プロ野球史と共に振り返る!エポック社「野球盤」の60年【ニッポン発の傑作モノ】
&GP / 2018年11月6日 19時0分
プロ野球史と共に振り返る!エポック社「野球盤」の60年【ニッポン発の傑作モノ】
GoodsPress世代がアナログゲームと聞いて思い浮かべるのは、エポック社の「野球盤」ではないだろうか。テレビゲーム以前の玩具として画期的だった野球盤に、僕らは夢中になったことを今も忘れていない。プロ野球の主な出来事とともに、その移り変わりを見ていこう。最新モデルの驚愕進化に驚くはずだ!
1950年代
▼「野球盤」が誕生!売り上げもホームラン
「野球盤」(1958年)
エポック社創立、長嶋茂雄プロデビューと同時に誕生。選手はこけし人形、盤面は家具職人が一つずつ製作。当時の大卒初任給が1万2000円程度だった時代に、1750円という高価格ながら、月産2000台もの売り上げを記録した。
▼〝変化球装置〞登場!野球盤の基礎が完成
「野球盤A-2型」(1959年)
野球盤誕生の翌年、初代の人気を受けて新モデルが登場。「変化球装置」が搭載され、現代まで続く野球盤の基本機能がほぼ完成した。得点板の上に旗が付き、球場の雰囲気も増した。
【1950年代の野球の出来事】
1958年
・セ・リーグ、パ・リーグがそれぞれ球団ずつとなり、計12チームに
1959年
・読売ジャイアンツ対大阪タイガース(後楽園球場)で初の天覧試合
1960年代
▼球場の雰囲気アップ!テレビCMも大反響
「野球盤E-1型」(1960年)
盤面に選手のイラストなどが入り、得点板にもカラフルなフラッグと爽やかな青空が描かれる。この年、玩具業界初となるテレビCMを行い、野球盤の人気に拍車をかけた商品。
【1960年代の野球の出来事】
1961年
・プロ野球界と社会人野球界の間で起きたトラブル「柳川事件」が起こる
1965年
・プロ野球ドラフト会議が初めて開催される
1969年
・金田正一が通算400勝を達成
1970年代
▼スタンドが追加され現行に近いデザインに
「デラックス野球盤」(1970年)
本体の周囲にスタンドが追加され、現代の野球盤のイメージに近くな った。バッティングは今までの方法と違い、手前のレバーを引いて離すことで打つ仕組みになっている。
▼ついに「消える魔球」が登場!
「オールスター野球盤BM型 魔球装置付」(1972年)
『巨人の星』からヒントを得て開発された、「消える魔球」を初搭載。投球装置にあるレバーを引くと、打者の手前で球が落ちて消える。子どもたちは投球制限など独自のルールで遊んだ。BM型の“M”は「魔球」を意味する。
▼累計300万台販売した野球盤史上最大のヒット作
「野球盤AM型」(1974年)
ボタン操作でバッティングができる「ワンタッチヒッティング装置」を新採用。また、一塁側にストライク・ボール・アウトカウントが一目でわかるダイヤル式カウンターも設置。
▼なんと“人工芝グラウンド”まで登場
「野球盤AM型人工芝球場」(1978年)
大ヒットモデルのAM型は、「連続投球装置」を搭載するなど年を追うごとに完成度が高まる。本作はそんなAM型がさらに進化し、グラウンドに人工芝が張られた本格モデル。
【1970年代の野球の出来事】
1973年
・読売ジャイアンツが9年連続日本シリーズ優勝を達成
・パ・リーグが2シーズン制を採用
1975年
・パリーグがDH(指名打者)制度を導入
1977年
・王貞治が、当時のMLB記録を抜く通算756本塁打を達成
1978年
・“空白の1日”で知られる「江川事件」が起こる
1980年台
▼スピードガンなど本格機能が満載!
「パーフェクト野球盤A型」(1982年)
野球場の雰囲気を感じる人工芝グラウンドに、「スピードガン機能」や「盗塁判定装置」など実装。パーフェクトの名に相応しい機能が満載で、大人から子どもまで楽しめる。
▼東京ドームと共に誕生!初の電動&ドーム型
「ビッグエッグ野球盤」(1988年)
同年の東京ドームの開場に合わせて発売されたドーム型野球盤。初の電動モデルで、1人でも遊ぶことが可能。通常の球の他に、軽いアルミ球が2つだけ入っていて、ジャストミートするとアーチを描いてスタンドインする工夫も。
【1980年代の野球の出来事】
1983年
・福本豊が、当時のMLB記録を上回る通算939盗塁達成
1985年
・パ・リーグが予告先発を開始
1987年
・衣笠祥雄が、2131試合連続出場を達成
1988年
・日本初となる屋根付き球場「東京ドーム」が完成
1990年台
▼究極のアナログフルオートメカを搭載した野球盤
「フルオート野球盤PRO」(1997年)
電池不要、ボタン操作のみで遊べるアナログの粋を極めた野球盤。大きさ約57cmの最大クラスを誇る。フルオートメカを搭載し、「消える魔球」はもちろんストレート・カーブ・シュートを投げ分けられ、球速もコントロール可能。
【1990年代の野球の出来事】
1993年
・逆指名・フリーエージェント(FA)制度が導入される
1994年
・イチローが、シーズン210安打を達成
1995年
・野茂英雄が、ナ・リーグの新人王を獲得
2000年代
▼選手人形が立体化!投げる・打つ動きも
「野球盤デラックス」(2005年)
野球盤で初めて選手人形が立体化され、投げる・打つ動作をする「アクションフィギュアシステム」を搭載。そのほか「守備位置変更機能」やファールポケットなど、新機能が多く追加された。
▼野球盤50周年に新魔球「雷神球」が登場
「野球盤ACE」(2008年)
新魔球「雷神球(ライジングボール)」を搭載。雷神球はホームベース前のグラウンドの一部がせり上がり、ボールが弾かれることで宙に浮き上がり、バッターを空振りさせる。「消える魔球」も健在。
▼野球盤史上初となる「電光掲示板」搭載
「野球盤ライブスタジアム」(2009年)
野球盤ライブスタジアム「電光掲示板」が新登場。臨場感あふれる光と実況音声で試合を盛り上げる、デジタルイニング表示を搭載した。また盤面には、入ると何が起こるかわからない「“!?”ポケット」を実装。
【2000年代の野球の出来事】
2001年
・イチローが、ア・リーグのMVP、首位打者、盗塁王、新人王を獲得
2004年
・イチローが、ジョージ・シスラーの記録を破るシーズン262安打を達成
・パ・リーグでプレーオフ制度がスタート。東北楽天ゴールデンイーグルスが発足
2005年
・セ・リーグ、パ・リーグの交流戦が始まる
2006年
・WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本代表が初優勝
2007年
・セ・リーグでプレーオフ制度が始まり、クライマックスシリーズに
2009年
・第2回WBCで日本代表が連覇を達成
2010年代
▼ドクターKの変化球とスラッガーが対決
「野球盤ドクターケイVSダブルスラッガー」(2011年)
“デュアル変化球レバー”の採用で、変化球が大きく進化した「野球盤K(ドクターケイ)」。“高反発バット”を搭載した「スラッガー人形」でホームランを狙う「野球盤スラッガー」が合体。特にピッチングが多彩になった。
▼投打の機能が進化!本体の作りも豪華に
「野球盤ダブルスラッガーVSスプリットエース」(2014年)
特大ビッグアーチを狙える「スラッガー」と、投球レバーの操作だけで変化球と速球を投げ分けられる「スプリットエース」が対決。新型電光掲示板を搭載したハイグレードモデル。
【2010年代の野球の出来事】
2010年
・ホームランにビデオ判定を導入
2012年
・セ・リーグが予告先発を開始
2016年
・コリジョンルールを適用
2018年
・ビデオ判定におけるリクエスト制度を導入
2018年
▼3D投球vs3Dスイングで激アツ必至の最新モデル!
エポック社
「野球盤3Dエース モンスターコントロール」(1万2960円)
誕生から60周年を迎える野球盤。幼少期を懐かしみながら数十年ぶりにやってみると、最新モデルは進化しまくりで“浦島太郎状態”に…。まずピッチャーが投げる球が
“浮く”ことに驚き。てっきり転がるものだと思っていたので、そこからびっくり! 高さは3段階に調節でき、左右・真ん中と合わせると9コースに投げ分けられる。対するバッターも上下に動かせるので、高低差のある投球に対応可能。
とはいえ「消える魔球」もあり(球数は制限したけど)、さすがに球種が多すぎてなかなか打てない…。でも配球に読み勝ってホームランを打ったときの快感はホンモノ!久しぶりに遊んだ野球盤は、大人になった今も当時と変わらず夢中になれる面白さだった!
▲投球結果は瞬時に計測され、「スピードガン電光掲示板」に速度と投球コースを9分割のグリッドで表示。フライ判定や盗塁判定機能なども備え、迫力のカラーアニメーションと臨場感あふれる実況アナウンスで盛り上げる!
▼配球を読んでバッターの高さを調節
バッターボックスの裏にあるレバーでバッターを上下に動かすことができる。これによりスイング範囲が変化。配球を読んで、高低差のあるピッチングもミート! ホームランを狙え!
▲3D投球には高さを変えられる3Dバッティングで対抗だ
▼9つのコースに投げ分け可能
赤いレバーを左右に動かして内角・外角のコースを選ぶ。高低差と合わせると9つのコースに投げ分け可能! レバーを手前に引くとストレート。もちろん「消える魔球」も健在。タイミングよく魔球レバーを引けば、バッターはお手上げ! ヒット不可なのでルールを決めて使いたい。
▲投球高低レバーを使えばピッチングの高さ3段階から変更できる。高め(H)真ん中(M)低め(L)のボールを投げ分けてバッターを翻弄。三振の山を築く
▲赤いレバーで内角・外角を自由に選べる。魔球レバー(黒)を引けば相手を惑わせられるぞ
(文/津田昌宏 写真/江藤義典)
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