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80年代ロボットアニメを支えた“大河原メカ”のデザイン流儀【ニッポンの精密キャラホビー】

&GP / 2019年2月5日 20時0分

80年代ロボットアニメを支えた“大河原メカ”のデザイン流儀【ニッポンの精密キャラホビー】

80年代ロボットアニメを支えた“大河原メカ”のデザイン流儀【ニッポンの精密キャラホビー】

「次のアニメには、どんなロボットが登場するのだろう?」と、日本中の少年たちがワクワクしながらテレビの前に座り、模型店に足を運んだ1980年代…。

当時 “プラモデル映え” するロボットをデザインし、時代を牽引したのが、大河原邦男さんだ。80年代のロボット・プラモ全盛期は、大河原さんにはどう見えていたのだろう?

■ダグラムのヒットで1年半待たされたボトムズ

「初期の作品である『無敵超人ザンボット3』『無敵鋼人ダイターン3』を企画していた頃のサンライズ(当時日本サンライズ)は、とても小さな会社でした。私がメカデザインの作業を終えているのに、番組の制作がペンディングになってしまうこともあって、会社としては苦労したと思います」

そう話す大河原さんは1970年代、タツノコプロの『タイムボカン』シリーズなど、常に4本もの作品を抱える超売れっ子デザイナーだった。『戦闘メカ ザブングル』や『機甲界ガリアン』のように、主役ロボットだけを「どうしても」と頼まれる場合もあったという。

「たくさんデザインしていたので、主役ロボットの “勘所” は押さえていました。例えば、ガリアンは変形がシンプルな一方で、腕のラインを鳥の羽に見立てたところがポイント。顔よりも全体のシルエットを印象づけることが大事なんです。目をつむっても、そのロボットのイメージが頭に残るようにね」

'80年代にはガンプラのヒットで玩具の流れが一変する。

▲メカニックデザイナー 大河原邦男さん 1947年生まれ。東京造形大学卒業後、オンワード樫山を経てタツノコプロに入社。『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年)で、初めてメカニックデザインを手掛けた。タツノコを退社して中村光毅氏とともにデザインオフィスメカマンを設立、後にフリーとなる

「『ミクロマン』などを売っていたタカラも、ロボットのプラモデルに参入しました。かなり力を入れて展開したのが『太陽の牙ダグラム』シリーズ。脇役の戦闘ヘリやジープまでプラモデルになるほど売れましたね。ただ、身長10mのロボットのサイズ感が今ひとつ出ておらず、これはまずいと思って『ダグラム』放送直後に『装甲騎兵ボトムズ』の試作を作り、常に登場人物と対比できるよう、人間が乗り込める大きさにしました。腰の装甲板の分割可動は、すでに模型業界で試されていた機構を最初からデザインに組み込みました。だけど『ダグラム』が売れたので『ボトムズ』は一年半も待たされてしまったのです」

『ボトムズ』はキット化を意識した意欲的なものだったのだ。なお、バンダイの工場(現ホビーセンター)側が新素材の使用を提案することもあったという。

「紫外線に当てると色の変わる樹脂を開発していると聞かされました。その樹脂を使うことを想定して、大きなキャノピーの中にパイロットが見えるようにデザインしたのが『蒼き流星SPTレイズナー』です。実際にその樹脂は使われなかったのですが『機甲戦記ドラグナー』ではひとつのパーツに複数の色を成形するシステムインジェクションを初めて試しましたし、プラモデル技術の発展とデザインが連動してきた面はあります」

当時を振り返る中で「それにしても、いい時代でしたね」と、大河原さんは頬を緩めた。「新しい技術やアイデアにチャレンジでき、たとえ失敗してもほかの作品でカバーすればいい。毎日6~7時に必ずアニメが放送されていて、テレビを観ている子供たちも楽しかったでしょう。忙しかったけど、面白い時代でしたよ」

 

■シルエットが秀逸な超簡易キット!バンダイのガシャプラシリーズ

バンダイ
「ガシャプラ 装甲騎兵ボトムズ」(各400円)

ガシャポンのカプセルに入った、高さ数cmの組み立てキット。可動箇所こそ少ないものの、武器に至るまで各部の形状は劇中のイメージそのもの。コクピットの細部まで再現されている。プラモデル同様に、塗装や改造も楽しめるPS樹脂製。

▲緑を含めた4色をラインナップ。武器パーツも用意されていて、背面や腕にセットするだけで、劇中の機体により近くなる

■細部まで作り込まれているマックスファクトリーのダグラムシリーズ

マックスファクトリー
「COMBAT ARMORS MAX14 1/72 ダグラム 対空武装強化型 ザック装備タイプ」(4900円)

かつて、タカラから「2連装対空砲ザック装着タイプ」として発売された劇中
未登場のダグラムを、マックスファクトリーが新たにキット化。タカラ版の箱絵
に描かれていたマーキングを完全再現できるなど、ツボを押さえた商品だ。

 

マックスファクトリー
「COMBAT ARMORS MAX02 1/72ソルティックH8 ラウンドフェイサー」(3909円)

複数の成形色やスナップフィットの採用によって、組み立てるだけで理想的な出来のソルティックを手にできる。頭部キャノピーの窓枠は塗装済みなので、プラモデルを買うのは30年ぶりという人でも安心なキットだ。

 

マックスファクトリー
「COMBAT ARMORS MAX13 1/72 サバロフ AG9 ニコラエフ」(5000円)

『ダグラム』の最終話近くに登場したマイナーなコンバットアーマーを、最新技術の投入でプラモデル化。微妙なカーブで構成されているユニークな上半身には、単調にならないよう最低限のディテールが加えられている。

 

■手のひらサイズでしっかり変形!バンダイのスーパーミニプラシリーズ

お菓子とオモチャがセットになった「食玩」カテゴリーでありながら、1970~1980年代のロボットたちを積極的にラインナップ。過去にバンダイがプラモデル化しなかったアイテムが多いため、次に何が出るのか全く目の離せない大注目の組み立てキットシリーズだ。

設定画どおりの理想的なフォルムとともに、劇中そっくりのポーズが取れる可動域の広さを実現。また、各パーツは複数の色で成形され、目などの細部があらかじめ塗装されており、誰もが完成度の高いロボット・プラモを簡単に組み立てられる。合体や変形には一部のパーツを丸ごと取り替えるなど、大胆な設計でフォルムを崩さないよう工夫してあるのも好印象だ。

バンダイ
「スーパーミニプラ 戦闘メカザブングル(カラーA)」(各918円)

全4種そろえると小型ウォーカーマシンと合体分離が可能なザブングルが出来上が
る。肩や腕に装備するオプション武器が付き、キャノピーはクリアパーツ。1980
年代の理想が具現された好キットだ。

 

バンダイ
「スーパーミニプラ 機甲界ガリアン」(各2052円)

▲アニメ版・ガリアン重装改

テレビ版のガリアンとOVA版のガリアン(鉄巨神)の2種類をラインナップ。テレビ版は変形・合体・分離ができる “重装改” で、プレイバリューが高い。敵側の機甲兵も通販限定で、続々とキット化されている。

▲OVA版・鉄巨神ガリアン

 

Ⓒサンライズ Ⓒ創通・サンライズ
本記事の内容はGoodsPress12月84-85ページに掲載されています

>> ニッポンの精密キャラホビー

 

(取材・文/廣田恵介 写真/下城英悟 松山勇樹)

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