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iPhone XR先行レビュー: XRならではのメリットはこれ

&GP / 2018年10月23日 19時0分

iPhone XR先行レビュー: XRならではのメリットはこれ

iPhone XR先行レビュー: XRならではのメリットはこれ

「iPhone XR」が10月26日に発売されます。既に販売されているiPhone XS/XS Maxと合わせて、これでようやく3ラインナップが勢揃い。そろそろ新機種の購入を検討しようかな、という人も多いのではないでしょうか。

今回は、発売前のiPhone XRの実機を手にする機会を得ましたので、数日間使ってみた使用感を混ぜつつ、その概要を紹介します。

■サイズはXSよりでかいぞ!

iPhone XRのサイズを確認すると、iPhone XSとiPhone XS Maxのちょうど中間くらいになります。実はXSより画面大きいんです。しかし、手に持った際には、片手操作でも扱いやすい。Xシリーズでは、画面右上を下にスワイプすることで、コントロールセンターを表示しますが、筆者の手ではこの場所にもギリギリ指が届きました。

▲左からiPhone XS(5.8型、幅70.9mm)/XR(6.1型、幅75.7mm)/XS Max(6.5型、幅77.4mm)

上の写真でみると、XRのみベゼルの厚みが少し違うのがわかるでしょうか。幅もちょっとだけ広いので、手に持った印象だとXSにケースをつけたときとそっくり。見た目のスマートさではXS/XS Maxに分があります。

ディスプレイは、XRのみ、液晶を使った「Liquid Retina HDディスプレイ」を採用。XS/XS Maxの有機ELを用いた「Super Retina HDディスプレイ」とは異なります。しかし、目で見た際の解像感や色味、輝度など、大きな違いは感じられませんでした。バッテリー持ちもスペックを見る限りXSよりXRの方が長いです。

▲XRには「設定」の「画面表示と明るさ」に「拡大表示」の項目がある

また、XS Max同様に、拡大表示を選択できるのもXRのメリット。設定から「拡大」表示を選択すれば、設定アプリなどの文字がサイズアップして読みやすくなります。

▲XRで、標準(左)と拡大(右)の違いを比較

さらに、一部のアプリでは横画面表示にも対応。「メモ」や「カレンダー」アプリが良い例です。こうした拡大表示や、一部アプリの横画面表示は、XSでは使えません。これまでPlusシリーズを使っていた人で、こうしたUIに慣れている場合には、XRかXS Maxを選んだ方が良いかもしれませんね。

▲XRで「カレンダー」を横向きに表示した画面

画面に関して、ひとつ注意点を挙げるとするならば、XRは「3D Touch」非対応です。ホーム画面でアプリアイコンをギュッとプレスしても、ウィジェットは表示されません。とはいえ、一部操作については長押しで代用できるようになっているので、必須の操作はちゃんと行えます。そのため3D Touchを数年使っている筆者でも、さほど違和感なく扱えました。

例えば、ロック画面から「フラッシュライト」や「カメラ」のアイコンを長押しすれば、素早く機能を起動できます。また、コントロールセンターで「おやすみモード」のアイコンを長押しすれば、詳細メニューが表示されます。あとは、キーボードで空白キーを押して、カーソル表示に切り替える操作も長押しで対応します。

▲3D Touchの代わりに長押ししたい場所の例。ロック画面(左)、コントロールセンター(中)、キーボードの「空白」キー(右)

ちなみに、チップセットはA12 Bionicを搭載しており、XS/XS Maxと差はありません。筆者もグラフィック処理の重いレースゲームやアクションゲームを試してみましたが、どれも滑らかにサクサク動きました。また、これから普及すると思われるARコンテンツにもしっかり対応します。長期的に運用する前提で選んでも問題なく使えるはずです。

■シングルレンズだけどポートレートが使える

背面カメラの構成は、Xシリーズでは唯一となるシングルレンズ。XS/XS Maxの広角側と同じ、1200万画素・f/1.8のカメラを備えます。また、動きのある被写体でもHDR撮影が行える「スマートHDR」にもしっかり対応。

違いがあるのは、望遠カメラ側を利用する「ズーム」や「ポートレート」の使い勝手です。例えば、ズームをする際に、デュアルカメラが備わっている機種だと片手でUIをスライドしてズームの倍率を変更できます。しかし、XRではピンチアウトするまでズームのスライダが表示されません。

