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【キャデラック XT5クロスオーバー試乗】独特の豪華さが魅力の“サードウェーブ”SUV

&GP / 2018年11月17日 19時0分

【キャデラック XT5クロスオーバー試乗】独特の豪華さが魅力の“サードウェーブ”SUV

【キャデラック XT5クロスオーバー試乗】独特の豪華さが魅力の“サードウェーブ”SUV

とにもかくにも、今、クルマ業界ではSUVが大人気。1990年代の終わりにアメリカで火がついたSUVブームは、やがて“定番”となり、その数年後、ヨーロッパへと飛び火し、近年、日本にも勢力が拡大してきた。

そんな日本のSUV人気は、どれほどのものなのか? なんとSUVの販売台数は、5年前の2倍増しというから驚かされるばかり。新車販売ランキングの上位にもSUVがランクインし、昨2017年には約45万台のSUVが売れた。

あらためてカウントしてみると、車高を上げたハッチバックを始めとするクロスオーバーSUVも含めれば、現在、日本で買えるSUVは、日本車と輸入車を合わせて50モデルを超える。まさに、百花繚乱の状態ともいえる多彩な選択肢は、セダンやミニバンの比ではなく、今やブームを超え、定番ジャンルのひとつになったといっても過言ではない。

■アメリカの高級SUVは高級な仕立てがウリ

日本で買えるSUVの中でも、身近な存在といえばやはり日本車だろう。レクサス「LX」のように1000万円オーバーの超高額車もあるけれど、スズキ「ジムニー」のように100万円台から選べるモデルも用意されているし、比較的手の届きやすいアンダー300万円のモデルも充実している。

一方で“その上”を求める人の多くが目を向けるのが、ヨーロッパのSUV。メルセデス・ベンツ、BMW、そしてアウディの、ドイツ“プレミアム御三家”は、求めるサイズや好みに合わせて選べる、充実したSUVラインナップを展開しているし、それ以外のブランドでも、老舗のランドローバーやボルボ、ポルシェなどが魅力的なSUVを用意している。さらに現在では、超ラグジュアリーブランドのベントレーやロールスロイスまでもが、SUVをリリースするに至っている。

でも今回は、そんな日本車でもヨーロッパ勢でもない第3の勢力、アメリカのSUVに目を向けてみたいと思う。その理由は、ひとつはアメリカという国は、SUV発祥の地であるということ。世界的にSUVが人気を集めている今、本場のSUVの実力を、あらためて把握しておくべきだと思うのだ。

そしてもうひとつの理由は、アメ車ならではの独特の世界観が、かなり魅力的であるため。例えば、ヨーロッパのプレミアムSUVは、上質な仕立てがウリだが、アメリカの高級SUVは、ラグジュアリーな仕立てが魅力。エクステリアは、ギラギラとしたメッキパーツが大胆にあしらわれ、立派な押し出し感が印象的だし、車内に入れば、各部にレザーがふんだんに使われ、独特のきらびやかさにあふれている。また、シートの形状ひとつとっても、とにかく立派に見える仕上がり。上質さなら断然、ヨーロッパのSUVの方が上だが、豪華さに目を向ければ、アメリカのSUVの方が“らしさ”にあふれている。

■キャデラックの代表選手は車内が広くて豪華

そんな、アメリカの高級SUVの真髄を味わえるブランドといえば、やはりキャデラックは外せない。何せキャデラックは、近年、アメリカの大統領専用車として使われている、アメ車の頂点に立つプレミアムブランド。アメ車のラグジュアリーSUVを語る上で、キャデラックを外すわけにはいかないのだ。

今回は、そんなキャデラックの主力モデル「XT5クロスオーバー」に試乗した。このクルマは、昨2017年10月から日本での発売がスタートした、北米でいうところのミドルサイズSUVで、かつての「SRXクロスオーバー」の後継車種に当たる。

