コレ1台で満足!日産「デイズ ハイウェイスター」の実力にリッターカーは戦々恐々!?
&GP / 2019年5月11日 19時0分
コレ1台で満足!日産「デイズ ハイウェイスター」の実力にリッターカーは戦々恐々!?
日産自動車の軽自動車「デイズ」が、6年ぶりにモデルチェンジ。2代目へと進化しました。
“日本のための軽自動車”をキャッチフレーズに掲げる新型ですが、企画・開発は初代モデルに続き、日産自動車と三菱自動車の合弁企業であるNMKVが担当。同時発売された三菱「ekクロス」、「ekワゴン」とは、兄弟車という間柄になります。
一方、ラインナップは、クロスオーバーモデル風のたたずまいが特徴のekクロスをイメージリーダーとするekシリーズとは異なり、デイズはスポーティ志向の「ハイウェイスター」と、カジュアルな出で立ちの「標準車」という展開。今回はそのうち、日産車のデザインアイコンである“Vモーショングリル”がりりしいイメージリーター、デイズ ハイウェイスターの詳細についてご紹介したいと思います。
■人気ミニバンを思わせるりりしくスタイリッシュなたたずまい
かつて軽自動車といえば、近距離移動やビジネスの足、といった質素なモデルが少なくありませんでした。しかし近年は、小型車もかくや、という装備や質感を実現したモデルが多数登場。さらに、アウトドア志向のクロスオーバーSUVタイプや、ツール感漂う商用バン風モデルなど、個性派がそろう人気カテゴリーとなっています。
そんな激戦区に打って出た日産自動車の新型デイズは、軽自動車の王道ともいうべきトールワゴンスタイルを継承しつつ、プレミアム感をアップさせてきたのが特徴といえるでしょう。ボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1640mm(4WD車は1660mm)で、全グレード共通。もちろん、全長と全幅は軽自動車規格の限界いっぱいですし、ボディやメカニズムも、兄弟車であるekシリーズと基本的に共通。最低地上高やトレッドなどのスペックも共通です。
確かにサイドから見ると、ウインドウの形状や、リアへと伸びるブラックの加飾によって屋根が浮いたように見えるフローティングルーフ、そして、立体的なプレスラインが目を引くドアやボンネットを始めとするボディパネルなどが、ekシリーズと共通であることに気づきます。一方、デイズ ハイウェイスターのフロント部には、最近の日産車におけるアイコンともいうべきVモーショングリルが備わり、なんともりりしく迫力ある顔つきとなっています。
実はデイズ ハイウェイスターに試乗する直前、三菱自動車のekクロスに触れる機会があったのですが、フロントのバンパーとグリル回りのデザインが変わるだけで、「かなり印象が異なるんだな」と感心させられたほど。ひと言でいえば、ekクロスはSUVを思わせる力強さ、デイズ ハイウェイスターはプレミアムミニバンを思わせるスタイリッシュさを、見事に表現できているのではないでしょうか。この辺りは、「日産自動車と三菱自動車のデザイナーの皆さん、お見事!」といったところでしょう。
ちなみに、デイズ ハイウェイスターには全11色のボディカラーが用意されており、そのうち4色がツートーン仕様となっています。
パールホワイト×プレミアムサンシャインオレンジのような、若々しい色使いの組み合わせもありますが、アッシュブラウン×フローズンバニラパールなど、シックで大人びた印象の組み合わせも。ボディカラー選びだけで、かなり楽しめそうなクルマです。
■ボディ、エンジン、シャーシのすべてが新設計
今回のモデルチェンジで最も注目すべき点は、車体とメカニズムの進化でしょう。
デイズとekシリーズは、日産自動車と三菱自動車の合弁企業、NMKVによる企画・開発であることは先に紹介した通りですが、先代モデルのメカニズム開発は、基本的に三菱自動車側で行われたのに対し、新型は日産自動車の主導によって行われています。
そして今回のモデルチェンジでは、プラットフォームも刷新。ホイールベースは従来モデルから65mm伸ばされ、2495mmとなりました。このホイールベース延長分は、室内空間の拡大に充てられていて、リアシートのヒザ回りの広さはクラストップを実現。なんと、大型サルーンである日産「フーガ」級の広さを実現していて、実際、身長180cmの筆者でも、リアシートに座ってゆったり足を組めました。
新型デイズはエンジンも新開発。「ハイウェイスターGターボ」が搭載するのは、排気量659ccの直列3気筒ターボエンジンで、最高出力64馬力、最大トルク10.2kgf-mを発生。一方、「ハイウェイスターX」には、52馬力、6.1kg-mを発生する自然吸気エンジンが搭載されます。ちなみにハイウェイスターシリーズは、いずれも、電気モーターとリチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッド仕様となっているのも特徴です。
組み合わされるトランスミッションは、CVTのみの設定。トルクコンバーター式AT車のように、速度と回転数に合わせた変速ステップや、段階的な加速音を再現しているのが特徴です。なお駆動方式は、ターボ、自然吸気ともに、FFと4WDが用意されています。
■力強い加速と快適な乗り心地は小型車をも凌駕!?