▲ズーム時のUIを比較。XS(上)では、片手で持ったままスライダで操作できるが、XR(下)では最初にピンチアウトしないとスライダが表示されない

また、最大までズームすると下の写真くらいの違いがでます。ただ、ズーム機能が活躍するのって、「料理の写真を撮るときに手の影を含めないで済む」といったシーンが多いので、こだわりが強くなければXRでもさほど困らないでしょう。

▲ズームしたいシーンではXS/XS Maxの方が柔軟に活躍する

一方のポートレート撮影では、XRが望遠カメラを使わないために、撮影モードを切り替えたときにレンズが切り替わらず、画角が変わりません。

これ、何を言ってるかよくわからない人もいると思うので、ざっくり図解してみました。

▲iPhone XS/XS Maxでポートレート撮影をする場合によく起こること

そもそもiPhone XSやXS Maxのように、デュアルカメラを搭載しているモデルでは、撮影画面を「ポートレート」に切り替えると望遠カメラに切り替わります。すると、撮影できる距離が変わるんです。「写真」モードで人物を撮影をしていて、追加で「そうだポートレートモードでも撮っておこう」なんて思うと、ちょっと離れてもう一度構図を作り直さなければいけない、なんて事態がよく起こります。

▲iPhone XRでは、ポートレートモードに切り替えてもレンズが変わらない

これがiPhone XRの場合だと、「ポートレート」に切り替えても広角カメラのままなので、画面の画角が変わらず、そのまま撮影できてラッキーなんてことも…。もちろん、ポートレートが使える距離は決まっているので、「写真」モードで撮影していた距離がポートレートにぴったりでないと、こう都合よくはいかないんですけれどね。むしろ「もっと近づいて」と表示されることもあるでしょうが、それでも「もっと離れて」よりは撮りやすい。

それに、経験則的に「ポートレートも撮っておこうか」なんて思考になるときには、大抵適切な距離で構図を作っていることが多いので、筆者の場合は意外と上の図のような例が当てはまります。人によってはXSよりもXRのポートレートの方が使いやすいと感じるかもしれませんよ。

▲iPhone XRのポートレートで撮影。背景がしっかりボケている

また、広角レンズを用いて撮影するため、望遠レンズでのポートレートよりも僅かに背景を広く含めた構図になります。XSとの写り方を比較すると下のようになりました。撮影位置が違うため、少しの角度のズレがあることはご了承いただきたいですが、それでも結構見え方が違います。

▲それぞれ背景ぼかしを最大にした状態

ちなみにXRで撮影した写真のぼけ味に注目すると、「26mm相当の広角レンズで撮った時にはこんな感じでボケる」というのが上手く再現されています。XSのものと比べると、違いがわかりますね。

最後にふたつだけ注意点があります。ひとつ目は、XRだと人物以外をポートレートモードで撮影できないということ。モノをポートレートで撮影しようとすると「誰も検知されませんでした」とアラートが出てしまいます。このまま撮っても普通の写真にしかなりません。

ふたつ目は「ポートレートライティング」で「ステージ照明/ステージ照明(モノ)」を選択できないこと。ポートレートで撮影した写真の背景を黒くできる機能です。

もし、こうした撮影を期待している人は、XS/XS Maxの方を選ぶと良いかもしれません。ただ、筆者としては、人以外をiPhoneのポートレートモードで撮る機会がほぼないですし、あんまり困らないかなぁ…。ちなみに、ステージ照明はインカメラならXRでも使えますので、こちらも支障ないはず。

*  *  *

そのほかTrueDepthカメラシステムに関するFace IDやインカメラの撮影機能はXS/XS Maxと共通しています。また、Apple Payの店頭支払いも同様に可能です。この記事でまだ触れていない差を挙げるとすれば、防水防塵性能がIP67(XS/XS MaxはIP68)であることくらい。機能不足で困ることはまずありません。

iPhone XRは、Xシリーズの中では割安なことが魅力です。しかし、それでも9万円するので、決して廉価モデルという品質ではありません。今回取り上げたような諸々の注意点が気にならない人にとっては、よい狙いどころと言えるでしょう。

最後になりましたが、カラーは「ブルー」「ホワイト」「ブラック」「イエロー」「コーラル」「(Product)Red」の6種類から選択できます。筆者は「コーラル」の鮮やかさに惹かれているのですが、皆さんは何色が気になりますか?

>> Apple「iPhone XR」

 

(取材・文/井上 晃 端末撮影/高原マサキ<TK.c>)

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

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