン650」試乗
バイクのニュース / 2024年9月19日 7時10分
-
自動変速はサーキットでも楽しい!ヤマハの看板車種「MT-09」の3モデルを比較試乗
&GP / 2024年9月8日 7時0分
-
細い!! 軽い!! バンク角42度!? ホンダ「CB250RS」はモダンシングルの純ロードスポーツだった
バイクのニュース / 2024年9月2日 19時40分
-
まるで大きな「ツーリングセロー」!? 新型「ヒマラヤ」にじっくり乗って実感
バイクのニュース / 2024年8月31日 11時10分
-
この三輪にも乗りたい! 三輪バイクは二輪免許でも乗れるのか?
バイクのニュース / 2024年8月31日 9時10分
ランキング
-
1認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 7時0分
-
2コスパが良いと思うエアコンのメーカーランキング! 2位「ダイキン」、1位は?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年9月18日 20時35分
-
3マザー・テレサもスティーブ・ジョブズも実は「サイコパス」って本当…? 人口の1%しかいない“反社会的人格者”の知られざる正体
文春オンライン / 2024年9月20日 6時10分
-
4なぜ「肌の接触」が必要なのか? ハグやマッサージが幸福感をもたらす理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月19日 17時50分
-
5小泉進次郎を称賛し、自民党に投票するのは「レベルが低い」から? 知的エリートが陥りやすいワナ
オールアバウト / 2024年9月19日 21時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください