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スイス時計の伝統と格式に“変革”を感じる海外ウォッチ5選【2018年まとめ⑨】

&GP / 2018年12月30日 7時0分

スイス時計の伝統と格式に“変革”を感じる海外ウォッチ5選【2018年まとめ⑨】

スイス時計の伝統と格式に“変革”を感じる海外ウォッチ5選【2018年まとめ⑨】

<[特集]2018年を振り返る【海外ウォッチ編】>

圧倒的な高精度を誇る日本製クオーツウォッチによって、存在の危機に立たされたスイス時計業界では、自らの強みを“伝統と格式”であると再定義し、機械式時計のアナログな味わいを強化することで日本ブランドとの差別化に成功した。

そして数百年前から受け継がれる複雑機構を作ることができること、それがすなわち名門の証となった。この戦略は当面はうまくいった。しかし時計愛好家はどんどん高年齢化してくると、新たなファン層を取り込む必要が出てきた。ところがデジタルファーストのミレニアル世代は、“伝統と格式”だけでは心は動かない。

そこで目立ち始めたのが、ブランディングの変更やコラボレーション、新技術との融合といった新戦略である。さらには著名経営者も続々と引退しており、スイス時計業界は大きな変革の時を迎えている。この流れは止まることはないだろう。

では、そんな珠玉の5製品をピックアップしたので、さっそく紹介しよう。

■パイロットウォッチの大傑作をシンプル化

ブライトリング
「ナビタイマー 1 オートマティック 38」
価格:50万円(税別)

▲自動巻き、SSケース、ケース径38㎜

昨年、経営陣が一新されたブライトリングは、過去のアーカイブを紐解きながら新しいコレクションやスタイルを構築する。その代表例が「ナビタイマー 1」。これは回転計算尺のパイロットウォッチの大傑作「ナビタイマー」の三針バージョンであり、機構がシンプル化しただけで、雰囲気がぐっと大人びて見える。

しかもケースサイズを38㎜にしているため、ビジネススタイルとも好相性だ。ブライトリング=男っぽいという印象が強かったが、新生ブライトリングはより洗練さを強めている。

 

■全てが新次元となる機械式ムーブメントとデジタルデバイスの融合

フレデリック・コンスタント
「クラシック ハイブリッド マニュファクチュール」
価格:43万7000円(税別)

▲ハイブリッド(Cal.FC-750)、SSケース、ケース径42㎜

スイス時計初のスマートウォッチを作ったフレデリック・コンスタントが、次なる一手として考案したのが、機械式ムーブメントとデジタルデバイスの融合。時計の駆動は自社製の機械式ムーブメントが行いつつ、内蔵したセンサーで活動量などを計測し、スマートフォンで管理する仕組みだ。

しかも内部にはマイクもあり、機械式部分のチクタク音を感知して時計の精度計測やメンテナンス時期を知らせてくれるキャリバーアナリティクス機能も採用。全てが新次元の時計である。

 

■タグ・ホイヤーから驚きのコラボモデル

タグ・ホイヤー
「ホイヤー モナコ バンフォード」
価格:87万円(完売)

▲自動巻き、カーボンケース、ケース縦39×横39㎜

1969年に誕生した「モナコ」は、レーシングコンセプトの角形スポーツウォッチで、しかも世界初の自動巻き式クロノグラフ「クロノマチック」を搭載する前衛的な時計だった。そのスタイルは50年近く、そのまま継承されてきたのだが、2018年に驚きの展開を見せた。それがカスタムウォッチブランド「バンフォード ウォッチ デパートメント」とのコラボレーション。

形状や寸法は変えずに、素材をカーボンに変更。伝統的な時計ブランドとストリートカルチャーの奇跡的な融合だ。世界限定500本。

 

■新興ブランドの圧倒的デザインセンス

L&JR
「STEP1」
価格:17万8000円(税別)

▲クオーツ、SS(ブラックPVD)ケース、ケース径45㎜

スイスには時計パーツを製造する企業がたくさんある。彼らはサプライヤーと呼ばれており、針専門やケース専門など細分化され、ハイレベルのパーツを供給する。そのためアイディアさえあれば、歴史の短い新興ブランドであっても、魅力的な時計を作る事ができるのだ。

「L&JR」は、時計業界にて要職を務めたヨルグ・イゼックJRを中心に、時計師やデザイナーらで構成される2018年デビューの新興ブランド。しかしながら圧倒的なデザインセンスで、早くも話題を集めている。

 

■高級腕時計に新感覚のサービスを導入

ボーム
「41MM レトログラード」
価格:630ドル

▲クオーツ、SS(ブラックPVD)ケース、ケース径41㎜

“スイス時計をオーダーする”という贅沢を可能にするのが、2018年に日本にて本格スタートする「ボーム」だ。このブランドはクオリティとクラフツマンシップを満たしながらも、新しい時計像を作るために生まれており、高級時計のコングロマリット「リシュモン」の傘下に収まるため、アフターサービス面でも心配は無用。

カスタマイズはオンライン上で行い、ケースサイズや針、ダイヤルなどを組み合わせることで約2000種の時計を作る事ができる。このモデルはレトログラード式のデイデイト。

>> [特集]2018年まとめ

 

(文/篠田哲生)

時計ジャーナリスト・篠田哲生(しのだ てつお)

男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。

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