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最高品質を追求するGANZO、革モノづくりの精神と誠心【CRAFTSMANSHIP】

&GP / 2019年3月25日 20時0分

最高品質を追求するGANZO、革モノづくりの精神と誠心【CRAFTSMANSHIP】

最高品質を追求するGANZO、革モノづくりの精神と誠心【CRAFTSMANSHIP】

【特集】CRAFTSMANSHIP

日本の職人の手により一切の妥協なく生み出されるガンゾのレザープロダクト。その世界が認める最高品質を支えるのが、革モノづくりに対する飽くなき追求心。ここではレザーと縫製の工場に潜入。本物が生まれるまでの流れをぜひ見てほしい。

■丁寧に作ることが、長く使われることに繋がる

百年以上の歴史を誇る皮革袋物専門メーカー、アジオカが1999年に設立した自社ブランド、ガンゾ。同社のメンズ・レザー小物が最高品質と謳われ、本物を知る人々に愛されているのはご存知の通り。

そのプロダクトの魅力に迫るべく行われた今回の取材。そのなかで出会ったレーデルオガワの飛田氏は「どれだけコードバンの特性を引き出しつつ、美しい艶を出せるかを常に追求していきたい」とタンナーとしての目標を掲げ、また、親子2代で関わるアジオカの斎藤氏は、「親父から教わったのは、普段からしっかりと道具の手入れをすることが、美しい仕上がりに繋がるということ。あとは丁寧に念を込めながら、コバを磨くのみ」とモノづくりの従事者として、誠実さの必要性を語ってくれた。

彼ら職人の言葉から感じられたもの、それは妥協を許さぬクラフトマンシップ。では “永く使える定番を作り続ける” というガンゾの基本理念が、これから向かう先とは?

同社の公式マガジンにあった一文にその答えを見つけたので、ここに掲載して結びの文とさせていただく。

「技術力を超える本当の品質をわたしは知っている。ひたすら丁寧に作ること。それを何年も、何十年も続けること。それが、すべてなのだ」

【GANZOの革モノが出来るまで】

■タンナー編「レーデルオガワ」

コードバンの仕上げを専門とする国内最上級のタンナー。その技術力に対する評価は非常に高く、なかでも水性染料を用いる「アニリン染め」のみのコードバン染色を実現させているのは世界でココだけ。

1.加脂

乾燥状態の馬革を特製オイルに漬けた後、スリッカーを使って余分な油分と水分を絞っていく。ここで革の伸びや艶感などの仕上がりの良さが100%決まるといっても過言ではない。

 

2.ドライアップ

適度な水分を残すためには自然乾燥がベスト。屋外に夏場では丸々1日、梅雨や冬場などは1日半~2日間吊り下げておく。 OKかどうかの見極めは職人の経験則と肌感覚で判断する。

 

3.削りだし

表面を削り、コードバン層を露出させる作業。削り幅はわずか0.05mm。個体差を考慮しつつ削り出すには繊細な力加減が要求され、判断基準は透明感。ここでも職人の目のみが頼り。

 

4.グレージング

瑪瑙のローラーによる摩擦熱で表面を焼くように磨いていくことで美しい光沢が表れる。革の状態によって力加減の調整が必要。実は作業工程でいうところの段階ではいまだ50%!

 

5.ポリッシュ

染色した革を仕上げる最終工程。表面に特製のワックスを塗って磨き上げることで、コードバン本来の美しい表情を表現する。ちなみにここまでで最速でも3週間の期間を要する。

 

■縫製編「AJIOKA.」

素材のカットから仕上げまでを一貫して行なっている工房。工房長を務める斎藤さんのお父さまも同じく革職人。親子2代にわたってガンゾの生産に関わっており、そのモノづくりの精神もしっかりと継承されている。

1.カット

タンナーから届いた革の上に抜き型を置き、上からハンドクリッカーで圧力をかけてパーツごとに切り出していく。素材にムダを出さず、なおかつ品質を保つためにも、手作業であることは必須!

 

2.コバ漉き

パーツが複数重なる箇所は、縫製時に最小限の厚みで済むように革裏を漉いておく必要がある。これによって中身を入れた際にも不細工に膨らむことなく、スマートなシルエットが実現するのだ。

 

3.コバ塗り

コバ(革の切断面)部分に茶粉と呼ばれる染料を手塗りしていく。ここは製品の出来映えや完成度にも影響を与える重要なポイントだ。また、この赤茶色のコバこそがガンゾのアイコンでもある。

 

4.コバ磨き

艶出しと経年劣化によるほつれを防ぐ目的で、コバにふのりを塗り重ねる。この作業を2~3回繰り返した後は、布を指に巻きつけてひたすら磨いていく! しっかり磨くことで、耐久性も高まる。

 

5.念引き

念引きとは、コバのエッジ部分などに「念」と呼ばれる道具で直線状の筋を刻む加工のことで、プロの仕事の代表例。このひと手間で立体感と陰影のある表情が加わって、全体の印象も引き締まる。

 

