手軽で手入れも簡単!テントのことを考えた薪ストーブ「ウッドストーブ」【アウトドア銘品図鑑】
&GP / 2018年12月15日 7時0分
手軽で手入れも簡単!テントのことを考えた薪ストーブ「ウッドストーブ」【アウトドア銘品図鑑】
テンマクデザインより、新型薪ストーブが誕生しました。
テンマクデザインの薪ストーブと言えば、2010年に生まれたフラットに折りたためる「アイアンストーブ」という名作があります。薪ストーブがほしいけれど置き場所に困る…というキャンパーに希望を与えた逸品です。デザインもかっこよく所有欲を刺激する優れものなんですが、収納の順番を覚えるのが大変…。これは薄くたたんで収納するアイテム共通の悩み。隅々まで灰を拭き取りやすくていいし、慣れればいいことなんですが、面倒くさがりやさんにはコレが厳しかったりします。
その点、2018年に登場した「ウッドストーブ」は煙突を差し込むだけ。寒い冬キャンプでは組み立て、収納が手軽であることが正義! ステンレス製で手入れが簡単なのも魅力となっています。
写真奥の収納袋(M:6800円/税別、L:7200円/税別)の中に、防火シートと、手前右の専用ウォータータンク(M:1万500円/税別、L:1万500円/税別)、ウッドストーブ(M:3万9800円/税別、L:4万9800円/税別。本体の中に煙突とリフターを収納する)を入れられます。これらをすべてまとめたお得なスペシャルパッケージ(M:4万9800円/税別、L:5万9800円/税別)も用意されています。
ウッドデッキや落ち葉の多い地面などに敷いておきたい防火シート。トビラを開けたときに薪が割れて落ちるなんてことがあるので、これを敷くことでデッキの焦げや火災予防に役立ちます。
スペシャルパッケージ専用の防火シートはグラスファイバー繊維。別売の防火シート(4800円/税別)はカーボン繊維素材です。
ウォータータンクは煙突の内側に装着することで、いつでもお湯を使えます。ケトルを載せておいてもいいんですが、蛇口付きなのでダッチオーブンなど重い鍋に湯を注ぐ場合でも両手でしっかり支えられるのがいいんです。
プレートが取り付けられています。このプレートには本体のバタフライ棚用切欠があるので、ピタッと収まりズレる心配はありません。
ほかに雨や雪、風が貼りにくくい二重煙突(5980円/税別)があります。スペシャルパッケージで事足りますが、雪中キャンプなら二重煙突や、タープの近くにセットできるML兼用プロテクター(4980円/税別)もほしいところ。
なお、二重煙突の価格はMもLも同じですが、Mはφ63mm、Lはφ89mmです。購入時にはよく確認しましょう。
■組み立て
本体には折りたたみ式の脚が3本装着されています。根元にバネが装着されていて、これがロック機構。ピンで固定しなくても、引き起こすだけで簡単には脚が倒れることがない安全仕様なんですね。
片手でバタフライ棚を持ち、折りたたみ式の脚を引きだします。重量はMで9kg、Lは14kg! ですが、本体から煙突やロストル、リフターを出しておくと、Mなら約6kgになるので片手で操作できます。Lは約9kgなので少々手強いですね。
バタフライ棚のヒンジ部分に注目。同様の棚を持つライバルがありますが、テンマクデザインのウッドストーブはハンドルとして無理なく持てるのに、ヒンジがスライドすることでフラット収納を実現しています。
一番下に、ダンパー付き(内側にふたが装着されている)煙突を差し込みます。つまみを本体の外側または左右になるようにします。本体内側につまみを向けるとタンク装着時に干渉するんですね。
ちなみに、ダンパーを全開にすればよく燃焼し、狭くすると燃焼を抑えられます。火の粉を抑える効果もあります。
ストレートの煙突をつなげ、最後にスパークアレスターを装着します。スパークアレスターはメッシュ状になっているので、煙突から大きな火の粉が飛び出すのを防ぐ役割があります。
今回は無風かつフラットな地面なのでこのままで安定していますが、風のある日や煙突を延長したとき、ベントパイプを装着したときなどはスパークアレスターのフック(3カ所)に張り綱を付けてペグで地面に固定しましょう。
3本脚だと、正直、安定性に不安があります。脚の接地部分にはペグ用の穴があいているので、場所を決めたら無風であってもペグで固定しておきます。防火シートを敷いてペグダウンできない場合は、スパークアレスターに張り綱を通して転倒対策をしておきたいですね。
■使い方
本体の底にロストルをセットします。本体の底は弧を描いているので、フラットなロストルを載せておくと本体のダメージを軽減できるし、無造作に薪を入れても空気の通り道を確保できます。
約35cmの薪がぴったり。約40cmの薪は斜めに入れるとギリギリ入りました。
ダンパーを全開にしておき、着火剤が落ちないように薄めの薪を並べ、着火剤に火をつけます。その上に中〜太薪を数本置き、トビラを閉じて空気調整窓を全開にした状態で薪に火がつくまで待ちます。
熾火になるまで、ダンパーとトビラ手前の空気調整窓は開けておきます。炎が安定して熾火になったらダンパーと空気調整窓を狭くして、燃えすぎを防ぎます。窓は写真のように途中でもしっかりとめることができるのがいいですね。
ストレートの煙突なので、安定感があり、煙突の掃除も楽にできます。
組み立てサイズは、M:52.6(棚使用時。本体のみ20cm)×57×H240cm、L:64.5(棚使用時。本体のみ25cm)×62.8×H273.2cm。写真はMサイズで、ソロやふたりキャンプにちょうどいいサイズになっています。
直火料理をするなら、上部のふたを開けます。リフターが付いているので操作は簡単です。
リフターは幅広で、片側がフラット・反対側はゆるやかな弧を描いています。ふたの開閉のほか、ロストルの上の薪を散らしたり、最後に底に落ちた灰を取り除くなんてときにも使えるんですね。
バタフライ棚はシェラカップやケトル、グローブを置く、トングを引っかけておくなんてことができます。ただし、ダッチオーブンやスキレットのように重いモノを置くとバランスを崩す危険がありそう。
タンクを装着してみました。いつでもお湯が手に入る幸せ!
ただし、蛇口は無印でどちらが全閉かわからず、最初に水を入れる際、垂れ流してしまいました。
* * *
三本脚ではありますが、ペグや張り綱で固定できるし、開くだけでロックがかかります。煙突にはダンパー搭載、スパークアレスターまで付いています。二重・三重の安全機構が頼もしいですね。
火を入れるとどうしてもゆがみが出ますが、「ふたが閉まらない」というようなひどいゆがみは生じません。クロムとニッケルを含むステンレス304製で耐熱性と耐食性は十分。長く愛用できそうです。
タンクや防火シート、ケースまでそろったスペシャルパッケージはお買い得といって間違いなし。できれば煙突掃除用ブラシもセットにしてほしかったと考えるのは欲張りでしょうか。
ともあれ、2018年初回分は完売。次回入荷は1月下旬とのこと。年末年始キャンプには間に合いませんが、2月の雪中キャンプを狙うなら、こまめにWEBサイトや店頭をチェックするほうがいいようです。
(取材・文/大森弘恵)
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