世の中を変えた平成の名国産車10選<前編:20世紀>

&GP / 2019年4月9日 19時0分

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世の中を変えた平成の名国産車10選<前編:20世紀>

2019年4月30日、平成という時代が終わり、5月1日から令和の時代が始まります
平成約30年間のクルマ史を振り返ってみると、クルマ選びの価値観を大きく変え、他の自動車メーカーのクルマづくりの方針さえも変えるようなモデルが登場しました。

今回は前後編で、平成史に残る名国産車を取り上げます。あわせて平成に発売された新モデルも紹介していきます。

まずは前編、平成11年(2000年)まで。

※掲載車種の発売年月は一部を除き初代モデルのものになります

▼平成元年(1989年)発売

2月 スバル レガシィ

5月 日産 180SX

8月 日産 スカイラインGT-R(BNR32)

9月 マツダ ユーノスロードスター

10月 トヨタ セルシオ

11月 日産 インフィニティQ45

 

■マツダ ユーノスロードスター …ライトウェイトオープンというジャンルが復活

時代が平成へと変わった1989年は、国産車を語る上で絶対に外すことのできない年です。

世はバブル景気の真っただ中。国産車メーカーは潤沢な開発予算を投じ、トヨタセルシオ、日産スカイラインGT-R、スバルレガシィなど後に名車と呼ばれるモデルを多く発表しました。その中で筆者が注目したいのはマツダが1989年9月に国内販売を開始したユーノスロードスターです。

1960年代に全盛期を迎え、その後衰退してしまったライトウェイトオープン2シーター。当時のマツダのエンジニアは「他社とは違う独自の商品が必要」と考え、このジャンルに着目。ただし、60年代をコピーするのではなく、今の時代にふさわしいモデルを生み出すという意気込みがあったと聞きます。

ユーノスロードスターは発売と同時に長期の納車待ちになるほどの人気モデルに。発表直前に行われた事前予約会では、マツダ社内で「納車が落ち着くまでお客様を最優先するように」というおふれが出ていたにもかかわらず、多くの社員が徹夜で予約会に並んだと言います。社員に大きなリスクを背負ってでも乗ってみたいと思わせるモデルは、そうはないはずです。

ロードスターの大ヒットはこれまでライトウェイトオープンスポーツに見向きもしなかった世界中の自動車メーカーを動かすことに。そして、BMW Z3、M、メルセデスベンツSLK、フィアット バルケッタ、ポルシェ ボクスターなどが登場しました。

現在、ロードスターは4代目となるNDへと進化。2016年4月には累計生産台数が100万台を突破しました。そして2017年8月にはNAロードスターのレストアサービスが発表されるなど、ロードスターはマツダの歴史の中でも特別なモデルになっています。

 

▼平成2年(1990年)発売

1月 マツダ MPV

2月 日産 プリメーラ

3月 トヨタ セラ

4月 マツダ ユーノスコスモ

5月 トヨタ エスティマ
5月 三菱 ディアマンテ

9月 ホンダ NSX

10月 三菱 GTO

 

▼平成3年(1991年)発売

2月 三菱 RVR

5月 ホンダ ビート

6月 日産 セレナ(当初はバネットセレナ)

9月 トヨタ ウィンダム

10月 トヨタ クラウンマジェスタ
10月 トヨタ アリスト

11月 スズキ カプチーノ

 

▼平成4年(1992年)発売

9月 三菱 ランサーエボリューション

11月 スバル インプレッサ(当時はインプレッサスポーツワゴン)

12月 マツダ オートザムAZ-1

 

▼平成5年(1993年)発売

9月 スズキ ワゴンR

 

■スズキ ワゴンR …軽自動車だって広い室内で快適に過ごせる!

1990年には和製スーパーカーと呼ばれるホンダNSX、そして1991年~92年には軽自動車版スーパーカーとも呼べる2シータースポーツが相次いで発売されました。でもこれらとはまったく別の意味でスーパーモデルとなったのが1993年に登場した初代ワゴンRではないでしょうか。

それまで狭くて当たり前だった軽自動車ですが、背を高くすることでこれまでにない広大な室内空間を確保。しかも単に広くするだけでなく当時流行だったRVテイストを盛り込むことで、着座位置が高く見晴らしがよくなる、男性でも乗りやすいデザインにするなど、随所に革命的なコンセプトを取り入れました。

ワゴンRはデビューからわずか5年で累計販売台数100万台、そして10年で200万台を達成する、新たな日本の国民車となったのです。

 

