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【アウディ A7スポーツバック試乗】見た目、走り、使い勝手すべて良し!高級車の新理想形

&GP / 2019年3月9日 19時0分

【アウディ A7スポーツバック試乗】見た目、走り、使い勝手すべて良し!高級車の新理想形

【アウディ A7スポーツバック試乗】見た目、走り、使い勝手すべて良し!高級車の新理想形

見た目で選ぶか、雰囲気重視か。それとも、性格や経済性を重んじるか。恋愛や人生のパートナーを決める際、相手に求めることは人それぞれ。そして、条件をひとつだけに絞れる人は、ごく少数だろう。一般的には、いろんな要素をトータルで考えて、相手を選ぶのではないだろうか?

それはクルマだって同じこと。中には「ひと目ぼれ!」と、スタイル一択で愛車を選ぶ人もいるかもしれないが、多くの人は「見た目が良くて、走りも気に入った」とか、「インテリアの雰囲気が良くて、実用性も高そう」など、複数の魅力を見つけて購入車種を決めることだろう。

ここに紹介するアウディ「A7スポーツバック」は、美しいスタイルの持ち主だが、それだけでなく、中身の出来の良さにも驚いた。才色兼備のバランスが、ハンパないほど高いレベルにあったのだ。

■コックピットは未来感あふれる仕上げ

A7スポーツバックは、アウディのラインナップにおいて「A6」以上、「A8」未満というポジショニングにある大型サルーン。とはいえ、A6やA8が伝統的な4ドアセダンであるのに対し、A7スポーツバックは5ドアハッチバックのスタイルを採り、リアゲートがリアウインドウごと開く仕組みになっている。

日本仕様のパワートレーンは、340馬力/51.0kgf-mを発生する3リッターのV6ターボに、48Vのマイルドハイブリッドシステム(MHEV)を組み込んだもので、駆動方式は“クワトロ”と呼ばれるアウディ伝統のフルタイム4WD。グレードラインナップは、「A7スポーツバック 55 TFSIクワトロ デビューパッケージ」と、そこへスポーティな内外装をコーディネートした「A7スポーツバック 55 TFSIクワトロ Sライン」の2タイプとなる。

昨今、欧州車ブランドでは、メルセデス・ベンツ「CLS」やBMW「4シリーズ グランクーペ」/「6シリーズ グランクーペ」、そして、フォルクスワーゲン「アルテオン」など、流麗なセダンが大ブレイク中。その理由は、定番セダンの堅苦しさを嫌い、美しいセダンを求めるニーズが根強いからであり、A7スポーツバックはまさに、そのカテゴリーにドンピシャのクルマといえる。

クーペのようなロー&ワイドのフォルムや、ルーフからリアピラーへかけての、流れるようなラインは、アウディ自ら“4ドアクーペ”と呼ぶのが素直にうなずける、カッコよさと美しさだ。「どうせ乗るのであれば、美しいクルマの方が断然いいに決まっている」と考える人は多いだろうが、このA7スポーツバックは、そんな人たちをひと目ぼれさせる確率が高い。

また、ふたつの大画面ディスプレイがインパネ中央に上下に並び、ドライバー正面のメーターまで大型液晶としたコックピットは、未来感あふれる仕上がり。

これは、アウディの旗艦モデルであるA8に通じるテイストであり、乗るたびに、その先進さにワクワクさせられる人も多いことだろう。

■見た目の印象を裏切る優れた使い勝手

「見た目重視のクルマだから、実用性は低いのでは?」と誤解している人がいるかもしれないが、新しいA7スポーツバックはいい意味で、そうしたイメージを打ち破ってくれる。

リアシートは、大柄なボディサイズを活かして十分なスペースを確保。長身の人は、やや低めのヒップポイント=着座位置が気になるかもしれないが、これは、低いルーフでありながら乗員の頭上クリアランスを確保するための工夫のひとつで、身長175cm程度の人であれば、頭がルーフに触れるといった不都合はない。つまり、A7スポーツバックは、リアシートもしっかり“使える”クルマであり、ファミリーユースもきちんとこなせるだけの実用性を備えているのだ。

さらにリアゲートを開けると、ラゲッジスペースの広さに驚かされる。その広さは“セダンとステーションワゴンの中間”といった印象で、リアシート使用時でも荷室容量は535Lと大容量。

さらにリアシートの背もたれを倒せば、フラットかつスクエアなフロアが出現し、自転車でも難なく積み込める。また、リアゲートの開口部も広いから、大きな荷物の出し入れも簡単だ。

■気持ちの高ぶるエンジンにシャープな動きの足回り

そして、新型A7スポーツバックのもうひとつの特徴として挙げておきたいのが、走りの気持ち良さ。中でも、アクセルペダルを踏み込んでいった時の楽しさといったら格別だ。

アクセルの踏んでいくとエンジン回転が高まる、というのは(一部のハイブリッド車を除けば)当たり前の話だが、新型A7スポーツバックの場合、その回転の高まり具合がなんともドラマチック。踏めば踏むほどパワーが気持ちよく盛り上がり、まるでエンジンが「もっと踏み込め!」と語りかけてくるかのようだ。いかにも緻密に組み上げられたことを感じさせる繊細な回転フィールや、太い排気音と併せ、走り好きの人も納得する、気持ちの高ぶるエンジンなのだ。

またサスペンションの味つけもシャープで、ムダな挙動や反応の遅れがなく、交差点を普通に曲がるだけで「シュン!」と機敏に曲がっていく感覚も、クルマ好きにはたまらないものだろう。

美しく実用的で、走りも爽快。新型A7スポーツバックは、そんなトータルバランスに優れた大型サルーンだ。「見た目か? それとも実用性か?」なんて悩む必要は、もう無用。A7スポーツバックには、そのどちらもが備わっているのだ。

<SPECIFICATIONS>
☆55 TFSIクワトロ Sライン
ボディサイズ:L4975×W1910×H1405mm
車重:1900kg
駆動方式:4WD
エンジン:2994cc V型6気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:340馬力/5200〜6400回転
最大トルク:51.0kgf-m/1370〜4500回転
価格:1066万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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