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たゆまぬ機能性の向上こそ持ち味!注目の国産ウォッチ5選【2018年まとめ③】

&GP / 2018年12月27日 7時0分

たゆまぬ機能性の向上こそ持ち味!注目の国産ウォッチ5選【2018年まとめ③】

たゆまぬ機能性の向上こそ持ち味!注目の国産ウォッチ5選【2018年まとめ③】

機能性や実用性は完璧ながら、デザイン面でスイス勢に遅れをとっていると思われがちな「国産ウォッチ」たち。しかし愚直にムーブメントや省エネ回路、光発電や耐衝撃性能などを磨いてきたため、オーバースペックの実力を備えるに至った。

そしてその結果生じた余力を、今度はデザインの向上へと向けようという動きが活発化している。例えば発電効率が向上したのならソーラーセルを小型化できるし、時計モジュールを薄くできる。あるいは耐衝撃性能が高まれば、今まで使えなかった素材を採用することもできる。

美しさを最優先にするのではなく、あくまでも時計としての能力を守り、そこからデザインを構築していく国産ウォッチには、使い勝手を損なわない誠実さがある。時計の価格帯が上昇傾向にあるからこそ、こういった戦略が効いてくるのではないだろうか。

ここでは、そんな魅力あふれる5品を紹介する。

■圧倒的な高精度と機械式時計と同等の高級感

グランドセイコー
「SBGV243」
価格:30万円(税別)

▲クオーツ、SSケース、ケース径40㎜

2018年に誕生25周年を迎えた自社製のCal.9Fを搭載。このムーブメントは、グランドセイコーらしい太くて長い針や瞬間的に切り替わる大型カレンダーなど、従来のクオーツムーブメントでは不可能とされる要素を実現させた“究極”のクオーツムーブメントであり、圧倒的な高精度と機械式時計と同等の高級感を両立させた。

「SBGV243」は平面を生かしたシャープなケースデザインが特長で、ラグ部分のシャープなカッティングやコーデュラファブリックのストラップでスポーティさを強める。

 

■薄くて美しい!ケースの厚みは2.98㎜

シチズン
「エコ・ドライブ ワン AR5044-03E」
価格:70万円(税別)

▲クオーツ(光発電 エコ・ドライブ)、ケース径37.0㎜

シチズンが時計業界で初めて実用化に成功した光発電技術「エコ・ドライブ」。その究極形が「エコ・ドライブ ワン」である。この時計に搭載するムーブメントは、何と厚さが1.00㎜しかないのだが、そこにソーラーセルや発電した電気をためる二次電池、そしてモーターや歯車を収めているのだから恐れ入る。その結果ケースの厚みは2.98㎜(設計値)しかなく、驚くほど薄くて美しい。

その最新作では、薄型化しても強度を損なわないために、ベゼルにはアルティックを、ケースにはシルバー・サーメットを使用する。世界限定1000本。

 

■美は技術で進化する

オシアナス
「OCW-G2000RA-1AJF」
価格:21万5000円(税別)

▲クオーツ、Tiケース、ケース径46.1㎜

スマートフォンと連動することで、時刻修正やアラーム、ワールドタイムなどの機能を簡単に操作し、高機能と使い勝手を両立させるカシオ。

その新作「OCW-G2000RA-1AJF」は、ダイヤルの造作にも注目して欲しい。ダイヤル仕上げに制約が多い光発電式ながら、美しいブルーの「クルー ド パリ装飾」を施している。

これは徹底的な省エネ化と発電効率の進化によって、3つのインダイヤル部分のみにソーラーセルを収めるだけで時計が駆動できるようになったから。美は技術で進化するのだ。

 

■日本の伝統工芸「七宝」を取り入れた銘品

セイコー
「プレザージュ SARX059」
価格:15万円(税別)

▲自動巻き、SSケース、ケース径40㎜

スイスではメティエ・ダールと呼ばれる伝統的な工芸技法を用いたアートのような時計を、ごく少数だけ作っている。しかし日本流のメティエ・ダールは、もっと手ごろで日常的に楽しめるのが魅力だ。セイコーの「プレザージュ」は、長年、工芸技法にこだわってきたが、このモデルではダイヤルに「七宝」を取り入れた。

手掛けたのは尾張七宝の老舗「安藤七宝店」で、波をイメージした美しい彫り模様の金属板に深い青色の釉薬を施し、焼成する工程を複数回繰り返したあと、最後に研磨することで、深みと艶のある美しい色へと仕上げている。世界限定2500本。

 

■大人が楽しむメタルなG-SHOCK

G-SHOCK
「GMW-B5000-1JF」
価格:5万円(税別)

▲デジタル、SSケース、ケース縦43.2×横49.3㎜

1983年に誕生以来、常に耐衝撃性能を磨きぬいてきたG-SHOCKは、その機能性だけでなく、武骨な存在感で世界中にファンを生み出してきた。ここ数年は、初期からのG-SHOCKファンのために高級感のあるモデルも作っているが、その一つが「GMW-B5000」だ。

これは初代「5000」のデザインをベースに、ケースをフルメタル化したもの。金属の塊のような硬質なケースには、サテンとポリッシュの美しい仕上げを施しており、タフでありながらリッチな雰囲気に。

モジュールは、スマートフォン連動の最新版。これぞ大人が楽しむG-SHOCKである。

>> [特集]2018年まとめ

 

(文/篠田哲生)

時計ジャーナリスト・篠田哲生(しのだ てつお)

男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。

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