1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

【ホンダ NSX試乗】ハイテクミッドシップが熟成!感性に響く走りが新型の真髄

&GP / 2019年1月13日 19時0分

【ホンダ NSX試乗】ハイテクミッドシップが熟成!感性に響く走りが新型の真髄

【ホンダ NSX試乗】ハイテクミッドシップが熟成!感性に響く走りが新型の真髄

ホンダのスーパースポーツモデル「NSX」。2016年8月に発表され、翌年からデリバリーが始まりましたが、日本の路上で走っている姿、ほとんど見ませんねぇ。

個人的に目にしたNSXの実車といえば、東京・青山にあるホンダのショールームと、埼玉・新座にあるホンダアクセス社のエントランスに飾られたレーシングカーくらい。ちょっと不思議なほど、見かけません。

そのNSXの改良モデルが発売になると聞いて、「さすがにセールス面でのテコ入れを図ったか!?」と邪推したのですが、違いました。2代目のNSXは、日本国内でも販売好調。年100台の予定が、2年間のうちに2倍に当たる約400台が売れたのだとか。うーん、そうだったのか!

■改良のキモはオレンジの新色だけじゃない

今回のマイナーチェンジの眼目は、サーマルオレンジ・パールという鮮やかなボディカラーの追加…もありますが、運動面での改良、ホンダいうところの“ダイナミクス性能の熟成”が主要なテーマ。カタログスペック上の変更はないものの、クルマとドライバーの一体感をさらに追求したスポーツカーに仕上げられました。具体的には、サスペンションに手が入れられ、車両制御のソフトウェアがアップデートされています。

ハイブリッド・スーパースポーツたる現行型NSXについて、ちょっと復習してみましょう。ボディの骨格は、アルミニウムを中心としたスペースフレーム構造。ボディパネルには、アルミのほか、カーボンファイバーや特殊な樹脂類が用いられます。車重1800kg。

いうまでもなく、内燃機関と3つのモーターを組み合わせた“スポーツハイブリッド SH-AWD”と名づけられた動力系が、NSX最大の特徴です。3.5リッターV6ターボ(507馬力)と、デュアルクラッチ式の9速ATとエンジンとの間に置かれたモーター(48馬力)で後輪を駆動。一方、フロントには、左右それぞれにモーター(37馬力)を配して前輪を回します。大きなアウトプットを持つスポーツカーの必然として、やや変則的ながら4WDの駆動方式を採っているわけです。

ハイブリッドスポーツゆえ、大容量のリチウムバッテリーを抱いたパワーユニットがキャビン後部に横断して置かれます。充電は、各モーターの回生機能ほか、必要に応じてリアのモーターが発電機として働くことで、電力を補います。

NSXのハイブリッドシステムは、燃費向上のため、というよりは、ある程度の回転数に至らないと一定のパワーを発揮できない内燃機関の弱点を、回転当初から大きな力を発揮できるモーターで補完することを狙ったもの。その恩恵で、V6エンジンは思いっきり高回転型に振ることができて、胸のすく回転フィールとパワーカーブを得ることができました。

さらに、前輪左右のモーターを活用し、左右の回転を別個にコントロール。コーナリング特性にも、人為的に手が入れられています。ヨー方向の制御を自由に行うという、ある意味、スポーツカーエンジニアの夢そのものを実現しているのです。

ただ、クルマに与えることができるダイナミクスの幅が広いだけに、作り手側の自制も求められます。スポーツカーは、実際のところはどうあれ、乗せられるものではなく、自らの手で操る、操りたい、少なくとも操っていると感じたいもの。「(クルマ側のコントロールを)やり過ぎると、ゲームみたいになっちゃいますから」と、技術者の方もおっしゃっていました。無数にある動的なパラメーターを、いかに人間の感覚に近いところへ落とし込むか。それがハイテクスポーツカーのキモで、もちろん一朝一夕では成し得ません。デビュー以来の熟成の結果が、今回、マイナーチェンジ版に反映されたわけです。

■アクセルを踏むと快音とともに軽々と加速

試乗車のNSXは、彩度の高いオレンジボディ、ニューカラーの1台でした。細かいことですが、ボンネットの先のノーズ部分が従来のシルバーからボディ同色になり、スポーティさがさらにアップ。メッシュパーツは、マット調からギラリと光るグロス仕上げに変更され、精悍さを増しています。

試乗車の内装は、新色のインディゴ仕様。アツい外観にクールな内装、いいですね。もし自分が買うとしたら「ヌーベルブルーパールのボディペイントに、オーキット(白)内装かな?」などと夢を広げられるのも、スポーツカーの大事なポイントです。

電子制御の塊ともいえるNSXなので、ドライビングモードの差別化もハッキリしています。モーターでの走行を優先する「クワイエット」モード、デフォルトである「スポーツ」、各種レスポンスが鋭くなる「スポーツ+」、そして、エンジンの高回転域を維持してピークパワーを引き出し、AWD機能ほかを駆使してコーナリング性能を最大化する「トラック」モードが用意されます。

標準状態をノーマルではなく、スポーツと名づけたのは全く正解で、システム最大出力581馬力を誇るNSXは、いうまでもなく十二分に速い。今回から標準装備となったアルミのアクセルペダルを軽く踏むだけで、快音とともに、1780kg(カーボンセラミックローター装着車)のボディが軽々と運ばれます。

足回りは、前後スタビライザーが強化されてロールを抑える方向に。また、ABS、トラクションコントロール、横滑り抑制機能などを総合制御し、急激な車両の挙動変化を抑制するVSA(ビークルスタビリティアシスト)がリセッティングされたほか、アクティブダンパーの特性が見直されるなど、各輪のコントロールも再調整されました。乗り心地は締まったものですが、ボディの剛性感が高いので、路面からの入力を跳ね返し、むしろスポーツカーらしい頼もしさを感じます。ステアリングの反応はシャープで、まごうかたなきリニアな運転感覚。電動パワーステアリングのアシスト量もチェックされ、適度な重さになっています。

ご存知の通り、ホンダの地産地消ポリシー(!?)に基づいて、北米のオハイオ工場で生産される2代目NSX。ホンダスタッフによると、生産国アメリカでは「指名買いが圧倒的」で、「その先進性に満足いただいている」といいます。さらに「“買い替え”ではなく“買い足し”が当たり前」ともいいます。まあ、そうなんでしょうなぁ。ワタシも、2370万円のスーパーカーを買い足してみたいものです。

それにしても、ニッポンで売れた400台ものNSXは、一体ドコを走っているのでしょう? 謎は深まるばかりです。新色のサーマルオレンジ・パールの個体なら、きっとひと目で見つけられるはずですが…。

<SPECIFICATIONS>
☆NSX
ボディサイズ:L4490×W1940×H1215mm
車重:1780kg(カーボンセラミックローター装着車)
駆動方式:4WD
エンジン:3492cc V型6気筒 DOHC ターボ+モーター
トランスミッション:9速AT(デュアルクラッチ式)
エンジン最高出力:507馬力/6500〜7500回転
エンジン最大トルク:56.1kgf-m/2000〜6000回転
モーター最高出力(前/後):37馬力(1基当たり)/48馬力
モーター最大トルク(前/後):7.4kgf-m/15.1kgf-m
価格:2370万円

(文&写真/ダン・アオキ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください