MacBook Airに向く人、MacBook Proに向く人の見分け方
&GP / 2018年11月6日 20時55分
![MacBook Airに向く人、MacBook Proに向く人の見分け方](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goodspress/goodspress_192762_0-small.jpg)
MacBook Airに向く人、MacBook Proに向く人の見分け方
新しいMacBook Air、気になりますよね。従来モデルでは非搭載だった「Retinaディスプレイ」と「感圧タッチトラックパッド」を備え、さらに従来Proシリーズのみの特権だった「Touch ID」と2ポートのThunderbolt 3までも搭載しちゃいました。まさに 「MacBook」 と「MacBook Pro」のギャップを埋める選択肢です。
そこで悩ましくなるのが、MacBook Airと MacBook Proの13インチモデルのどちらを買うべきかという問題。今回は発売前の実機を試す機会を得ましたので、触ってみた印象を交えて、機種選びのヒントとなるポイントを解説していきます。
■膝上操作で快適なのはAir
まず、基本的な外見について比較してみましょう。MacBook AirとMacBook Proは、横から見たときの厚みにわずかに差があります。MacBook Airの方が、手元に向かって先が細くなるような形状です。
▲左が新しいMacBook Air(ゴールド)。右がMacBook Pro(13インチ、スペースグレイ)。上からだと見分けはつかない
▲奥側の厚みを比較すると、MacBook Airの方がわずかに分厚いのがわかる。ポートの位置も若干異なる
▲一方、手前側の厚みはMacBook Airの方が薄い。MacBook Proは一定の厚みを保っている
手で持った感覚としてはさほど違いはありません。しかし、膝上に乗せて使用するとわずかにAirの方が快適に感じます。それは、緩やかにラウンドした端が、太ももからキーボード面までを滑らかに繋ぐから。わずかな違いではありますが、ラップトップでの快適さは僅差でAirの勝利。
なお、搭載するキーボードはどちらも第3世代のバタフライ機構を採用。両者に差はありません。感圧タッチトラッグパッドを搭載する点も両者で共通しています。ちなみにトラックパッドのサイズはMacBook Proの方が少しだけ広いです。
■色味にこだわるならProがオススメ
ビューアーとしての使い勝手をくらべてみると、ディスプレイの解像度は両者に差はありませんが、色味の再現に微妙な差があります。
▲MacBook Proのディスプレイの方が全体的に色が濃い印象を受けた
MacBook Airのディスプレイは色域がフルsRGBですが、MacBook ProはP3に準拠していて、より階調の豊かな表現が可能になっています。実際に両者を見比べると、Proの方が鮮やかに感じました。
また、MacBook Proは周囲の光源に合わせて自然な色味を再現できる「True Tone」テクノロジーに対応します。しかし、MacBook Airは非対応です。
これらの点から、色味が作品の出来に直結する写真のレタッチや、デザイン関連の作業に用いる場合にはMacBook Proの方が適していると思います。一方で、MacBook Airのディスプレイも充分に綺麗なので、こうしたこだわりがなければ差を意識しなくて問題ありません。
■ブロユースか、それとも一般利用か
プロセッサの性能には、もちろん差はあります。表記こそ同じIntel Core i5ですが、MacBook Airはデュアルコア、1.6GHzのプロセッサを搭載。MacBook Proは最小構成でもクアッドコア、2.3GHzのプロセッサを搭載しています。
▲両機の「Geekbench 4」でのベンチマークスコア
定番のベンチマークアプリ「Geekbench 4」を走らせて比較したところ、マルチコアスコアで大きな差が出ました。GPU性能についても、1万スコア以上の差があります。
プログラミングや、長編動画編集などを日常的に利用したい場合には、処理性能の差が大きく影響します。なるべくMacBook ProにしてプロセッサやRAMをオプションで強化した方が快適に運用できるはず。
▲iMovieで軽く編集するくらいならMacBook Airで十分でした
一方で、「Pages」で書類を作成したり、「iMovie」で簡単な動画を編集する程度の利用方法ならは、MacBook Airを選んで問題ありません。例えば、iMovieで編集した8分弱の動画を出力する際に、MacBook Airだと1分半程度の時間が余計にかかる程度。最初から固まって動かなくなる、なんてことはありませんのでご安心を。
■Touch Barの有無はどんな差を生むか?
Touch IDが付いていることで、ロック解除やメモのロック解除、アプリ購入、Apple Payでのオンライン決済認証などを行えます。これは両者に共通する内容です。
違いがあるのは、Touch Barの有無。MacBook Pro(Touch Bar付き)では、キーボード面のタッチ操作で、素早い操作が行えます。例えば、Safariなら、起動しているタブを切り替えるなど。
▲Touch Bar搭載モデルなら、Appごとに便利な操作が行える。画像はSafariでのタブ切り替えの例
また、Touch Barがあった方が素早い操作が行える場面も結構あります。例えば、外部ディスプレイ接続時に素早くミラーリングと拡張を選択できるのは、Touch Barならでは。通常は「システム環境設定」から「ディスプレイ」の項目を選択してカスタマイズが必要となるので、その手間を省けます。
▲Touch BarなしでもSiriを呼び出せるデフォルトのショートカットキー
一方で、こうした操作は、ショートカットキーで代用できるものも少なからず存在します。例えば、Safariのタブの切り替えなら、Command + Shift + [ で左のタブへ、Command + Shift + ]で右のタブへ切り替わります。あるいは、Siriの起動にはTouch Bar上で専用のボタンが用意されていますが、Command + スペースキーの長押しでも代用可能です。
こうしたショートカットを使いこなせるのであれば、Touch Barに頼る機会も少なくなります。とりあえずTouch IDだけがあればよいという人にとって、MacBook Airは割安でコストパフォーマンスのよい選択肢と言えるでしょう。
■電池持ちについてチェック
バッテリー持ちは、MacBook Airの方が優れています。ワイヤレスでのブラウジングならば、連続使用時間はAirが12時間、Proが10時間となります。また、iTunesムービー再生ならAirが13時間、Proが10時間です。
在宅・外出時の利用のバランスが外出に偏っているのであれば、MacBook Airの高いスタミナは、大きなメリットになりうるでしょう。
▲電池持ちはMacBook Airの方がよく、同梱の充電アダプタはMacBook Proの方がW数が大きい
一方で、一点注意したいのが、同梱の充電アダプタのW数が異なるということ。MacBook Airに付属する充電アダプタは30W。MacBook Proに付属する充電アダプタは61Wの仕様です。そのため、同梱充電アダプタを使った場合には、MacBook Proの方が速く充電できるでしょう。
とはいえ、30Wの充電器の方がコンパクトで持ち運びやすいという側面もあります。どちらも一長一短ありますね。
* * *
MacBook Airは、プロセッサの性能こそ、最低限のものに抑えながらも、便利な機能を満遍なく備えています。一方で、MacBook Proは名前の通り、プロユースにも耐えうるオプションを選択可能です。まずはコストパフォーマンスの高いMacBook Airにするのか。それとも長期的な運用を前提にMacBook Proを選ぶのかーー。じっくり検討してみてくださいね。
(取材・文/井上 晃)
いのうえあきら/ライター
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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