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海外でも安くiPhoneを使いたいなら覚えておきたい便利なeSIM設定

&GP / 2019年3月9日 13時0分

海外でも安くiPhoneを使いたいなら覚えておきたい便利なeSIM設定

海外でも安くiPhoneを使いたいなら覚えておきたい便利なeSIM設定

iPhone XS/XS Max/XRは、ナノSIMとeSIMのデュアルSIMに対応しました。これは言い換えると、「いつものSIMを挿したままで、設定画面から別のプリペイドの通信プランを買えるようになったよ!」ってこと。特に海外旅行や出張の際には、現地での通信を確保する心強い手段です。

しかし、そんなeSIMはどうやって使えば良いのか——。ちょっとハードルは高いですが、本記事では、「Ubigi(ユビジ)」というサービスを例に、その使い方を紹介します。海外へ行く際には、ぜひ試してみてください。

うまく活用すれば、エリアによっては海外向けのモバイルWi-Fiルーターを借りてくよりずっと安くあがることもあるかもしれませんよ。

 

■Ubigiとは何者か?

「Ubigi(ユビジ)」とは、創業19年になるフランスの老舗MVNO「Transatel(トランサテル)」が提供する通信サービス。同社はパリに本拠地を置き、ワールドワイドにサービスを提供しています。

ちなみに、2019年2月28日にはNTT ComがTransatelの株式取得を完了し、関連子会社化しました。そんな背景もあり、日本としても今後特に注目したいサービスの一つでもあります。

さて、このUbigiというブランドで、iPhone向けeSIMのデータプランが提供されています。使い方はやや複雑ですが、本記事に記した手順を参考にしてもらえれば、さほど苦労はしないで設定できるでしょう。

 

■大まかな利用の流れ

まず、大まかな流れを確認しましょう。UbigiのeSIMプランを使うには、次の6つのステップが必要になります。アプリをインストールするだけでは使えないので、ご注意ください。

  1. eSIM対応iPhoneのSIMロックを解除する
  2. ウェブサイトで利用者登録をする
  3. 「Ubigi」アプリをインストールする
  4. iPhoneの設定からeSIM登録する
  5. iPhoneの設定で通信を有効にする
  6. 「Ubigi」アプリでプランを購入する

以降は、この5つのステップの詳細を解説していきます。(1)〜(4)は国内にいる間に済ませておくと楽です。

 

1. SIMロックを解除する

まずは事前準備が肝心です。eSIM機能に対応したiPhone(XS/XS Max/XR)を用意しただけではダメ。必ず「SIMロック」を解除しておいてください。

SIMロックとは、キャリアで購入した端末に「他者の通信プランが使えないように」かけられた制限のこと。格安SIMの使い方で、よく話題になるテーマです。eSIMもこの制限の対象なので、利用前には必ずロックを解除しておかなくてはいけません。

キャリアによって解除するための条件は微妙に異なりますが、ウェブサイトや窓口で対応してもらえるので、調べてみてください(難しそうな話題ですが、実際やると簡単なのでここで諦めないように!)。

少し情報は古いですが、auの公式サイトからSIMロックを解除する手順については、こちらの記事を参照してください。

[関連記事]超簡単!auのiPhone 6sをSIMロック解除して格安SIMを使ってみた

 

2. ウェブサイトから利用者登録する

SIMフリーのeSIM対応iPhoneが用意できたら、続いてブラウザからUbigiのウェブサイトを開き、利用者登録を行っていきます。

公式サイトをみると「eSIMプロファイルを注文する」とか「eSIM ORDER FORM」とか怖そうな文句が書いてありますが、何のことはありません。フォームに必要事項を入力するだけです。名前や使用する端末、登録用のメールアドレスなどを入力すればOK。

▲公式サイトにアクセスし、「無料のeSIMプロファイルを注文する…」をタップ(左)。必要な情報を入力し、プライバシーポリシーの同意にチェックを入れ、「Send」をタップ(右)

これでフォームに入力したメールアドレス宛に、登録に必要なQRコードが送られてきます。

このあと、QRコードを読み込む手順が出てくるので、端末がもう1台あると安心です。パソコンでもAndroidでも、パートナーの古めのiPhoneでもなんでもOK。スクリーンショットを共有するなどして、eSIMを使うiPhone以外の画面にQRコードを出せるようにしておきましょう。もちろん、プリンタが利用できる場合は、紙に出力しても大丈夫です。

