2画面、5カメラ、触れずに操作…。最先端を突き進むLGの最新スマホ【MWC19】
&GP / 2019年3月7日 20時0分
2画面、5カメラ、触れずに操作…。最先端を突き進むLGの最新スマホ【MWC19】
2月25日〜27日にスペイン・バルセロナにて開催された世界最大のモバイル関連の展示会「MWC19 Barcelona(以下、MWC)」。例年、多くのスマートフォンメーカーが最新モデルを出展し、これからのトレンドも見えてくるイベントです。LGエレクトロニクスも、MWCも合わせて最新フラッグシップ2モデルを発表。なかなかユニークなモデルだったので、“日本でも発売してほしいなぁ” という思いを込めて紹介します。
■2画面スマホとしても使える「LG V50 ThinQ」
まずは、5Gに対応する「LG V50 ThinQ」。日本では、ドコモとauから発売された「V30+」の流れを汲むモデルで、グローバルでは2018年秋に発売された「V40 ThinQ」の後継機にあたります。
▲6.4インチの大画面ディスプレイを搭載。上部にノッチ(切り欠き)があり、デュアルカメラを搭載
V50 ThinQの最大の特徴は、次世代の高速通信「5G」で使えること。海外では、今年が「5G元年」と呼ばれており、このV50 ThinQは、まずアメリカのSprint向けの5G対応の第1弾モデルとして発売されることが決まっています。日本で5Gの商用サービスが始まるのは2020年なので、もし今年、このモデルが日本で発売されたとしても5Gは利用できません。ですが、5Gだけでなく4Gでも使える仕様になっているので、発売される可能性がゼロというわけではありません。
▲5Gモデルとして発売されるが、残念ながら日本のキャリア名は発表されなかった
高速通信・低遅延といった5Gのポテンシャルに合わせた機能も搭載しています。それが「LG Dual Screen」という機能。V50 ThinQは6.4インチ(3120×1400ドット)の有機ELディスプレイを搭載していますが、同サイズのディスプレイが付いているケースに取り付けることで、“2画面スマホ” に変身するんです。
▲ディスプレイ付きのケースが別売またはセットで販売される予定
▲ケースに入れて折りたたんだ状態
2つの画面で異なるアプリを起動したり、それらのアプリ間でファイル共有を行ったり、ゲームをする時に1つの画面をコントローラーとして使えたりと、用途はいろいろ。サムスンやファーウェイは、ディスプレイが折り曲がるスマホを発表して大きな話題となっていますが、LGの “画面を追加して、折りたたんで持ち歩ける” というアプローチは実用的で、耐久性の面でも安心できるように思えました。
▲追加された画面にゲームのコントローラを表示できる
前モデル(とっても日本未発売ですが)のV40 ThinQは背面に3つ、前面に2つの合計5つのカメラを搭載していることがセールスポイントでした。そしてV50 ThinQにも引き続き、5つのカメラが搭載されています。
背面のトリプルカメラは広角・標準・望遠という構成で、好みの画角で写真を撮影可能。しかも、一度に3つのカメラで撮影し、あとで最も見栄えがいい写真を選ぶといったこともできます。ちなみにDual Screenを使うと、その作業をより簡単に行えます。前面カメラは8メガピクセル(標準)+5メガピクセル(広角)です。
▲ちなみに背面カメラは12メガピクセル(標準)+16メガピクセル(広角)+12メガピクセル(望遠)という構成。撮りたい構図に合わせて、レンズを切り替えられる
▲Dual Screen利用時は、3つのカメラで撮れる写真をプレビューできる
■魔法のように操作できる「LG G8 ThinQ」
もうひとつのフラッグシップとして発表されたのは「LG G8 ThinQ」。V50 ThinQと同じくSnapdragon 855を搭載するハイエンドモデルですが、こちらは5Gをサポートしない、4G向けモデルです。
G8 ThinQの最大の特徴は「Z Camera」。これにより、画面に手を触れなくてもジェスチャーで操作できること。具体的に言うと、インカメラにToFセンサー(光の飛行速度を利用して3次元情報を取得できる)と赤外線イルミネーターを搭載し、3Dでの顔認証ができること。そして手の静脈を認証する機能も備えています。またユーザーの手を動きを認識し、スマホの画面に触れないハンズフリー操作も実現しています。
▲画面上部のノッチ(切り欠き)に8メガピクセルの標準カメラと「Z Camera」を搭載。手のひらをかざして、手に静脈を認識してロックを解除できる機能も搭載
この「Air Motion」という操作が画期的なんです。スマホから15〜20cmほど離れたところで手のひらをかざし、空中でなぞるように動かして画面表示を切り替えたり、画面に表示された円を回すように動かして音量を調節できたり…。まるで、マジックか超能力であるかのように操作できるんです。
▲このくらい手を離しても操作できる。手が汚れていたり、濡れていたりして、画面に触れたくなる時にも便利そう
そんなことをするより、タッチしたほうが早いのでは? と突っ込みたい人もいるかもしれませんね。発表された際にもそんな空気になりました。ですが、家の中ではスマホを卓上などに置いている人が多いでしょうし、「OK Google」と話しかける音声操作を便利だなぁ〜と感じている人もいるでしょう。Air Motionは、音声操作に続く、スマホの新しい操作方法なのです。LGって、新しい機能を取り入れるのが早いんです。いや、早すぎるんです。今後、どのように進化して、実用的になっていくかを注視すべきでしょう。
たとえ、Air Motionを使わずとも、G8 ThinQは魅力的なスマホです。6.1インチ(3120×1440ドット)のディスプレイを搭載しつつ、狭額縁設計で、持ちやすいサイズ感を実現。背面カメラもトリプルまたはデュアル(販売地域によって異なる)で、広角での撮影に対応しています。
▲背面カメラは12メガピクセル(標準)+16メガピクセル(広角)+12メガピクセル(望遠)。ただし、望遠レンズは韓国向けのみに搭載。カラバリはレッド、ブラック、ブルーの3色が用意される
▲横幅は71.8mmで、片手で楽に持てるサイズ感。高性能のコンパクトスマホという印象
なお、V50 ThinQ、LG G8 ThinQともに具体的な発売時期や価格は発表されていません。日本での発売は未定とのことですが、LGは最近、大手キャリアだけでなく、ワイモバイルやMVNOにも販路を広げています。日本発売を期待しましょう。
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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