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【知識】時間が狂わないのはどっち?「クオーツ式」と「機械式」時計の違い

&GP / 2019年5月29日 6時30分

【知識】時間が狂わないのはどっち?「クオーツ式」と「機械式」時計の違い

【知識】時間が狂わないのはどっち?「クオーツ式」と「機械式」時計の違い

【時計の基礎知識/「ムーブメント」編】

さてさて、何の知識もなく腕時計を買いに家電量販店やデパートの時計売場を見て回る人がいたと仮定して、その人はおそらく愕然とすることでしょう、その価格の幅広さに。

“腕時計”というおなじ括りの中で、下は吊るしのブリスターパックで売られている1000円、上はショーケースに鎮座する数百万円、こんなに幅広い価格帯のある品物って、そうそう存在しないのではないでしょうか。

「何を買ったらいいのか、どんな基準で選べばいいのか、わからないよ!」

そんな人のために、セレクトの軸を決めるべく、知っておくべき時計の基礎知識を身につけておきましょう。今回は、基本の“キ”の字、内側にある腕時計の心臓部「ムーブメント」についてを徒然なるままに語っていきます。

ではここで問題です!

1000円のクオーツ式腕時計Aと、100万円の機械式腕時計Bがあるとして、時間が狂いにくいのはどちらでしょうか?

■時計の動力源「ムーブメント」は、ゼンマイ式か電池式かに別れる

 

答えは…そう、“A”のクオーツ式腕時計です。「えっ!?」と思われた方もいるでしょう。

一見すると摩訶不思議なこの現象は、時計の内側に入っている機構「ムーブメント」の種類に起因します。

ムーブメントには大きく分けて「クオーツ式」と「機械式」の二種類に大別できます。1000円前後の腕時計には例外なくクオーツのムーブメントが積まれていますが、数十万〜数百万円するような高級腕時計には、機械式のムーブメントが積まれていることがほとんどです。

まず「クオーツ式」は、ボタン電池を使用するタイプやソーラー発電タイプなどの“電力”が動力源になっています。水晶に電圧をかけると振動する、という特性を利用して針を調速しています。電波を受信して自動で時刻調整をする電波時計なども、調速機構には水晶振動を用いているのでクオーツに分類されます。

一方の「機械式」は、ムーブメント内部の“ゼンマイ”が巻き上げられ、それをほどく力を歯車に伝えて針を動かします。つまり、電源を必要としないのが特徴です。

その中でもさらに、動力源であるゼンマイの巻き方が、時刻調整をする際などに動かす「リューズ」を回してゼンマイを巻いていく「手巻き」タイプ。また、腕を振るといった日々の動作の中でゼンマイが勝手に巻かれる「自動巻き」タイプ、の二種類に分類されます。

■精度の高さは振動数の多さで決まる

この“振動”というのがひとつのキーワードで、機械式は1秒間に8回振動(ムーブメントによっては5振動、6振動、10振動なども)して時を刻んでいきます。

この振動数が言わば時計を動かすための最小単位で、細ければ細かいほど正確な時を刻むことが可能になります。そんな中、クオーツの振動数はなんと3万2768振動!

機械式とは文字通り桁違いの振動数の多さで、一般的に機械式が月差±300〜900秒(日差±10〜30秒)に対して、クオーツは月差±20秒。両者の間には圧倒的な精度の差があります。

しかし、高級腕時計の機械式ムーブメントは、パーツの研磨や新機構の開発、素材選びなど、あらゆるところにコストを惜しまずに作られています。

それに対して、クオーツ式ムーブメントは約50年ほど前に市場に登場し、当初は機械式よりも高価な存在でしたが、技術革新によって大量生産が可能となり、基本的には求めやすい価格になりました。まあ、数十万円する高級クオーツや、機械式とクオーツ時計の長所を組み合わせたセイコーの「スプリングドライブ」という特殊な機構も存在しますが。

■それぞれのメリット、デメリットを考えよう

軽量かつ精度の高さを追求し、大量生産を可能にしたことで手に取りやすくなったクオーツ式。一方、時計技師が手作業で部品から組み立て、ゼンマイによるアナログ動力にロマンを求める機械式。どちらも一長一短あるわけですが、最後に特徴をまとめておきましょう。

<クオーツ式時計>
■メリット
・耐衝撃性に優れる製品が多くメンテナンスをあまり必要としない
・低価格で購入可能
・精度が高く、放置していても動き続ける
・磁気の影響を受けにくい

■デメリット
・自分で電池交換することはできない
・分解修理を前提としないため長期の利用は難しい

 

<機械式時計>
■メリット
・電池切れの心配がなく、メンテナンスすれば何十年も使用できる
・各ブランドともに人に語りたくなる古い歴史がある
・内部機構の複雑さに応じて時計以外の機能も楽しむことができる
(天体の暦を反映するなど、複雑時計と呼ばれる技術)

■デメリット
・定期的にオーバーホールをしないと精度が低くなる
・クオーツに比べて高額な商品が多い
・精密機器のため衝撃や磁気に弱い

*  *  *

精度ではクオーツ式に劣る印象が残る機械式時計ですが、高価格帯を中心に今なお愛好家は絶えません。その理由は、やはりロレックスやオメガといったブランドの持つ歴史的な背景に魅了されている部分も大きいでしょう。「この腕時計、アポロと一緒に宇宙へ行ったんだぜ」とか、飲み屋でドヤりたくなるヒストリーがいっぱい。ひとつひとつ手作業で時計技師が開発、組み上げる精密さにこうした人類の叡智を感じるのも、機械式の楽しみ方。

一方、利便性に優れるクオーツ式は、タフに使えてデイリーユースにもってこい。それこそ100均ショップで手に入るものから、高精度・高機能を搭載した最先端モデルまで幅広くセレクト可能な汎用性の高さがあります。特にスマホが普及したことによる、時計への磁気の影響を受けにくいところも、精度の高さに一役買っています。

それぞれの特徴を知れば、腕時計の選び方も変わってくるはず。自分のスタイルに合わせた一本を見つけて、大人の腕時計ライフを楽しみましょう!

 

 

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