35周年のG-SHOCKは、もはやニッポンの伝統芸能【ニッポン発の傑作モノ】
&GP / 2018年11月5日 20時0分
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35周年のG-SHOCKは、もはやニッポンの伝統芸能【ニッポン発の傑作モノ】
誰もが知るタフネスウォッチの代名詞、カシオ「G-SHOCK」。電波受信による時刻補正やソーラー充電システムも搭載し、究極のメンテナンスフリー時計として世界中に愛用者がいる。落語家の柳家花緑さんもそのひとりで30年来のファンだ。数多くのコレクションを見せて頂きながら、今年35周年を迎えたG-SHOCKの魅力について語ってもらった。
「初めて出会えた本当に好きな時計がG-SHOCKでした」
▲落語家 柳家花緑さん 1987年に中学卒業後、祖父・五代目柳家小さんに入門。'89年に二ツ目、'94年には戦後最年少の22歳で真打に昇進し、柳家花緑へ改名。スピード感あふれる歯切れの良い語り口が人気で、古典から新作まで意欲的に取り組む。テレビや舞台でも活躍中だ
1990年代に起こった、G-SHOCKブーム。日本中が熱狂していた頃、花緑さんもこの時計と出合った。
「一番最初の記憶は、初期のイルカクジラモデルが渋谷で山積みされていた光景ですね。大ブームの直前くらいでした。でも半年後には、どこにも売ってない…。『あの時なぜ買わなかったんだ!』と後悔しましたね」
それ以前はスリムなクォーツウォッチなどを使っていたが、G-SHOCKを運命的に見つけてからは“ひと筋”だとか。
「最初に買ったモデルはよく覚えていないんです。流行の波に自分も乗った感じで(笑)。ただ、G-SHOCKと出合って『本当に好きなものが見つかった』と感じました。そこからはブレずにG-SHOCKです」
かれこれ30年近く購入し続けて、多い時には所有総数が100本を超えたこともあったとのこと。現在手元にあるのはその半分ほどだ。
「一番増えた時がちょうど断捨離ブームだったこともあって、これ以上買うの
はやめようと考えたんです。時計を着ける腕は1本だけですから。50本ほど売却して、残りの50本を大事に使うことにしました。今は1本ずつ収納できる台を購入して、そこに飾りながら使っています」
▲「ブームに乗っかっただけ」と笑いながら話すが、その後はG-SHOCKひと筋。革新し続ける姿勢を、自分の落語と重ね合わせている
選抜された顔ぶれは樹脂タイプが多く、カラーも多彩。普段のカジュアルな装いに合わせて、使い分けを楽しんでいる。
「仲間内のパーティーで着るスーツにも、黒い小振りなモデルを合わせたりしますよ」と、とことんG-SHOCKで通す。そんな中、今年また衝撃的な出合いが訪れた。新製品の「GMW-B5000D-1JF」である。
「デザインはオリジナルのままでメタルケースというのが、長年のファンには堪らなくて…。今はもう毎日着けていますね」
▲元々は「DW-6900」シリーズが好きだったそうだが、ファンからのプレゼントをきっかけに「DW-5600」シリーズもお気に入りに。「スリムで腕に馴染む」ことから、カラーを豊富にそろえて、その日のファッションに合わせて使い分けている
「35年経っても進化し続ける姿が落語の刺激になる」
最近は、G-SHOCKと現在の落語との共通点に思いを巡らせている花緑さん。落語における古典と新作の構図は、時計史のG-SHOCKの歩みと重なるとも考えている。
「落語は古典芸能という認識がありますが、実はまだ歴史が浅い芸能と言えます。人間国宝に選ばれたのは私の祖父が初めてで、歴史を語られるようになったのはこの何十年のこと。G-SHOCKも機械式時計からすれば歴史が浅く、時計の歴史に逆らうかのような“落としても壊れない” コンセプトから “大逆転劇”が生まれたわけで。『自分が今誰に向けて落語を発信すべきか』と考えることは、現代の時計づくりにも通じるのではないかと思っています」
真打に昇進した頃に出合ったG-SHOCKは落語と向き合う歴史を共に歩んだ相棒で、刺激を与えてくれる存在だとか。
「祖父が80歳の時に『芸人はずっと上り坂がいい』と言ってました。上りでなくなると、自分が落ちてきたことを実感するからです。常に今が最高ではないと思っていたいんです。G-SHOCKはそこで背中を押してくれる存在でもあります。35年経ってもまだ進化するのか、こんな機能が加わるのか、と感じることが、自分の芸にとっていい刺激になるんですよ」
■懐かしくて新しい初代5000系の進化系
▼「G-SHOCK GMW-B5000D-1JF」
「DW-5000C」をベースにフルメタル化を実現。コアテクノロジーである中空構造を見直した新耐衝撃構造に加えて、Bluetoothや6局受信の“マルチバンド6”、ソーラー充電などに対応。新時代の機能性も兼ね備えている。ケース径43.2mm、価格6万4800円
▼「G-SHOCK GMW-B5000-1JF」
「B5000D」同様に初代の意匠をメタルケースとウレタンバンドで再現した。液晶は反転仕様。スマホ連携や“マルチバンド6”など機能も充実する。ケース径43.2mm、価格5万4000円
▼「G-SHOCK DW-5035D-1BJR」
35年の歴史におけるマイルストーンを再現した「ORIGIN GOLD」の1本。ロゴやボタンなどにゴールドをあしらい、スペシャルな装いに仕上げた。ケース径42.mm、完売品。
▼「G-SHOCK GW-5035A-1JR」
宇宙誕生時の無を表現した「BIG BANG BLACK」。粒子を混ぜて光沢を抑えた特殊塗料を施す。 “マルチバンド6” や “タフソーラー”に対応。 ケース径42.8mm、完売品。
▼「G-SHOCK グレイシア ゴールド DW-5035E-7JP」
イルクジモデルなどで人気だったスケルトン仕様の最新版。インナーケースや
文字盤の金色が透明度の高い樹脂ケースと相まって煌びやかな印象だ。ケース径42.8mm、完売品。
(取材・文/髙橋 智 写真/湯浅立志<Y2>)
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