「AQUOS R2 compact」は小さいけど中身はハイエンドモデルだった!
&GP / 2018年11月16日 12時0分
「AQUOS R2 compact」は小さいけど中身はハイエンドモデルだった!
最近のシャープ、キレッキレですね! 11月15日に同社が発表したコンパクトモデル「AQUOS R2 compact」は、片手サイズでありながらなんと上下にふたつノッチを搭載。マグネシウム合金のフレームを使って軽量化した「AQUOS ZERO」(10月発表済み)に引き続き、ユニークな商品となりました。
このAQUOS R2 compactは、来年1月より発売予定。大手キャリアとしては、ソフトバンクが取り扱う予定ですが、SIMフリーでも展開することが明かされています。
■片手向けの希少なハイエンドモデル
ーーうわっ、ちっさ!
AQUOS R2 compactを持つと、こう思うはず。「iPhone XS Max」や「Pixel 3 XL」や「Galaxy Note9」、最近のハイエンドスマホってかなり大きいですからね。そういったモデルを見慣れているとインパクトありますよ。ひと昔前はこういうコンパクトモデルが主流だったんですが…。
このAQUOS R2 comapctは、“64mm”という端末幅にこだわって作られていて、画面の端から端まで親指が届きます。そう、考えて作られた「小ささ」なんです。前モデルのAQUOS R compactが66mmだったので、2mm細くなっています。
▲AQUOS R2 compactは5.2型モデル。写真の通り片手にすっぽり収まる
でも、画面まで小さいってわけではありません。ディスプレイは5.2型で、解像度はフルHD+。従来機が4.9インチだったので、コンパクトになりつつ大画面化を果たした正統進化モデルと言えます。
さらにシャープお得意の「ハイスピードIGZO液晶ディスプレイ」も搭載し、応答速度は従来機の1.6倍。なお、P3対応の広色域であり、同社の「リッチカラーテクノロジーモバイル」や、「バーチャルHDR」機能により鮮やかで明暗のくっきりした表現が可能です。
加えて「Dolby Vision」「HDR10」「HLG」「VP9」「YouTube HDR」などのHDRフォーマットをサポートするなど、こってりこだわった仕様に。ちなみにオーディオは、イヤホン出力時のみ「Dolby Atmos」もサポートしています。
▲背面はPC-アクリル樹脂ハイブリッド材を使用。こちらのカラーは、シルバーのフレームに黒が引き締まりす。AQUOSのロゴの少し上にはFelicaマークも
コンパクト機というと廉価モデルかな、なんてイメージするかもしれませんが、AQUOS R2 compactの場合、性能もしっかりハイエンド級。CPUにはSnapdragon 845を搭載し、RAM 4GB、ROM 64GBを備えます。従来機と比較して処理性能は1.5倍、容量は2倍になりました。なお、OSには最新のAndroid 9 Pieを搭載。もちろん「エモパー」も使えるし、ハイレゾ音源にも対応。
▲側面はアルミフレーム。本体サイズは約W64 x H131 x D9.3mm(暫定値)、質量は約135g(暫定値)。充電ポートはUSB Type-Cで急速充電(USB Power Delivery)にも対応。バッテリー容量は2500mAh
■上下にノッチがある最新の構造
何より斬新なのは、上下にふたつある「ノッチ」です。「攻めてるなー」と思いきや、奇をてらったデザインではなく、Googleと相談しつつAndroid 9 Pieに最適化させて作られたものだそう。
▲上にカメラ、下部に指紋センサーを備える。顔認証も併用可能だ。なお、上部のカメラ周りは従来機種よりも26%小さく抑えられており、横画面で動画やゲームを表示してもそこまで気にならなそうだ
下部ノッチを搭載するメリットは、前面に指紋センサーを配置できたこと。ナビゲーションバーの操作も兼ねているので、Android 9のスタイルとも相性が良い。タップがホームボタン、右にスワイプが履歴キーなど、操作方法は新スタイルのナビゲーションバーと共通です。
▲ちなみに上にスワイプすると、隠れていたバーがちょこっと現れる
「指紋センサーは背面に付ければいいじゃん」って思うかもしれませんが、ケースを付けた時のことを考えると、前面配置の指紋センサーが求められることもあるのかも。AQUOS R2 compactは対応していないけれど、ワイヤレス充電の際も前にあると便利なので、技術的な価値もありそうです。
■カメラもちゃんとこだわってる
カメラについては、アウトカメラが2260万画素・F値1.9、インカメラが800万画素・F値2.2。アウトカメラは手振れ補正をサポートしていて、発表会の会場でもデモが設けられていました。
▲光学および電子式手振れ補正に対応。レンズは35mmフィルム換算値で広角22mm相当だ。画質エンジン「ProPix」搭載で露出やホワイトバランスの精度も向上。9つのシーンを見分ける「AIオート」撮影もこなす
デフォルトでは、静止画に光学式手ぶれ補正、動画に電子式手振れ補正が使われています。理由は「光学式は静止画に向いているが、動画で求められる補正には向かない。電子式は補正後に画角が失われてしまうので、静止画で使うとせっかくの広角カメラが活かせなくなるが、画角を犠牲にしても強力に補正したい動画には適している」とのことです。
▲インカメラで目のサイズや輪郭、肌質などをカスタマイズして補正
一方のインカメラは、広角レンズ(焦点距離23mm相当)を備え、美肌撮影機能「AQUOS beauty」をサポート。美顔、小顔、色合い、明るさ、目の大きさを調整できるので、すっぴんや無精髭も怖くありません。ここら辺は最近のAQUOSでは定番になりましたね。また、「アイキャッチセルフィー」機能を使えば、画面のUI表示が変化し、視線を自然にカメラへと集める工夫も施されています。
■便利機能やAQUOS定番のアレコレも搭載
その他の機能・性能についても、いくつか触れておきましょう。
防水防塵はIP5/8およびIPX6に対応。お風呂でも使えて、さらに画面が濡れても誤動作しにくくなっています。手に持っている間は画面がOFFにならない「Bright Keep」機能なども搭載します。
ディスプレイ関連では、斜め横から画面を見た際に内容が見えづらくなる「のぞき見ブロック」をサポート。冬場は手袋で操作できる「グローブモード」も便利です。
▲外部メモリはmicroSDXC(最大512GB)対応。SIMカードはナノサイズだ
通信は「4x4 MIMO」や「256QAM」 をサポートし、下り最大676Mbpsに対応。また、「MU-MIMO」もサポートするので、対応のアクセスポイント接続時には同時通信する子機が多くてもスループットが低下しにくい特徴があります。
そして、OSのバージョンアップは2年間、最大2回対応します。長く使う想定でも安心ですね。先に軽く触れた通りFelicaも搭載するので、おサイフ機能を活用できる点も日常使いでは魅力的です。
* * *
こうした諸々のメリットをピックアップすると、多くの要素が凝縮された端末であることがわかります。おサイフ機能や防水性能といったユーザビリティも優れていますし、キャリア・SIMフリー問わず、長期的に運用したい人にとって、魅力的なモデルに仕上がっているのではないでしょうか。
▲カラーは3色展開。左から「ディープホワイト」「スモーキーグリーン」「ピュアブラック」
繰り返しとなりますが、発売はソフトバンクより19年1月中旬以降を予定。また、SIMフリーでの展開も期待大です。
気になる価格は未発表。従来機の「AQUOS R compact」が当初一括7万円台半ば、機種変更時3万円程度でしたから、それよりもちょっと高いくらいになるのでしょうか? 正式発表されるまでしばし待ちましょう。
(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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