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ゴジラの最新フィギュアは恐ろしいほど迫力満点【ニッポンの精密キャラホビー】

&GP / 2019年2月9日 20時0分

ゴジラの最新フィギュアは恐ろしいほど迫力満点【ニッポンの精密キャラホビー】

ゴジラの最新フィギュアは恐ろしいほど迫力満点【ニッポンの精密キャラホビー】

第1作目の上映から今年で65年目を迎えるゴジラ。特撮怪獣映画シリーズの代名詞として、ハリウッドでも映画が製作されてきた。今やゴジラは世界共通言語と言えよう。

そんな作品に関するフィギュアの原型を数多く手掛けてきたのが、ゴジラ造形の第一人者である酒井ゆうじさん。造形のこだわりとともにゴジラの魅力を聞いた。

■原型製作は常にゼロからのスタート

現在までに酒井さんが手掛けてきた造形作品は、およそ171体。そのうち、実に約9割の題材が、ゴジラシリーズの怪獣に関連している。そんな酒井さんのゴジラ愛というべき情熱は、少年時代の経験から芽生えたものだとか。

▲原型師酒井ゆうじさん 1958年生まれ、福島県出身。「第二回海洋堂アートプラ大賞」大賞を機に広告代理店を退職し、プロの造形師として始動。大手メーカーの原型製作に加え、自ら主催する「酒井ゆうじ造型工房」でも作品を発表している

「私のゴジラ原体験は、映画館の最前列で見た『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年公開)です。映画の迫力を家に連れ帰れないという、子供の頃のフラストレーションが、リアルなフィギュアによって映画館の興奮をカタチにする、原型師という仕事に、自らを駆り立てたのではないかと思いますね」

作品には、アイテムが重なるものもあるが、それぞれが異なるリアルに満ちている点も、酒井版ゴジラの大きな魅力だ。

「腹部のモールドや背びれの流れなどは、資料を見ながら正確に起こします。ヒダの厚みやシルエットが少しでも変わると映画のような姿になりません。一番こだわるポイントですね。ただ、作る時代によって資料の数も増え、私自身のシーンの見方や解釈も変わります。それに原型製作は常にゼロから始めますから、アイテムは同じでも、特に意識することなく違う個性が宿るのでしょうね」

時には造形以外の仕事もこなしている酒井さん。可動が特徴のバンダイ「S.H.MonsterArts」では、彩色、分割可動表現に関する監修も務めている。

▲酒井さんの仕事場。“芯” といわれる原型のベースは紙粘土をこねて仕上げ、スカルピーで表面処理を施すという流れが、酒井さんの造形製作の基本工程。「道具は適材適所、いろいろ使いますね。モールドをつける時は、スパチュラを使うことが多いです」

「可動が前提ですから、造形はスタンダードなポーズで仕上げています。『ゴジラ(1962)』は、前から見るとひょうきんで、横から見るとトカゲ顔という頭部、背びれの細かいモールドや形状、そして頭と背びれに対しての比率にこだわりました。

『ゴジラ(2002)』では、独特な首元を表現するため納得できるまで作り直しています。可動により、オープニングの雄叫びをあげるシーンも再現できるので、上を向いた時の表情や、口を開いた際の歯の表現にもこだわりました」

こうした新発想の製品との出合いに刺激を受けながら、創作意欲はまだ尽きないと語る。

▲これまで手掛けた作品の数々。「ラフを元に頭から作っていきます。そのため、イメージ通りにできないと前には進めないので、一切気を抜くことはできない」(酒井さん)

「原型を作る際は、今でも“映画のあのシーンを作りたい” というところから始まります。ゴジラ映画は名場面が多いので、切り取りたいシーンは限りないですね。一方で、映画にないシーンを描く作品では、最初にポージングを決め、着ぐるみとは異なる生物感を出すこともあります。この両輪で作り続け、気づいたら30年が経っていた感じです。紙粘土をこねながら全神経を集中させ、一生懸命に向き合って作る…。この姿勢は30年間何も変わりません」

■『キングコング対ゴジラ』

アメリカ怪獣の元祖「キングコング」との対決を描く、1962年公開のゴジラシリーズ第3作。ゴジラ映画初のカラー作品で、ゴジラVS怪獣という怪獣映画の図式が形作られた。

▼リアル感を損なわずに多彩なアクションを実現

TAMASHII NATIONS
「S.H.MonsterArts ゴジラ(1962)」(9936円 ※受注終了)

荒々しい背びれや全体的にボリュームのあるプロポーション、角度によって異なる顔の造作など“キンゴジ”の特徴をリアルに再現。「造形や彩色は、クライマックスの富士山麓での激闘をイメージしました」(酒井さん)。

独特な顔立ちによって高い人気を誇る “キンゴジ”(『キングコング対ゴジラ』版の略)。劇中で見せるユニークな動きも分割駆動で再現。光線のエフェクトパーツも付属する

 

■『ゴジラ×メカゴジラ』

「ゴジラシリーズ」第26作として2002年に公開。自衛隊全面協力のもと、実車両なども多数登場するなどリアル感が高い。主演した釈由美子さんにちなみ“釈ゴジ”とも呼ばれる。

▼パーツ分割により“釈ゴジ”の雄叫びシーンを再現!

TAMASHII NATIONS
「S.H.MonsterArtsゴジラ(2002)」(9180円)

映画冒頭の登場シーンで雄叫びをあげるポーズを再現するためのパーツ分割によって、頭部を上方に大きく可動。特徴的な首元の造形もリアルに表現され、開閉式の口は、複雑で鋭い歯の細部までも再現されている。

酒井作品特有の映画のワンシーンを切り取ったような造形を堪能できる本作。ゴジラが上を向いて口を開いた際の全体的なバランスをはじめ、可動表現にもこだわったという。

 

■ゴジラのデカさを感じる海洋堂の巨大アイテム!

▼ガレージキット黎明期の幻の傑作が復活!

海洋堂
「サイファイモンスター ソフトビニールモデルキットコレクションゴジラ 1954(60cm 初ゴジ)」(5万1840円)

1980年代に新興メーカー「マーメイド」から発表された全高60cmの傑作ガレージキット「初代ゴジラ」を、ソフビキットとして30年ぶりに復刻。巧みな分割・成型でパーツ数が抑えられており、簡単に組み立てられる。

▼酒井ゆうじの記念碑的作品を復刻!

海洋堂
「ゴジラ 1989 1/80 ソフビキット」(15万1200円)

酒井ゆうじさんが1990年に発表した、全高1m、全長1.5mの『ゴジラVSビオランテ』が受注生産品のソフビ製ガレージキットで復活。圧倒的な存在感を放つ太く長い尻尾は6パーツ構成。迫力と生物感に満ちた造形を堪能できる。

 

■装備まで忠実に再現したアオシマのプラモデル!

▼成型パーツの質感がいかにもメカらしい

アオシマ
「ゴジラ×メカゴジラ MFS-3 3式機龍」(9504円)

『ゴジラ×メカゴジラ』の作品で、ゴジラと白熱のバトルを繰り広げた超兵器が、色分け成型、接着剤不要のスナップ式プラモデルで登場。デザインワーク担当の西川伸司氏による全面監修で、リアルな可動を実現している。

▲アームユニットから延びるナイフやレッドアイパーツなど、機龍を象徴する多彩なアイテムが同梱。劇中で印象的なシーンの数々を再現できる

 

>> ニッポンの精密キャラホビー

TM&©TOHO.,LTD.
本記事の内容はGoodsPress12月号90-91ページに掲載されています

(取材・文/大石七里 写真/羽田洋<プロペラ映像制作所>)

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