フルモデルチェンジとなると、気になるのはやはり走りの仕上がり。といっても、新型デイズのメカニズムは、先日ご紹介したekクロスと同じだからなぁ…と思いきや、ekクロスの試乗車は4WD仕様のみ、今回乗ったデイズ ハイウェイスターはFF仕様のみ、という違いがありました。その辺りに注意しつつ、テストドライブへと出掛けてみましょう。
最初にキーを預かったのはターボ仕様。走り出してすぐに感じるのは、ストレスのない加速力です。新型のエンジンは、自然吸気仕様、ターボ仕様ともに、スペック上の最大トルクこそ微増にとどまっていますが、いずれも発生回転域が広がっていて、スタートはもちろんのこと、高速道路本線への合流など「ここぞ!」という時には、十分なダッシュを見せてくれます。また、高速巡航中に遭遇するちょっとしたアップダウンも、アクセルペダルを踏む右足に軽く力を込める程度でクリア、といった印象です。
一方、自然吸気仕様でも、加速感に不満を感じることはありません。確かに、加速時に周囲をリードしようと思うと、エンジン回転数が5000回転を超えることがありますが、エンジン音のボリュームこそ大きくなるものの、運転席回りに不快なノイズが届くことはありません。むしろ、普通に加速して流れに乗る、という範囲では、軽自動車であるということを意識することさえなさそうです。
ちなみに、FF仕様と4WD仕様とでは、同一グレードで比べると車重が60kg違います。具体的には、「ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション」のFF仕様は880kg、同4WD仕様は940kg(ekクロスの同等グレードも同じ重さ)と、大人1名分ほどの重量差があります。内心は、「加速に影響するのでは?」と思っていましたが、決定的な差を感じることはありませんでした。これは、軽さにメリットがない、ということではなく、低速域からトルクが立ち上がるパワーユニットのセッティングが功を奏し、60kg程度の重量増は気にならない、といったところなのでしょう。
そうした加速性能に加え、デイズ ハイウェイスターは乗り心地もなかなか良好。しっかりとしたボディは、ちょっとした段差や荒れた路面を通過しても、とがった振動やザラザラした感触を伝えてくることはありません。
開発陣いわく、近年は通勤や通学にとどまらず、軽自動車を趣味やレジャーなどに使う、つまり、ファーストカーとして使うオーナーが増えており、新型の開発に際しては、長距離移動時の快適性や安全性も考慮したとのこと。確かに、シートの完成度を含め、乗り心地は出来の良いコンパクトカーと比べても、勝るとも劣らないほど。
また、ステアリングホイールを回す際の操作力は軽めですが、路面の感触は伝わってきますし、高速道路を巡航していても、不満や不安を感じることはありません。質感の高いインパネ回りや、シート、操作系の扱いやすさも含め、インテリアは1リッターから1.5リッター級のコンパクトカーから乗り換えても、十分満足できそうです。
■軽自動車への本気を感じさせる先進装備
そんなデイズ ハイウェイスターの本気ぶりを感じるのが、“プロパイロット”を始めとする運転支援システムと先進安全装備でしょう。
テレビCMなどでもお馴染みのプロパイロットは、高速道路上で前走車との距離と、車線の中央をキープしてくれる先進デバイスで、ハイウェイスターに装着車を設定。その便利さを知ってしまうと、もはや手放せないかもしれません。パワーが限られる軽自動車ゆえ、「機能をオンにしている時の加減速で少々つらいシーンもあるのでは?」と思っていましたが、セッティングの進化とパワーユニットのトルク特性向上などによって、法定速度内では不満を感じることはありませんでした。
安全装備も、“インテリジェントエマージェンシーブレーキ”や“車線逸脱警報”、“踏み間違い衝突防止アシスト”などは、グレードを問わず標準装備。また、ヘッドライトのハイ/ロウ切り替えをサポートする“ハイビームアシスト”は全グレードに、空から見下ろしているかのような映像で駐車をサポートする“インテリジェントアラウンドビューモニター”は一部グレードに標準装備するなど、電子デバイスの充実ぶりは普通乗用車と変わりません。
さらに、メーカーオプションとなりますが、“SOSコール”も装着可能となっています。これは、車内のSOSコールスイッチを押した時や、エアバッグの展開と連動し、専門のオペレーターへと接続。警察や消防への通報などをサポートするシステムです。このように、電子デバイスを中心とした装備の充実ぶりも、新型デイズ ハイウェイスターの注目点といえるでしょう。
軽自動車というと、通勤や通学のアシ、というくくりで考えてしまいがちですが、デイズハイウェイスターは、排気量やボディサイズ以外では、小型乗用車をしのぐ部分も少なくありません。スタイリッシュなルックスはもちろん、装備や快適性も大幅に進化を遂げていますから、掛け値なしにファーストカーとして使いたいという人の期待にも、十分応えてくれそうです。
<SPECIFICATIONS>
☆ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション
ボディサイズ:L3395×W1475×H1640mm
車重:880kg
駆動方式:FF
エンジン:659cc直列3気筒DOHCターボ+モーター
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:64馬力/5600回転
エンジン最大トルク:10.2kgf-m/2400~4000回転
モーター最高出力:2.7馬力/1200回転
モーター最大トルク:4.1kgf-m/100回転
価格:164万7000円
<SPECIFICATIONS>
☆ハイウェイスターX プロパイロットエディション
ボディサイズ:L3395×W1475×H1640mm
車重:860kg
駆動方式:FF
エンジン:659cc直列3気筒DOHC+モーター
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:52馬力/6400回転
エンジン最大トルク:6.1kgf-m/3600回転
モーター最高出力:2.7馬力/1200回転
モーター最大トルク:4.1kgf-m/100回転
価格:156万7080円
(文&写真/村田尚之)
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