ジワジワくる掘り出し物!飾り気のない三菱「ekワゴン」はクルマ界の“無印良品”
&GP / 2019年5月24日 19時0分
ジワジワくる掘り出し物!飾り気のない三菱「ekワゴン」はクルマ界の“無印良品”
先頃、6年ぶりにフルモデルチェンジした三菱自動車の「ekワゴン」。4代目となる新型は、日産自動車と三菱自動車の合弁企業・NMVKが企画、開発を手掛けており、クロスオーバーSUV風に仕立てられた三菱「ekクロス」や、スポーティなミニバンを思わせる日産「デイズ ハイウェイスター」といった兄弟車が設定されています。
ekクロスやデイズ ハイウェイスターは、近年、個性派モデルのデビューが相次いでいる軽自動車カテゴリーにおいても、キャラクターのハッキリした存在ですが、今回紹介するekワゴンのたたずまいは、それらに比べると控え目に映ります。
一方、日常のパートナーとして考えると、“無印良品”の各製品のように、飾らないシンプルな出で立ちに好印象を抱く人も多いはず。そこで今回は、ekワゴンの気になる装備と走り、そして、ekクロスとの違いについてチェックしてみました。
■飾らないけど上質なekワゴンの内外装
ekワゴンの第一印象は、「たくましさと愛らしさを上手くバランスしたekクロスもいいけれど、シンプルでクリーンなコチラもいいんじゃない」といったところ。
既報の通り、三菱自動車のekシリーズと日産自動車のデイズは、メカニズムを共有する兄弟車。ボディサイズはもちろん、エクステリアパーツもヘッドライトやバンパー、グリル以外は基本的に共通ですから、よくぞここまで異なる印象の顔立ちに仕立てたものです。
エクステリアデザインについては好みにもよると思いますが、個性的な兄弟たちに比べると、ekワゴンはスッキリと端正にまとめられてきた印象。例えばekクロスには、クロスオーバーSUVらしさを演出すべく、ホイールアーチ部にブラックの加飾が施されますが、ekワゴンには備わりません。
でも、安っぽさを感じないのは、躍動感のあるボディサイドのプレスラインや、リアドアからCピラーへとつながるブラックの装飾など、ベースとなるデザインが優れているからにほかなりません。特に軽ハイトワゴンの場合、サイドビューが平板に映りがちですが、そう見えない辺りはまさに、デザインの勝利といったところでしょう。
デザインや、ディテールのコーディネートの巧みさを感じさせるのは、インテリアも然り。インパネやシートの形状はekクロスと共通ですが、ダッシュボード上部やドアパネル、シート表皮を明るい色とすることで、インテリア全体がカジュアルでソフトな印象に仕上げられています。
また、ステッチが刻まれたダッシュボードの質感や、シート生地のテクスチャーも上質で、ひとクラス上の普通コンパクトカーの水準をしのぐレベルを実現しています。
ディテールをチェックしていくと、ekクロスでは上位グレードに革巻きステアリングが採用されていますが、ekワゴンでは上位グレードの「G」でも、ウレタンという質素な設定。ですが、感触そのものは悪くありませんから、気になることもなさそうです。
■サイズダウンのタイヤで乗り心地はしなやか
ekワゴンとekクロスとを比べた場合、最も大きな違いはエンジンにあります。
ekクロスのそれは、自然吸気エンジンもターボエンジンも、ともにマイルドハイブリッド機構が組み合わされるのに対し、ekワゴンにはマイルドハイブリッド機構が付かず、排気量659ccの直列3気筒自然吸気エンジンのみという設定。スペックは、最高出力が52馬力、最大トルクが6.1kgf-mで、組み合わされるトランスミッションはCVTのみ。駆動方式はFFと4WDが用意されています。
そうした要素だけを見ると、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、街中や高速道路を法定速度内で巡航する限り、少なくともパワー的に不満を感じることはありませんでした。唯一、気になったのは、アイドリングストップからの再始動時。エンジンが始動する際に「ブルン」という振動が若干感じられる…のですが、決して同クラスのライバルに対して劣っているわけでなく、マイルドハイブリッド機構を積むekクロスの制御が巧みで、そうした振動を感じないから、といったところでしょうか。
一方、ekワゴンの走りにおける魅力といえば、しなやかな乗り心地。155/65R14というタイヤサイズは、ekクロスの上位グレードと比べるとひと回りサイズダウンとなりますが、細かい段差の多い路面や、橋などの舗装のつぎ目もしなやかに受け流してくれる印象です。
例えば、小さなお子さんのいるファミリーや年輩の方を乗せる機会が多い人にとっては、より“安心”してドライブに出掛けられるのではないでしょうか。
■お手頃価格で手に入る先進メカニズム
今の時代“安心”といえば、忘れてはならないのが先進安全装備や運転支援システムでしょうか。ekワゴンは、衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い衝突防止アシストなどからなる“三菱e-アシスト”を標準装備。また、アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援機能を組み合わせた高速道路同一車線運転支援技術“MI-PILOT(マイ・パイロット)”が上位グレードにオプション設定される点も、ekクロスと変わりありません。
ちなみに、デジタルルームミラーとマルチアラウンドモニターのパッケージオプションと、MI-PILOT関連のパッケージオプションとを合わせても、価格は16万2000円となかなかお手頃。車両本体価格は130万円台ですから、割合としては決して小さくはありませんが、合計150万円台でこれらの先進機能が手に入ると思えば、お得感はかなり強いと思います。
「クルマで遊びに行くぞ!」というワクワク感がみなぎるekクロスに比べると、ekワゴンはちょっと大人しいイメージ。ですが、乗れば乗るほど、触れれば触れるほど、そのバランスの良さを感じられたのも事実。肩ひじ張らずに付き合えて、ちょっと上質な“ブレッド&バターカー”をお探しの人にとって、ekワゴンは良いパートナーとなってくれそうです。
<SPECIFICATIONS>
☆G(FF)
ボディサイズ:L3395×W1475×H1640mm
車重:830kg
駆動方式:FF
エンジン:659cc 直列3気筒 DOHC
トランスミッション:CVT
最高出力:52馬力/6400回転
最大トルク:6.1kgf-m/3600回転
価格:137万7000円
(文&写真/村田尚之)
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