【一流レザープロダクトをその手に -信頼の技術と極上の素材が生むGANZO最新レザーアイテム-】

ガンゾの革モノづくりの現場を覗いたことで、そこから生み出されるプロダクトにも興味津々となった読者諸氏のために、今すぐ入手可能な最新コレクションもご紹介! 今回は3種類の革素材にフォーカスして、各々の魅力に迫っていく。

■コードバン

馬の尻部分の革を指し、堅牢さと透明感のある艶、使い込むことで生まれる独特の光沢が特徴。ガンゾでは、手間のかかるアニリン染めを施したレーデルオガワのコードバンを使用している。

ガンゾのアイテムが世界最高水準のレザープロダクトと呼ばれる理由のひとつ、それがコードバン。元の状態から刷り出して磨くという工程を必要とすることから “革のダイヤモンド” とも喩えられるが、ひとつ違う部分がある。

ダイヤモンドの魅力は、キズつかず変わることなく、永遠の輝きとも謳われる不変性。しかしコードバンは使い込むことで、キズもついたりするものの、徐々に透明感が増していき極上のエイジングを楽しめるようになる。そう、一緒に過ごした時間で、持ち主と共に成長していくという点こそが大きな違い。変化のなかにこそ美しい輝きは宿るのである。

▼使い込むほどに増していく、美しき艶とアジ

▲(左)「小銭入れ付きコンパクト札入れ」(右)「長財布」

CORDOVAN LUCIDA
「長財布」(9万7200円)

小銭に紙幣、カードとすべてをコレひとつに収めたいという声に応えて登場。コインポケットのファスナーを見えづらい低い位置に取り付けることで、ビズスタイルにもマッチする上品な顔立ちとなった。

CORDVAN BOX
「小銭入れ付きコンパクト札入れ」(4万8600円)

コンパクトサイズながら紙幣やカードも6枚収納可。コインポケット部分はボックス型で視認性も高く、手のひらで収まるサイズ感でパンツのポケットに収まるのも嬉しい限りだ。

■7QS-H

食用としても名高い飛騨牛を、素材、裁断、すき、縫製、へり返し、磨き、仕上げの7工程において上質を追求して仕上げたオリジナルレザー。しっかりとした厚みがありアジが楽しめる。

一口に「牛革」といっても品質はピンキリ。もっとも上質とされているカーフは生後6カ月以内の子牛の革だが、この7QS-Hシリーズで使われているのはなんと、世界中の美食家の間でも人気の高い飛騨牛! しかしなぜ食用牛の革を?と疑問符が浮かぶが、このトートバッグのプレミアムな佇まいを見れば、しっかり厚みがあってアジのある表情の良さは一目瞭然。

素材選びから仕上げまで、熟練の職人の手による7つの工程を経て仕上げられた高級黒毛和牛。使い込むに従って、果たしてどんな経年変化の味わいが楽しめるのか? あっ、考えただけでヨダレが…。

▼高級黒毛和牛を使って仕上げた最上級のジャパン・レザー

 

トートバッグ(9万5040円)

定番ジップトートバッグに長さ調整可能なショルダーストラップを装備し、ハンドル持ちと肩掛けの2WAY対応。内側にジップポケットを備え、名刺入れや手帳などを仕分けて収納出来る。

 

■牛革

国産のカーフをタンニンで鞣し、染料で染め上げた上からグレージングをかけて、透明感と美しい艶を表現。丁寧に手作業で揉んでいるため、コントラストのある色への経年変化が味わえる。

全てが最高品質に仕上げられたガンゾのアイテム。とりわけ繊細な質感を誇る牛革(カーフレザー)を用いた財布には、ジェントルマンのアイテムとしての細やかな配慮が随所に見て取れる。その最たる部分が “薄さ” へのコダワリだ。ビズシーンを想定した際に気を付けるべきは、ポケットに収納した際に起こり得るスーツの型崩れ。

だがコチラだったら、しっかりカード段やコインポケットを備えながらも、膨らむことなく見た目はすっきり。“出来るオトコは、常にスマートであるべき”。そんな大人の美学が反映された逸品をお探しとあらば、本シリーズをお勧めしたい。

▼ビズで活躍するその秘密は薄さに対する強いコダワリ

▲(左)「二つ折り財布」(右)「長財布」

GLAZING CALF
「二つ折り財布」(4万3200円)

札仕切りやコインポケットの仕切りを排し、スリムで収まりの良いシルエットを追求したふたつ折り。コインポケットはフラップ付きスナップボタン仕様なので、小銭がかさ張らず収納可能。

GLAZING CALF
「長財布」(4万6440円)

ボディにカーフレザーを用いたことで、ともすればボリュームが出がちな長財布でも、中身を入れた際の表情はすっきり。また札入れやカード段の使いやすさという点においてもポイントは高い。

>> 【特集】CRAFTMANSHIP

本記事の内容はGoodsPress4月40-43ページに掲載されています

 

(構成・取材・文/TOMMY  写真/江藤義典 会田秀人)

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