 

3.「Ubigi」アプリをインストール

事前準備として、この段階でApp Storeで「Ubigi」アプリをインストールしておきます。

▲AppStoreから「Ubigi」をインストールしておく。まだ起動しても利用できない

この時点では、まだアプリを起動しても使えません。インストールするだけでOKです。

 

4. iPhoneの設定を開く

続いて、iPhoneの「設定」アプリを開き、「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」をタップします。

▲「設定」を起動し、「モバイル通信」>「モバイル通信プラン を追加」をタップ

ここから先ほど届いたQRコードを読み取ると、通信に必要な設定が行われます。「あっ、QRコードだからいつもみたいにカメラを起動して…」という思考回路で、普通のカメラから読み込んではダメですよ。必ず設定アプリから読み込みましょう。

▲スキャン画面が起動したら、メールアドレスに届いたQRコードを読み込む(左)。「続ける」をタップ(右)。ちなみに、同画面から通信回線の表示名をカスタマイズできるので、「副回線」の欄をタップし、「カスタム名称」を選択して「Ubigi」としておくと後々管理しやすい

 

5. iPhoneの設定でUbigiを有効にする

ここからは実際に海外で行う操作になります。eSIMの設定が完了したら、Ubigiの通信に切り替えます。この時点ではまだUbigiの通信プランを契約できていませんが、気にしなくてOK。

使用するモバイル通信を「Ubigi」に切り替えて、「データローミング」を有効にしましょう。

▲①データローミングをオンにし、②〜③Ubigiのモバイル通信プランをオンにする(オンになっていることを確認する)。④〜⑤モバイルデータ通信をUbigiに切り替える

 

6.「Ubigi」アプリで通信プランを購入

Wi-Fiをオフにしてください。そして、「Ubigi」アプリを起動します。ここで通信プランを購入していきます。

[補足]
この時点ではまだUbigiの通信プランを購入したわけではありませんが、Ubigiの回線でちょっとだけ通信できる仕組みになっています。この状態になると「Ubigi」アプリの中身にアクセスできるのです。未契約の状態でもUbigiの回線を使用してプランを購入できるということは、言い換えると「Wi-Fi環境が無くても通信プランを契約できる」ということ。一度初期設定を済ませておけば、2度目の利用からは現地で⑤〜⑥の手順のみを行えば済むのでありがたいですよ。

▲「Ubigi」アプリを起動し、必要事項を入力(左)(2回目以降はログインを行う)。「一回限りのデータプラン」を選択(右)

▲通信プランを選択する。今回はスペイン3GB、$9を使用した

支払いにはクレジットカードのほか「PayPal」なども使用可能です。

▲支払い方法を選択して、購入を実行すれば完了。今回は「PayPal」を使ってみた。アカウントにログインして、画面指示通りに手順を進めよう

これで、Ubigiの通信プランが有効になります。今回筆者はスペインのバルセロナで利用したので、「Ubigi」のアンテナ表示は現地キャリアの「Orange」になっていました。速度は大体アベレージで10Mbps弱出ていました(もちろん路地裏はアンテナが無くて3Gになってしまったりもしますが、それは街のネットワークのせい)。

▲Ubigiアプリから残量が確認できる(左)。通信速度も安定していた(右)

▲auの世界データ定額を併用した状態。au回線をローミングで使っている(K)と、Ubigi回線をローミングで使っている(U)が同時に表示されている。もちろんau回線をオフにして、Ubigiだけにして使ってもOK(その場合、通話は使えない)

*  *  *

UbigiのeSIMプランは、初期設定こそ面倒ですが、使いこなせばその場で、Wi-Fiなしで通信プランをゲットできる優れもの。対応するiPhoneがあるならば使えるようにしておきたいサービスです。

eSIMのデータプランでは、通話用の電話番号こそ付与されませんが、その分知らない電話番号からガンガン電話がかかってくる(海外で購入する物理プリペイド SIMだとありがち)ような事態がないのはメリットとも言えます。そもそもLINEやFacebook Messengerなどで連絡をとる人達にとっては、さほど困ることもありません。

ちなみに、どうしてもぶっつけ本番で使うのが心配という場合には、日本国内でもプリペイドプランを購入できるので、予行練習として一度使っておくのもアリですよ。

>> Ubigi

 

(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。

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