▼平成6年(1994年)発売

5月 トヨタ RAV4
5月 三菱 デリカスペースギア

10月 ホンダ オデッセイ
10月 三菱 FTO

12月 日産 ラシーン
12月 三菱 パジェロミニ

 

■ホンダ オデッセイ …日本のミニバンブームの立役者

バブル景気全盛期は、空前の海外旅行ブームに。20代の独身者も年に1度は海外旅行を楽しみ、世界中で日本人の“爆買い”が話題になったりました。しかし1991年のバブル崩壊以降、日本人のレジャーは“安近短”と呼ばれる近場でお金をかけずに楽しむスタイルへとシフトしました。

その流れの中でブームになったのがキャンプ。このとき盛り上がったのはテントを担いで山登りをするようなガチキャンプではなく、荷物をクルマに積んで整備されたキャンプ場でライトに自然を楽しむオートキャンプでした。オートキャンプ人口は1996年にピーク(1580万人)を迎えます。

ホンダは1994年に3列シートのオデッセイを発売。それまでも1BOXタイプを中心に3列シートモデルはありましたが、オデッセイが画期的だったのはアコードのプラットフォームを使って開発されたこと。

FFベースで、しかもキャブオーバーではないため乗用車のような運転感覚でロングドライブを楽しめることから、ライトなアウトドアユーザーやファミリーから支持される大ヒットモデルとなりました。オデッセイのヒットを受け、他社からも乗り心地を重視したミニバンが相次いで発売され、日本は空前のミニバンブームになっていきます。

ホンダはオデッセイを皮切りに展開したクリエイティブ・ムーバーシリーズを相次いで投入。CR-Vやステップワゴン、S-MXもヒットモデルとなり、スポーツカーのイメージからRVのイメージが強くなっていきました。

 

▼平成7年(1995年)発売

6月 マツダ ボンゴフレンディ

8月 ダイハツ ムーヴ

10月 ホンダ CR-V
10月 インテグラタイプR

 

▼平成8年(1996年)発売

1月 トヨタ メガクルーザー

4月 ダイハツ ミゼットⅡ

5月 ホンダ ステップワゴン

8月 マツダ デミオ

9月 三菱 レグナム

10月 日産 ステージア

 

▼平成9年(1997年)発売

2月 スバル フォレスター

5月 日産 エルグランド

8月 ホンダ シビックタイプR

12月 トヨタ プリウス
12月 トヨタ ハリアー

 

■トヨタ ハリアー …SUVに与えられた“ラグジュアリー”という価値

1987年のパリ・ダカールラリーで篠塚建次郎選手が三菱パジェロで総合3位に入賞。この模様がNHKで連日放送されたことで、日本にRVブームが沸き起こります。パジェロは最盛期には月1万台以上を販売。トヨタハイラックスサーフ、日産テラノなども人気モデルとなりました。折しも世の中はスキーブームの真っただ中。クロカン4WDでゲレンデに行くのは大きなステイタスでした。また、クロカンは六本木や渋谷などオシャレな街でも注目されるモデルとなりました。

この頃に流行したモデルはいわゆるトラックベース。その後、“ライトクロカン”と呼ばれるトヨタRAV4やホンダCR-Vが人気になりました。そして1997年、トヨタはハリアーというこれまでにないコンセプトのSUVを登場させます。

ハリアーは車高の高いSUVに高級セダン並のプレミアム性を盛り込んだクロスオーバーモデル。乗り味もクロカン、ライトクロカンとは一線を画す高級感あふれるものでした。北米ではレクサスブランドでRXとして発売。これが世界中で大ヒットします。

ハリアーの登場は、2000年代に入りBMW X5、ポルシェカイエン、フォルクスワーゲントゥアレグなどヨーロッパの自動車メーカーが相次いでプレミアムSUVを投入する契機になります。そしてそれが現在のSUVブームへと繋がるのです。

 

▼平成10年(1998年)発売

2月 日産 キューブ

5月 トヨタ プログレ

10月 トヨタ アルテッツァ

 

▼平成11年(1999年)発売

1月 トヨタ ヴィッツ

4月 ホンダ S2000

8月 トヨタ ファンカーゴ

9月 ホンダ インサイト

10月 トヨタ MR-S

 

▼平成12年(2000年)発売

1月 スズキ スイフト

2月 トヨタ bB

10月 ホンダ ストリーム

11月 日産 エクストレイル

 

>> <後編:21世紀>

(文/高橋 満<ブリッジマン>)

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