【趣味のためのクルマ選び・ホンダ シャトル】独自の“センタータンク”で荷室の使い勝手◎
&GP / 2015年12月4日 21時0分
【趣味のためのクルマ選び・ホンダ シャトル】独自の“センタータンク”で荷室の使い勝手◎
「5人乗れてロケ用の機材も積める」「ロケハンに重宝する手頃なボディサイズ」「できれば4WDモデルがいい」…。
そんな理想のカメラカー=機材運搬車を探して、人気のクルマをチェックする当企画。前回のフォルクスワーゲン「ゴルフ オールトラック」に続いて、今回は、ホンダ「シャトル」のハイブリッド仕様を試してみました。
国産ステーションワゴンの中でカメラカーを探すなら、トヨタの「カローラ フィールダー」が王道かもしれませんが、ちょっと退屈な選択肢っぽい。もちろん、スバル「レヴォーグ」の実力は鉄板ですが、少々お高い。そこで目を付けたのが、シャトルだったわけです。
「奥行きは短めながら、天地の高さで広さを補った」ラゲッジルームが、注目ポイントです。
■荷室の実用性の高さは“筋金入り”
シャトルは見た目からも分かるとおり「フィット」のワゴン版。先代は「フィット シャトル」というネーミングでしたが、新型は名前からフィットが落ちました。これは「シャトルを“フィットの上位モデル”に位置づけたい」ためだとか。
先々代モデルにあたる「エアウェイブ」(懐かしい!?)は、顔付きをフィットからガラリと変えて差別化をしていましたが、今回はインテリアの小変更で上位モデルであることを主張しています。タッチパネル式のセンターコンソール、インパネにあしらわれる凝ったパネル類、そして、未来的な造形のATシフター…。シャトル、なかなか頑張っています!
クルマのつくりは、フィットと同じ2530mmというホイールベースに、ラゲッジスペース部を中心に全長を45mm延ばしたボディが組み合わされています。4400mmの全長は、奇しくもカローラー フィールダーと同寸。それでいて荷室の容量は、フィールダーの407リッターに対しシャトルは570リッターと、大きく上回ります(いずれもVDA方式)。
これが“センタータンクレイアウト”のマジックなんですね。通常、リアシートの下や荷室の下に置かれることが多い燃料タンクが、シャトルの場合、前席の下に位置しています。おかげで、荷室の床をググッと低くできました。荷物を入れるスペースを、「前後」の奥行きではなく「天地」で稼げるわけです。その分、無闇にボディが長くならないので、狭い街中でも取り回しはラク。
理屈では分かっていても、実際にシャトルのリアゲートを開けて荷室を見ると、その広さにビックリ。さらに、膝上ほどの位置に荷室開口部の下面(54cm)が位置しているのにも好感。重い機材の出し入れに、ありがたい!
さっそく機材を積み込んでみると…。カメラバッグ、3段の脚立、ライトスタンドバッグ(長さ120cm)、三脚、レフ板セット、ふたつの大型ストロボ、そして、メイクさんのバッグ(を模したトラベルケース)を楽々と飲み込んで、まだまだ余裕あり(さらに、床下収納まで用意されているんです!)。
そういえば、エアウェイブの時代には、同じボディを商用バンの「パートナー」として使っていましたっけ。孫モデルにあたるシャトルの実用性の高さは、“筋金入り”というわけです。
シャトルの動力系は、基本的にフィットと同じ。1.5リッター直4エンジン(110馬力/13.7kg-m)に7速のデュアルクラッチ式トランスミッションを組み合わせたハイブリッドモデルと、同エンジン+CVTのガソリン車に大別されます。
注目装備は、ハイブリッドの「X」と「Z」に奢られる“振幅感応型ダンパー”。細かい振動は素早く吸収し、コーナリング時などの大入力時にはしっかりロールを抑える。“フィットの上級モデル”という売り文句を納得させるだけの、良好な乗り心地を提供してくれます。シャトルを荷車としてビシバシ使う場合、長距離の移動や、荷物によって車重が変わることも多いでしょうから、これは必須でしょう!
シャトルの装備表やオプションカタログを眺めながら「ああでもない」「こうでもない」と楽しく迷う日々が続きそうです。
<SPECIFICATIONS>
☆ハイブリッド Z(4WD)
ボディサイズ:L4400×W1695×H1570mm
車重:1300kg
駆動方式:4WD
エンジン:1496cc 直列4気筒DOHC 16バルブ+モーター
トランスミッション:7速AT(デュアルクラッチ式)
エンジン最高出力:110馬力/6000回転
エンジン最大トルク:13.7kg-m/5000回転
モーター最高出力:29.5馬力
モーター最大トルク:16.3kg-m
価格:254万2000円
(文&写真/ダン・アオキ)
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