北米市場ではミドルサイズに位置づけられるXT5クロスオーバーだが、全長4825mm、全幅1915mmと、日本のスタンダードに照らし合わせると、そのボディサイズはかなり大きい。しかも、左ハンドルのみのラインナップということで、運転しにくいと感じる人もいるだろう。とはいえ、少し走れば運転感覚はつかめてくるだろうから、慣れてしまえば、ボディの大きさはさほど気にならなくなるはずだ。

大きなボディサイズの恩恵もあって、車内はとにかく広い。特に、余裕あふれるリアシートの足下スペースは、パッケージング効率に優れるFF乗用車系プラットフォームを採用した賜物だ。さらに、リアシートには前後のスライド機能が備わり、最大12度のリクライニング機能も採用。広いだけでなく、快適に過ごせる工夫が施されている。

一方、かつてのアメ車と異なるのは、ハイテク装備の充実ぶり。アメ車はローテク、なんて常識は完全に過去のもので、XT5クロスオーバーには、歩行者を検知するエマージェンシーブレーキシステムはもちろん、障害物を検知すると自動停止して接触を防ぐ低速走行用のオートマチックブレーキが、フロントだけでなくリアにも組み込まれる。さらに高速道路では、アダプティブクルーズコントロールで快適に移動できるし、狭い道での運転時や駐車時は、360度カメラに加え、前後だけでなく左右まで反応し、障害物との接触を警告するアラートなどの恩恵で、思いのほか気軽にドライブできる。こうした、ドライバーをサポートしてくれる各種装備は、欧州のプレミアムカーと比べても遜色なし。あらためてドライブしてみると、アメ車も着実に進化していることを実感する。

■ニュルで鍛えた走りは十分にスポーティ

一般道を走り始めると、さすがは市販車開発の聖地とされる、ドイツ・ニュルブルクリンクでテストを繰り返しているブランドだな、と感じた。車体は、ドライバーのハンドル操作に対して素早く、正確に向きを変える。それは、スポーティと呼んでも差し支えないレベルであり、そこには、乗り心地がふわふわと落ち着かない、昔のアメ車の印象は微塵もない。その上、3.6リッターのV6自然吸気エンジンは、シューンと高回転域まで吹け上がって、とても爽快。アメリカのSUVはこんなにも気持ち良く走れるのか、と驚かされた。

ところで今回、アメリカのSUVにフォーカスした理由が、実はもうひとつある。それは、輸入車としては価格設定がリーズナブルなことだ。

XT5クロスオーバーのエントリーグレード「ラグジュアリー」は668万5200円、上級仕様の「プラチナム」は754万9200円のプライスタグが掲げられる。ボディサイズから見た際のライバル車としては、例えば、メルセデス・ベンツ「GLE」が挙げられるが、その価格は878万円〜975万円にもなる。同じく、BMWにおけるライバル「X5」は、919万円〜1341万円、ランドローバーの「レンジローバースポーツ」は、873万円〜1110万円だ。

つまり、アメリカンラグジュアリーSUVのXT5クロスオーバーは、ヨーロッパのライバルと比べるとかなり割安。それなのに、ルックスはドイツ勢よりも威張りが利くから、魅力的に感じる人も多いのではないだろうか。

独特の世界観をたたえていて、欧州プレミアムブランドのそれと比べると割安なアメリカンラグジュアリーSUV。その代表選手であるXT5クロスオーバーは、日本車でもなく欧州プレミアムでもない、日本で選べるSUVの“サードウェーブ”として、あらためてチェックしておく価値のある1台だ。

<SPECIFICATIONS>
☆プラチナム
ボディサイズ:L4825×W1915×H1700mm
車両重量:1990kg
駆動方式:4WD
エンジン:3649cc V型6気筒 DOHC
トランスミッション:8速AT
最高出力:314馬力/6700回転
最大トルク:37.5kgf-m/5000回転
価格:754万9200円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部、ゼネラルモーターズ・ジャパン)

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