"男”カワサキを販売台数首位に押し上げた立役者「Z900RS」の魅力とは!?
&GP / 2019年2月28日 20時0分
"男”カワサキを販売台数首位に押し上げた立役者「Z900RS」の魅力とは!?
2018年、バイク業界にちょっとした異変が起きました。国産メーカーであるホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4社は"4大メーカー”なんて言われ方をすることもありますが、その勢力図が塗り替えられたのです。
年間の販売台数(251cc以上の小型二輪車)で長年首位の座に君臨していたホンダに代わってその座に着いたのはカワサキ。1997年の統計開始以来、同社が1位となるのは初めてのことです。
その原動力となったのが、2017年の12月に発売された「Z900RS」というモデルです。写真を見たら「ああ、知ってる」と思う人も多いかもしれません。それくらい、このバイクは売れているのです。2018年の販売台数ランキングでは圧倒的なトップ!
なかには「あれ? ゼッツー!?」なんて思う昔からのバイク好きもいることでしょう。
そう。このバイクが売れている理由のひとつは、そのスタイリングにあります。同社が1970年代に販売していた名車「Z1」や「Z2」(正式名称は「750RS」。愛称「ゼッツー」)のデザインを見事に復活させているのです。
とはいえ、よく見ると細部のデザインは「Z1/Z2」と「Z900RS」はかなり違います。いや、実のところ違っているのは細部ではなく基本的な車体の設計なのです。
「Z1/Z2」は空冷エンジンにリアサスは2本タイプなのに対して、「Z900RS」は水冷エンジンに1本サス。フロントフォークだって倒立式になっています。それでも一瞬見ただけで「ゼッツー!?」と思わせてしまうのは、その特徴的なカラーリングのガソリンタンクによるところが大きいでしょう。「Z1/Z2」が売られていた当時“火の玉カラー”なんて呼ばれていた色です。
実は、このタンクを積むために「Z900RS」はフレームをわざわざ新設計しています。タンクのかたちのためだけに、フレームを作り直すなんて聞いたことありませんが、これだけ売れるきっかけとなったのだから、そのこだわりは正解だったのでしょう。ニーグリップしやすいようにプレス面のない構造とし、カラーリングも凹凸のない水転写式デカールを使用するなど細かい部分まで手間がかけられています。
タンクから流れるようなラインでつながるサイドカバーのデザインも「Z1/Z2」を思わせるもの。シートもかつてのカスタムマシンを連想させるクラシカルなデザインで、気分を盛り上げてくれます。そして、メッキの砲弾タイプとされたメーターや、「Z1/Z2」と同形状にしたミラーなど、細部の仕上げもこだわり溢れるもの。近年は“ネオ・クラシック”と呼ばれる旧き良き時代のデザインを現代の技術で再現したモデルが人気ですが、「Z900RS」はその極みに立つものだといえるでしょう。
しかし、「Z900RS」は決して見た目だけで売れているバイクではありません。乗ってみると、誰もが欲しくなってしまう魅力的な乗り味も支持を集めるポイントです。実際にまたがってみると、見た目の迫力に反して車体は意外なほどコンパクト。幅が絞り込まれたシートの恩恵もあって、足付きもこのクラスとしては非常に良好。
エンジンは4気筒の948cc。水冷エンジンにも関わらず、空冷時代を思わせるような大きめのフィンが刻まれているのも気分を盛り上げてくれます。最高出力は111PSと現代の1000ccクラスのバイクとしては、驚くような数値ではありませんが、215kgと軽量な車体と相まって加速は俊敏。何よりも、車体がコンパクトなので、自分の手の内でコントロールしている感覚が味わえるのが、このバイクの魅力です。街中でも峠道でも、曲がろうと思ったところで自在に曲がれて、しかもそのフィーリングが気持ちいい。「Z900RS」より速いバイクはいくらもありますが、どんなシーンでもここまで思い通りに操れるビッグバイクはなかなかないはずです。
かつて一世を風靡した「Z1/Z2」はカワサキが世界最高峰の性能を目指して開発し、実際にその座に着いたマシンでした。しかし、その後の長きに渡って愛され続けたのは、速さだけでなく乗りやすさも持っていたから。「Z900RS」は「Z1/Z2」のスタイリングだけでなく、その乗りやすさや運動性能も再現している点が、これだけ多くの支持を集めている理由でしょう。そして「Z1/Z2」がカワサキを世界のトップメーカーの座に押し上げたように、今、再び同社の躍進させる原動力となっているのです。
>> カワサキ「Z900RS」
(取材・文/増谷茂樹)
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