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レッツノートの"忍耐強さ”はリアルな品質試験の賜物です【ニッポン発の傑作モノ】

&GP / 2018年10月17日 19時30分

レッツノートの"忍耐強さ”はリアルな品質試験の賜物です【ニッポン発の傑作モノ】

レッツノートの"忍耐強さ”はリアルな品質試験の賜物です【ニッポン発の傑作モノ】

ノートPCは、どこにでも気軽に持ち運べる分、落下や衝突といったリスクが常に付きまとう。それでも仕事のために携帯しなければならないビジネスパーソンに向けて、耐久性の高い「レッツノート」を提供しているのが、パナソニックだ。今回、兵庫県神戸市にある同社工場に赴き、剛性を追求する多様な品質検査の詳細を探った。

■レッツノートは“忍耐強く”作られる

パナソニックがこだわるのが“意味のある数字”。例えば、動作時の落下テストの“高さ76cm”という基準は、オフィスで使う多くの机が、高さ約76cmだから。電源ケーブルを足で引っ掛けて落としてしまうことを想定している。こうした試験の数字を明示し始めたのは2005年。100kg級の加圧振動試験をパスした「T4」と「W4」からである。PC業界に大きな衝撃を与え、他も追従することになったほどだ。

▲レッツノートから発せられる電磁波レベルは、分厚い壁で囲まれた自社施設でチェックする。凹凸あるフェライト材の壁面は電磁波の乱反射を抑え、正確な数値を測るためのもの

試験現場を見せてもらうと、落下する際に痛ましい音が響く。相当な衝撃が加わっているにも関わらず、レッツノートは“どこ吹く風”。問題なく作動し続けるから驚きだ。働き方改革やオフィスのフリーアドレス化が世界的に進む現在。ノートPCを持ち運ぶ機会は多く、落下の危険性は増していると言えよう。リアルなトラブルを見越した愚直な品質試験で“忍耐強く”作られているレッツノート。その存在価値は、さらに大きくなっている。

▲HDDの場合は独自開発の衝撃緩衝材を四隅に施している

▲落下の衝撃からメイン基板を守るべく、基板は浮かせた状態でセット

▼液晶ディスプレイの開閉試験ニモマケズ

ヒンジに関する耐久試験では、PCの平均使用年数の約7年を想定。1日当たりの開閉回数を独自に割り出して耐久性試験を実施する。

▼キーボードの打鍵試験ニモマケズ

中心や四隅のキーを、特定回数分、専用の器具を使って押し続ける。想定しているのは、PCの平均使用年数といわれる約7年。

▼360度からの放水試験ニモマケズ

レッツノートととも展開中の「タフブック」は水対策も徹底。IPX5規格に準拠し、約3m離した状態から12.5Lの放水してチェックする。

 

■顧客の仕事を止めないサポート&カスタム対応

工場内に併設するコールセンターではユーザーの困り事に対応。新製品の開発にもフィードバックされる。なお、神戸工場で請け負うカスタマイズはソフトのキッティングや梱包材の有無にまで至る。

 

■信頼性の高さで各方面での導入が進む

剛性の高さが特徴の「タフブック」や「タフパッド」は、米国の警察車両をはじめ、フォークリフトやバイクなど世界中におけるワークシーンで導入が進んでいる。

■14年間連続のシェア1位を獲得するレッツノート現行ラインナップ

▼「レッツノート LVシリーズ」(14.0型 Full HD)

14型液晶を搭載する大画面タイプ。高性能なクアッドコアCPUを搭載し、画像を多用するプレゼンシートの作成なども素早く進められる。実勢価格:22万6800円前後~

▼「レッツノート SVシリーズ」(12.1型 WUXGA)

処理能力と携帯性を高い次元で両立する“持ち運べるメインマシン”。最長約21時間駆動するスタミナ性能も魅力だ(バッテリーパックLの場合)。実勢価格:24万3000円前後~

▼「レッツノート XZシリーズ」(12.0型 QHD)

12型液晶部を取り外してタブレットとして使える“デタッチャブル”モデル。液晶背面にはリアカメラを備え、名刺や資料などの撮影に重宝する。実勢価格:34万1000円前後~

▼「レッツノート RZシリーズ」(10.1型 WUXGA)

10.1型の液晶部をひっくり返せば、タブレットスタイルに早変わり。重量はわずか約750gで、持ち運ぶのが苦にならない(CF-RZ6CDFQRの場合)。実勢価格:22万6000円前後~

 

■高品質なモノづくりを支える最先端の生産体制

1990年、ワープロ工場として稼働した、パナソニックの神戸工場。人とロボットの協業化で基板への実装効率を高めるとともに“KISSシステム”という品質管理で不良品の発生を抑え、顧客に合わせたカスタマイズを行い、体験型実証ショールームで導入のイメージをつかんでもらう…。こうした取り組みが評価され、レッツノートはビジネスモバイルPCの分野で、14年間連続のシェア1位を獲得している。14年間の生産台数は約42万台。ロボットなどを使う一部工程は24時間体制が敷かれていて、神戸工場が眠ることはない。

「それもすべては、お客様の仕事を止めず、生産性を維持してもらうためなんです。レッツノートを愛用頂いていて、特にWeb直販で購入されるお客様にはリピーターも多く、評価頂いている分、品質に対する目は実に厳しいです。そういった方々を含め、コールセンターに寄せられた声は工場全体で共有し、次の製品開発に素早く反映させるようにしています」(清水所長)

▲基板には、1枚ごとにQRバーコードを付与。実装部品の情報もひもづけされる仕組みで、修理の対応などに役立てられている

▲基板に部品を実装する工程では同工場で製造するハンドヘルドを活用。パーツに付与したIDの読み取りや通話などに使われる

▲部品が実装された基板の検査工程などには双腕ロボットを導入。基板を1枚ずつキャッチし、素早く検査機にセットしていく

▲組み立てるPCに合わせて“ライン”が構築されるアッセンブリーの工程。人の手作業が多く、ビス止めなどを丁寧に行う

▲パナソニックでは同社製品の製造に携わるスタッフが参加する、技能競技会を行っている。人材育成に注力していることもあり、神戸工場の受賞者数は多い

 

>> Panasonic「レッツノート」

>> [特集]ニッポン発の傑作モノ

(取材・文/GoodsPress編集部 写真/木村哲也)

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