初心者やリターンライダーの強い味方!ホンダ「CB」小排気量車を振り返る

&GP / 2019年5月3日 21時0分

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初心者やリターンライダーの強い味方!ホンダ「CB」小排気量車を振り返る

ホンダのCBシリーズというと、大排気量の4気筒モデルを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は現行のCBシリーズには125ccや250ccモデルもラインナップされています。また、シリーズの源流となる「ベンリイ CB92スーパースポーツ」の排気量は125cc。それ以降も魅力的な小排気量モデルがそろっていました。CBシリーズの小排気量モデルを振り返りながら、現行モデルの魅力に触れてみましょう。

 

■小排気量でも手を抜かない作りで人気モデルに

CBシリーズの現行モデルには3つの系統があることは、以前の記事でも触れました。

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しかし現在シリーズの中心になっているのは“ネオスポーツカフェ”の系統。「CB1000R」「CB650R」「CB250R」「CB125R」の4車種がラインナップされており、排気量も125cc〜1000ccまで幅広くカバーしています。

▲左からCB1000R、CB650R、CB250R、CB125R

排気量の大きい「CB1000R」と「CB650R」は4気筒ですが、小排気量の「CB250R」と「CB125R」は単気筒。ただし、スタイリングのイメージは共通で、エンジンやマフラー、タンクなどの重量物を車体の中心近くに配置することでマスの集中化を図り、シートやLEDのライトなどはコンパクトに抑える設計はすべてのモデルに通底しています。

 

なかでも人気が高いのが250ccモデル。先日マイナーチェンジが施され、「マットパールアジャイルブルー」の新カラーが追加されるとともに前後サスペンションがブラッシュアップされて足つき性が向上しました。エンジンは単気筒で27馬力を9000rpmで発揮しています。

ラジエーターを支えるシュラウドへとつながるような立体感を強調したタンクの造形も、兄弟モデルと共通するもの。急制動時にリアタイヤの浮き上がりを抑制する車体姿勢推定システム付きのABSを標準装備するなど、小排気量車であっても手を抜いていない作り込みが感じられます。

 

■シリーズのルーツも125ccスポーツ車

排気量の小さなモデルであっても徹底して作り込む姿勢は、過去のCBシリーズにも共通するもの。というより、そもそもCBシリーズの始まりは小排気量車でした。

初めて「CB」の名が与えられたモデルは1959年発売の「ベンリイ CB92スーパースポーツ」(通称「CB92」)。2気筒の4ストロークエンジンを搭載し、10500rpmで最高出力を発揮する高回転型のエンジンを搭載していました。この「CB92」がレースで大活躍したことによって、CBシリーズの輝かしい歴史が始まったといえます。

続いてCBシリーズの歴史に名を残した1960年発売の「ドリームCB72スーパースポーツ」も250ccモデル。こちらは2気筒エンジンで、24馬力を9000rpmで発生させていました。この時代に1リッターあたりほぼ100馬力を達成し、現行モデルと最高出力や発生する回転数がほとんど変わらないのも驚異的です。

それもそのはず、このエンジンは当時のレース専用マシン「CR71」と全く同じパワーを誇っていたのです。レース向けのパーツも充実していて、このマシンでレースを始めた有名ライダーも多くいました。上の写真は、そのレース向けのキットパーツを組み込んだ車両。公道モデルがベースながら、レーシングマシンの凄みを感じさせます。

そしてこの写真は1969年式の「ベンリィCB125」。当時の上位モデルである「CB250」「CB350」と同じ2気筒エンジンを搭載し、5速ミッションやタコメーターも装備するなど小排気量であっても手を抜いていないことが感じられます。ちなみにエンジンは15馬力を11000rpmで発揮していました。

 

■原付ライダーの憧れだった「ベンリィCB50」

50ccエンジンを搭載した原付一種クラスのモデルも存在しました。写真は1971年式の「ベンリィCB50」。ホンダの50ccバイクというと、スーパーカブと同じシリンダーが水平近くまで前傾した通称“横型”エンジンを積んだモンキーが有名ですが、こちらはシリンダーが直立した“縦型”エンジンを搭載していました。車体サイズも大きく、大排気量のバイクと同等の17インチタイヤを履いていて、原付ライダーの憧れでした。

エンジンの出力は6馬力ですが、発生回転数は10500rpmで高回転型のエンジンであったことがうかがえます。そのため、このクラスでは国内初となる別体式のタコメーターを装備していて、原付とは思えない元気な走りを味わえます。

このモデルのベースとなったのは1970年発売の「ベンリィCB90」。こちらは2人乗りが可能なため、タンデムシートが装備されており、車体サイズもやや大きいのが特徴です。最高出力は10.5馬力を10500rpmで発揮していました。

「CB90」の後を継ぐかたちで1975年に発売されたのが「ベンリィCB125JX」です。直立したシリンダーのエンジンにティアドロップ型のタンクというバイクらしいスタイリングにCBシリーズらしさを感じます。最高出力は14馬力/10000rpmにまで引き上げられており、それに合わせて機械式のディスクブレーキを装備しています。

このモデルはその後、ブレーキの油圧化などのリファインを受け、1987年まで生産され続けます。1970年代の第1次バイクブームから1980年代の第2次バイクブームに至るまで、若い人向けのエントリーモデルとして愛されました。先日は「ベンリィCB50」「ベンリィCB90」「ベンリィCB125JX」の3台を集めた試乗会も開催され、それぞれ元気に走る姿を披露。ホンダがこれらのモデルに力を注いでいたことを感じさせてくれました。

 

■峠道で無類の速さを誇った「CB250RS」

最後に触れておきたいモデルが1980年リリースの「CB250RS」。25馬力を8500rpmで発揮する高回転型の単気筒エンジンを搭載し、250cc専用設計の軽量な車体と相まって、ベテランライダーが乗ると峠道で無類の速さを誇ったことから隠れた名車と称される車種です。

発売当時のイメージキャラクターには世界GPチャンピオンに輝いた片山敬済が採用されたことからも、このマシンのスポーツ性の高さが感じられます。4気筒の大排気量車だけがCBシリーズではないことを象徴するモデルといえます。

CBシリーズの原点となったマシンから現行モデルまで、250cc以下の小排気量マシンを振り返ってきましたが、ホンダがこのクラスのマシンに注いできた力の大きさが感じられることでしょう。現行のマシンでも、その姿勢は同じ。上の写真は「ベンリィCB125JX」と現行の「CB125RS」を並べたものですが、倒立式のフロントフォークやラジアルマウントのブレーキキャリパーなど、走りに関する部分は全く手を抜いていないことがわかります。これからバイクデビューをしようと思っているエントリーユーザーや、重い大排気量車は少し不安というリターンライダーには、小排気量のCBシリーズは最高の相棒になってくれそうです。

>> ホンダ「CB250R」

 

(取材・文/増谷茂樹 写真/松川 忍)

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